今日の朝、夕紀にボーデヴィッヒの事を教えてくれた後、俺は自分に何が出来るのか、何をするべきか考えていた。
俺には、千冬姉以外の家族は居ない、其れは夕紀も同じって、千冬姉が言っていた。
今の俺は、ISを手に入れたけど、其れでもまだ弱い。
同い年の夕紀と比べて、俺は出来る事が少ない、誰かに守られ続けられるのは、嫌だが今の俺は、まだ守られるのは、分かっている。
其れに、今のボーデヴィッヒに話しかけたところで、まともな返事なんて、返ってくる筈が無いのは、分かっている。
そして、学校の授業が終わり、寮に帰る途中、話し声が聞こえて来た。
「何故こんなところで教師など!」
「何度も言わせるな。私には私の役目がある。それだけだ」
其れは、ボーデヴィッヒと千冬姉の会話だった。
学園内で「氷の転校生」と呼ばれているらしいボーデヴィッヒだが、今はやけに饒舌だった。
「お願いです、教官、我がドイツで再びご指導を、ここではあなたの能力は半分も生かされません」
「ほう」
「大体、この学園の生徒など教官が教えるにたる人間ではありません」
「何故だ?」
「意識が甘く、危機感に疎く、ISをファッションか何かと勘違いしている。そのような程度の低いものたちに教官が時間を割かれるなど――」
「――そこまでにしておけよ、小娘」
「っ……!」
千冬姉が威圧感のある一言を発し、ボーデヴィッヒを黙らせた。
「少し見ないうちに偉くなったな、十五歳で既に選ばれた人間気取りとは恐れ入る」
「わ、私は……」
ボーデヴィッヒのその声は、明らかに怯えていた、多分憧れの千冬姉に、あんな風に言われたのが、ショックだったのだろう。
その後、自分の言葉を一蹴されたボーデヴィッヒは、その場を走って去っていった。
「さて、盗み聴きとは、異常性癖は感心しないぞ」
「いや!何で、そう何だよ!」
「其れと、木の上から、ボーデヴィッヒを撃たんとばかりに、銃を構えているお前は、さっさと下ろせ」
「ちっ、やっぱバレてたか」
千冬姉が、そう言うと俺が隠れていた、木の上から、銃を降ろした夕紀が、出てきた。
「反省していない様だな、天凪?」
「失敬な、ちゃんと反省して撃たなかったではありませんか、其れに気配を織斑程度にまで、出していたのに、気付かないのは、ダメすぎでは、無いですか?彼奴」
「じゃ、じゃあ、俺は部屋に戻るよ」
火花を散らす二人を見て、この場に居てはいけないと思った俺は、素早く寮に戻って、部屋に入った。
シャワーを浴びようと、扉を開けた先には。
「え、いち、か?」
「シャ、シャルル?!」
女の子の身体のシャルルが、居た。