夜のIS学園の第一アリーナ、私はとある理由でこの場所に訪れた。
とある理由は、私の眼の前で行われる模擬戦、いやアレは唯の強度検査、やってる本人からしたら、唯のストレス発散何だろうが、簡単に言うと新作の試しをしに来たのだ。
「ゆう君、今日は何時にも増して、荒れてるね〜」
ISの生みの親である私が、こんな所でしかも、夜中に爆発などの音が聞こえていたら、大騒ぎが起こるかも知れないが、アリーナの周りには、防音などのステルスシールドを展開しているから、気付かれる事はないのだ。
「ひー君達から、荒れてるゆう君は、危険以外の何者でも無いって言葉、あながち間違って無いかもね」
私の研究に協力してくれているひー君達との会話を、アリーナで新型無人機を相手に、暴れ回っているゆう君を見ていると思い出した。
彼らは、私に及ばずとも、凡人達なんかより、面白い子達だ。
一人一人は、其れほどだけど、五人で何かを考えたりする時は、私でも驚く様な事を思い付く。
基本的に、揶揄い甲斐のある子達だけど、今のゆう君は、何かちょっと苦手意識を持ってしまう。
其れは、何故か
「があ"ぁ"ぁ"あ"あ"あ"あ"!!!!!」
何時ものクールな感じとは、程遠い獣の様な叫びをしながら、ゴーレムMrkIIを刀で、斬り刻んだり、槍で串刺しにしたり、大鎌で傷を抉ったりなど、何時ものゆう君からは予想できない事をしているからだ。
こんなに成っているのも、あのドイツの銀髪が、ふざけているからだ!
内心で、そう思っていると、ゆう君がフェイス部分を踏み潰した瞬間に、ゴーレムの反応が消えた。
「ゆう君、終わったよー」
「そうですか、かなり強度が上がっていますね」
「まぁね、其れよりも壊しても良いって言ったけど、やり過ぎだよ?」
「すいません」
私の言葉に、素直に頭を下げてくるゆう君に、慌てて言い返す。
「あ、ああ、気にしないでね!ゆう君に今日何が、あったか知っているから、此れだって其れを見ていたから、頼んだんだよ?」
「そうですか、でも実用化したら、武装は取り付け無いでくださいよ?」
「分かって居るって!此れの開発動機は、ゆう君達みたいな子を作らない為何だよ?今のゆう君に成っているのは、私の所為でも、ある訳だし」
「ありがとうございます」
先ほどまで、暴れていた同一人物とは、思えない様な影を落とした表情に、少しだけ罪悪感を感じてしまう。
こんな私をちーちゃんが、見たら驚くだろうなぁ、何て思っていたら、アリーナのシールド内に刺さりまくっている、槍や刀、大鎌を粒子化して、収納し終えたゆう君が、近くに来ていた。
「今回は、ありがとね!おかげ、安心出来たよー!」
「其れは、良かったです、其れじゃあ天災さん、また今度会いましょう」
「うんうん!じゃあね!」
私は、観客席から、飛び降りるとその場から姿を消して、自分のラボへと戻った。
トーナメントの当日、参加していない俺は、観客席とアリーナに入ってくる通路の間で、始まるのを軽い気持ちで、観察していた。
各国のお偉いさんも来ている様で、二、三年は、緊迫した感じだったが、そのお偉いさんの中にも、知り合いがちらほらと居たので、軽く驚いたのは、此処だけの話しだ。
そして、パートナー抽選が終わり、大きなディスプレイに表示された。
そして、一回戦の対戦者は、こんな感じだった。
第一回戦
織斑・一夏&シャルル・デュノア
VS
天凪・夕紀&ラウラ・ボーデヴィッヒ
と表示され、俺は直様槍を投げつけディスプレイに突き刺す。
その後、騒めきの中で新しいディスプレイには、
第一回戦
織斑・一夏&シャルル・デュノア
VS
篠ノ之・箒&ラウラ・ボーデヴィッヒ
と表示された、取り敢えず勝手に俺が出るとか言った奴は、後でぶん殴る。