「泳ぐのは、いつぶりかなー」
「知らんがな、友人でも無いお前の事情なんて、知った事では無い」
俺と織斑は、水着に着替える為、男子の脱衣所で着替えていた。
俺は、普通の海パンに上着をつけた状態だが、織斑は海パン一丁と、結構オーソドックスな状態だった。
篠ノ之辺りが見たら、驚くだろうな。
「其れより、お前は、こっちを見過ぎじゃ、言っとくが俺は其方系じゃねぇぞ」
「俺も違うわ!唯、鍛えているんだなって思って」
織斑は、俺の腹の腹筋のところを見ていた為、そっち系かと思い後ずさったが、如何やら違った様だ。
姉さんに、この腹筋を見られた時は、鼻息を荒げながら迫ってきた時は、ある意味恐怖を覚えたが、今ではそんな事をしてきたりは、無くなっている。
「おら、さっさと行くぞ」
「あ、ま、待てって!」
そそくさと、出て行く俺を織斑は、慌てながら追って出てきた。
「あっつ、其れより身体が軽すぎて、違和感がハンパ無い」
俺と織斑の登場に、ちょっと騒がしくなった砂浜をスルーして、海辺の岩場に立った俺は、水着になる為、外した重りの分だけ、軽くなった身体に、違和感を感じていたが、気にせず、海に飛び込む。
久しぶりに潜った海は、キラキラと輝いて、色とりどりの魚達が、優雅に泳いでいた。
自分の黒さとは、相容れぬぐらいに綺麗な海の中は、此処に来る事を渋っていた俺からしたら、来て良かったと思える場所でもあった。
海から上がった俺は、浜辺が騒がしい事に気が付き、近づいて見ると、織斑先生達が、織斑達とビーチバレーをしていたが、織斑先生の打つスパイクは、凶弾そのものだった。
其れを見た俺は…………
「面白そうだな、俺も入れろや」
「面白い、織斑!天凪と交換しろ」
「は、はい!た、頼んだぞ!」
「ふん、お前に頼まれる迄も無いわ」
コートに入った俺は、織斑先生達のサーブを、ネットを越えた時点で、打ち返した。
「「「「はっ?!」」」」
「貴女を楽しませるには、これぐらいは、普通でしょ?」
「面白い」
その時の織斑先生の眼は、獰猛な獣の様な、それでいて面白い物を見つけた様な、眼をしていた。
「怪我しても、知らんぞ」
「誰に、物を言っているんですか?今の俺は、何時もより数段軽いですからね」
其処からは、俺と織斑先生の一対一になり、結局バレーボールが、破裂する迄一進一退の攻防戦が続いた。
「うん、うまい!」
食事の時間になり、大広間で、食事をしていると、出てきた刺身を食べた織斑が、感嘆の声をあげた。
まぁ、確かに此処の料理は、美味しいが一歩の方が、もっと美味しく作れる。
因みに、今の俺の席はと言うと、織斑、デュノア、俺の順で、デュノアは外国人とは、思えない程箸の使い方が上手く、慣れた手つきで、刺身を食べている。
「おいし〜ね〜」
「君は、食事中とあんま変わらないんやな」
「そ〜お〜?」
「はぁ、俺は、外食を余りしないんだよ、寮でも朝昼晩は、自分で作って喰ってるから、あんま慣れないな、こう言うのは」
「そうなんだ〜」
そして、食事中での会話は、隣の布仏だけで話しをし、出来る限り気遣って、デュノアには、話さ無い様にする。
早めに食べ終わった俺は、ささっと大広間を出て行くと、途中で織斑先生に出会った。
「交流は、もう少し持ったらどうだ?」
「必要無いですよ、其れにあの人が来ているのでしょう?」
「まぁな、何故知っているかは、聞かないでおく」
あの人とは、我らが天災さんの事である。
そして、すれ違う時、織斑先生にだけ聞こえる程度の声量で、こう言った。
「俺には、元々IS適正なんて、ありませんから」
「なに?」
織斑先生は、何か聞こうとしたのだろうが、素早く戻る俺を見てか、何も聞いて来なかった。
俺のこの臨海学校での目的、其れは、
俺の、IS適正と“IS干渉脳波”を無くして、貰うこと。