IS〜憎しみを抱える少年〜   作:TENC

52 / 62






夏休み その三

「う、んんぅ……」

 

息苦しい。

部屋で、寝ていたら、息苦しさで眼が覚めてしまった。

だが、眼を開けても目の前は、真っ暗で、電気を消して居るからと言って、此処まで暗い筈がない、そして、何故か俺以外の寝息も聞こえてくる。

まさかと思い、何とか顔を上に向けて見ると、其処には、俺の頭を自分の豊かな双丘に、押し付けて穏やかな寝息を立てて寝ている、姉さんが居た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

如何して、こうなった!?

もう一度言おう、如何して、こうなった!?確かに姉さんは、自分が納得がいか無いことが起きたら、俺の意思を無視して、こんな風に抱きつく時は、前にも何度かあった。

だが、今回は、何も無かった筈だ!あの二人との会話も、其処まで問題が、あった訳では無かった。

そして、もう一度言おう、如何して、こうなった!?

 

そして、やっとこさ姉さんの拘束(抱きつき)から、逃れた俺は、ベットを降りる。

別に、残念だなんて思ってい無い!絶対に!

いや、こう言う時は落ち着くのだ天凪夕紀。姉さんの唐突の行動なんて、何時もの事だ。まだ慌てる段階じゃ無い。

 

………俺は、朝から何をやっているんだ。

 

 

 

 

「あ?渋滞だから、送って?」

 

朝の出来事の後、姉さんは早急に準備を済まして、リハーサルなどの現場練習をする為に、朝食を食べた後素早く出掛けて行った。

そして、一、二時間経った後姉さんから俺に、現場まで送ってくれとの電話がかかって来た。

姉さんの身勝手さに、ため息を吐きながらも、ガレージに向かって、愛車にまたがる。

 

豪快なエンジン音で、姉さんが指定した場所に、最短距離でかつ安全に、走行して行く。

 

俺のバイクは、オフロードタイプだが、改造しているので、街中では、割と目立つ方だ。

其れに、姉さんは基本外に出ても変装なんて面倒な事をし無いから、余計目立つ。はぁ、有名な人物の家族ってのは、楽じゃないぜ。

指定された場所で、姉さんを見つけた俺は、その眼の前に、態とカッコよく止めた。

 

「時間ぴったり、にしてもカッコつけ過ぎじゃ無い?」

 

「こう言うのは、ノリだよノリ。さっさと乗ってよ姉さん。安全は保障するけど、荒いから」

 

「何時もの事でしょ?分かっているわよ」

 

俺の姉さん発言に、騒がしくなった街中を無視して、俺の後ろに姉さんが、乗ったのを確認した俺は、フルスロットルで、バイクを飛ばし、“本気の力で地面を蹴りつけ”て“バイクごと大ジャンプ”をした。

 

“風が、風が俺を呼んでいる!”

 

何て、心の中で言いながら自然のオフロード運転手もびっくりな程の、荒々しく街中を縦横無尽に走り回る。

誤字では無い、実際に飛んだりしているのだから。

 

後ろに乗って居た姉さんは、意外や意外にも楽しんでいた様子で、元気良く笑っていた。

その後、現場練習では、あのジェットコースターにも、勝るとも劣らないスピードの中に居たとは、思え無い程笑っていた。

この人は、本当に。

 

 

 

 

 

俺の大切で、素晴らしい程に憧れる愚姉だよ、全く。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。