「うざったいな、全く」
マルコスと別れた俺は、世界各国の軍関係者や、政府のお偉いさん達に、スカウトを受けたが、軍に入るつもりは全く持って無いので、全て断った。
此奴らは、俺が教官やっている事を知ら無いのだろうか?知ってても、如何でも良いけど。
「ん?あの人混みの中に居るのは………」
廊下を歩いていると、大きな人だかりが出来た場所を見つけ、その中心に居る人物を見て、少し同情したくなったが、彼奴にしてみたら、良くある事だろうから、そんな思考は捨てると、向こうも俺が、居る事に気付いたのか、人だかりを掻き分けて、近付いてきた。
「久しぶりだな、ビックスター?」
「その名で、呼ば無いでくれよ、夕紀、僕にはアドロフ・ノーブルと言うれっきとした、名前があるんだからさ」
アドロフ・ノーブル
超人気ハリウッド俳優で、アクション、恋愛、ホラーなど、様々なジャンルの映画に、出演した事があり、その中でもアクション映画は、スタントマンを使わず、数々の乱闘やカーチェイスなど、正しくビックスターに相応しい、実績を残しているのだ。
「基本、苗字でしか呼ば無い俺が、あだ名で呼んでるんだから、良いだろ?まぁ良いや、あんたも来てたんだな」
「ああ、“あの”夕紀が、居る学園だからね、其れに心優ちゃんも公演するみたいだからさ、見に来たんだよ」
「姉さんなら、今は最終調整していますよ、其れより何処か見に行くのなら、1組にどうぞ」
「はは、そうさせて貰おうかな」
アドロフは、眩しい笑顔を見せながら、手を振りながら、1組の教室の方へと、歩いて行った。
………また、騒がしくなるだろうな、などと思いつつ、俺は、歩き始めた所で、後ろから、声を掛けられた。
「天凪夕紀君ですよね?」
「ええ、そうですけど」
まさか、あっちから声を掛けて来るとはな、俺に声を掛けた女性………
「私は、IS装備開発企業『みつるぎ』の渉外担当の巻紙礼子と申します」
巻紙礼子(偽名だろうが)は、この学園に襲撃しに来た、
テロリストとの、ファーストコンタクトで、心の中に生まれる何かを抑えながらも、聞き流した後に、スカウトという名の誘拐宣言を、やんわり断って、その場を後にする。
そして、又もやIS学園屋上に戻ってきた俺は、夜に疑問を問いかける。
「あの女が、持っているISの情報は?」
ーー機体名『アラクネ』第2世代型IS
アメリカが、開発したが
蜘蛛の様な形状が特徴。
夏休みにアドルフの奴が、そんな話ししていたのを思い出した俺は、自然と口角を上げていた。
「
其れより勉強しなくては、あのアホ達に負けたら、何を言われるか分からんからな。
俺が、そんな事を思っていると、学園内が騒がしくなったのを感じた。
「そろそろ、か」
其れは、テロリストが動きだす、生徒会主催のイベントが、始まった事を意味する、騒音だった。
「さてと、何処まで出来るか、試してみるか」
屋上では、下の騒音が、嘘の様に静かだった。
「始めるか」
俺は、重い腰を上げて、監視カメラで見つけた場所へと、移動する為に、柵を飛び越える。
そのまま、その場所へと、駆け抜ける。