「寒っ!」
「十二月の後半だと言うのに、確かにかなり寒いな」
今日になるまで、色々と大変な事があったが、出発時は何の問題も無く、優雅に空の旅を満喫できた。
大阪の空港に着いて、外に出ると十二月下旬なのにかなりの寒気を感じた。
エイトは、寒いのが苦手な様で、その日ずっと手をポケットに入れたまま一緒に回っていた。
大阪城などを見学して終わり、ホテルでの自由時間。
「エイトお前、どんだけ寒がりなんだよ」
「うっせぇ!苦手なもんは苦手なんだよ!」
「分かったから騒ぐなよ、煩くてしょうがない其れより食堂に行こうぜ」
「あ!待てって!」
エイトの寒がりを笑う、日高を置いて食堂に向かおうとすると、慌てた日高が後ろから走ってくる。
「でも、ホテルの中で自由時間って、結構珍しいよな何かあったのか?」
「あれだろ、去年の入学式アレのお陰で、残った俺たちに楽しんでもらう為らしいぜ?怪我の功名とは言ったが、あんな怪我したくないわ」
「全くだな、さっさと食って部屋に戻ろうぜ」
「そうだな」
五人で、食堂に着くとかなり豪華なバイキングタイプの食堂だった。
「広いな、席取りしとくから先にお前らが、取ってこいよ」
「OK、行こうぜ紫苑」
「分かった」
日高達が、席取りをとておくと言うので、俺は紫苑と一緒にトレイを持って、食べ物を取る。
「外食とか、した事ねぇな今思えば、何時も家で食ってたわ」
「そう言えば、FFに寄るときもお前は、コーヒーゼリーだけだもんな、其れにお前の場合は、心優さんが居たら必ず作らされるから、基本的に内食だったな」
姉さんは、料理が出来ない訳では無い、寧ろ上手な方であるが、姉さん曰く「家では、自分の料理以外が食べたい」とのことらしい。
まぁ、そのおかげで俺の料理センスは、かなり上がったのだが。
そんな他愛ない話しをしながら、ある程度料理を取ったら、日高達が座ってるテーブルを見つけて、其処の空いてる席に腰掛ける。
「じゃあ、俺らも行ってくるわ」
「おう」
日高達も、俺と紫苑と交代で料理を取りに行った、話しをしている時は、気付いて居なかったが、他の生徒達も食堂に来ていた。
「夕紀君達早いね?あ、隣の席良いかな?」
紫苑と料理を食べながら、駄弁っていたら隣のクラスの女子の
「良いよ、天霧達も今が来たばっかか?」
「話しが、盛り上がってねいつの間にか結構時間経ってたから、急いで来たんだよ」
あはは、笑いながら天霧達は、料理を取りに団体で向かって行った、丁度その時に日高達が戻ってきた。
「ん?如何したんだ?」
俺と紫苑の視線が、日高の料理の量に目がいっているのに気付いた日高が、俺たちに疑問の声をかける。
「嫌、多くね?お前が沢山食べるのは知ってるけど、多くね?」
「ああ、FFでもお前そんなに食べないだろ」
「何か、今日は沢山食べたいんだよ」
俺の料理の量も多いと思ったが、日高の量は俺の二倍近くあった。
正直、そんなに夜から食べる気にはなれないが、日高は俺たちと喋りながら、完食してしまった。
隣に座っていた、天霧達の班のメンバーの子が一人小声で、「あんなに食べてあんな体型なんて良いなぁ」なんて言ってたが、気にしない事にする。
「其れでは、指定の時間までは自由行動なので、楽しんで下さい」
引率の先生の注意の言葉を聞いた後、班に分かれて皆それぞれの場所に向かった。
俺たちも、近場の食い物屋から寄り、途中に見つけた面白そうな体験場所などを見学したり、色々楽しんで遊ぶ事が出来た。
指定時間に時間が、近付いてき俺たちも集合場所に向かう途中、何処かでもめている声が聞こえてきた。
「ねぇ、念のため見に行って見ない?」
「出たよ、一歩のお人好し行動はぁ、夕紀ー如何する?」
「俺に聞くなよ、行ってみるしかないだろ?一歩のお人好し行動は、見に行ってみないと後々面倒だし」
俺の言葉に、渋々と言った感じで、声のする方に歩いて行くと、二人の男が天霧達を囲んでいた。
「なぁ〜良いだろ?ちょっとだけだから」
「離れて下さい!」
「そう、抵抗すんなって、俺たちと楽しもうぜ〜」
胸糞悪くなるぐらい気持ち悪い男達だった、紫苑達もそう思ったらしく、呆れた表情から無表情になっていた。
「日高さん、判決は?」
「有罪、ギルティ」
エイトが、ふざけた様なセリフで、日高に聞くと日高も其れに合わせた様な返しをした。
その返しの後、紫苑と一歩が同時に飛び出し、男達に飛び蹴りを与える。
「グフゥ」
「が、ガキが!」
「うっさい、黙っとけよ」
「「がっ?!」」
二人の飛び蹴りに、体制を崩して倒れるが、ヨロケながら立ち上がり叫んだので、鳩尾の部分に加減した発勁を打ち込む。
発勁によって、精神を削がれた男達は白目をむきながら倒れていった。
「あ、ありがと」
「礼言うなら、一歩に言えって彼奴のお人好し行動が無ければ、助けなかったからな」
「あはは、ありがとね空元君」
天霧の礼に、一歩は少し照れていたが、日高の咳払いに元の顔に戻りこう言った。
「は、早く行こうよ時間が無いからさ」
その行動に、同じ班の俺たちは笑うのを我慢していたのは、言うまでも無い。
そんなこんなで、修学旅行はハプニングが起こる事も無く、無事に終了した。
その後も、何事も無く進み3年へと学年が上がり、受験の終わりにあの事件が起きた。
『皆さん!世界初の“男性”IS操縦者が、登場しました!』