「あー面倒くさ」
俺の眼の前には、マスコミの奴らが学園の警官達に抑えながらもこっちに好き勝手に質問して来たりしている。
何で、こんな状況になっているのか。それを説明するには、二日前に遡る。
あの時は、テロリスト達を迎撃し姉さんの公演が、無事に行われると知ったので偶にはと、ライブを観戦している時だった。
「電話か」
ズボンのポケットに入れていたスマホの着信音が鳴った。俺はスマホを取り出し着信者の名前が『???』となっていたが、迷う事なく電話に出る。
『もしもし〜ゆう君?』
「ええ、其れで俺に電話かけてきて何かご用ですか?」
その電話の相手は、我らが天災さんだった。天災さんには俺の適正を無くしてもらうと頼んであるので、今回電話をかけてきたのは、其れに関係する事なのかと思いながら、返答を返す。
『あるっちゃあるけど。其れよりもゆう君の適正を無くす準備が出来たよ!』
「そうですか、其れで何時そっちに行けばいいすか?」
『明日、明後日ぐらいかな今日は、何か色々と疲れたー!』
「そうすか、まぁ分かりました。準備を終えて時間を見つけてそっちに向かうとします。其れで用ってのは?」
天災さんは、あるっちゃあるけどと言っていた。俺は、優先事項を確認した後、その用を天災さんに聞き返す。
『しー君が、新しいAIを作ったんだよ!だから、ゆう君にも手伝って貰って、AIを乗せたゴーレムを作ろうと思ったんだよ!どう?手伝って貰える?』
紫苑のお手製AIって事は、かなり高性能其れは世界一と言っても過言じゃ無い。其れを取り付けたゴーレムか、面白そうだ。
「分かりました。手伝いますが、1ヶ月後ですかねやるなら。その方が俺の方も楽になりますから」
『ありがとう!じゃあ、その時になったら連絡まわすよ!』
「はい」
天災さんとの電話切り、まだまだ続く姉さんのライブに意識を戻す。
この時は、姉さんが一番輝ける時間俺みたいな
「適材適所、姉さんには日向俺には日陰があっている。人に輝きを与える姉さん、人の闇の部分を抱え込む俺とで分かれている。だから俺は姉さんの隣には立てない」
此れは、俺が俺で姉さんが姉さんで、あるが為の俺が考えついた答え。姉さんが聞いたら、拳骨でしばかれそうだけど、仕方がない。
その人には、その人の能力にあった場所に就くこと。其れが、その人を一番活かせる方法。こんなの知ろうと思えば誰でも知れるが、意外と知らない奴が多い。
だから俺の能力が活かせる場所を見つける。此れが俺の当分の目標だ。
そして、冒頭の数時間前に時間は進む。
昨日のうちに、適正を無くしてもらった俺は、織斑先生経由でIS学園を辞めた。
そして、天災さんが何を思ったのか、突然テレビの報道に出る事になったらしい。其れを教えてくれた織斑先生の顔は、酷く疲れきっていた。
何というか、ご愁傷様です。
テレビの記者会見に出た天災さんが、話した事はこんな感じだった。
『二人目の男性操縦者は、私が勝手に適正を与えたから私とは、交流があるから勝手なことをしたら、どうなるか分かってるよね?じゃあ、本題に移させて貰うけど昨日のうちに彼の適正を無くした、此れは私が勝手にやった事じゃなくて、彼に頼まれたからやった事。其れと彼にはISが何で女性にしか使えないのかを調べるのに、協力してもらった。其れから分かった事を教えてあげる。結論は簡単だったよ。其れはISのコア人格が、最初に反応を見せたのが女性だったから、だから女性にしか反応を見せなかった。織斑一夏が動かせたのは、私が作っている時に何度か触れていたから、そう言う事だった。じゃあ、男性は絶対に動かせ無いのか?答えはNOだよ。方法は君達で考えてよね、おまけとしてコアを改正したから、もしかしたらまた新しい男性操縦者が現れるかもね』
かなりのマシンガントークで、聞き取れた奴はそんなに居ないだろうが、最後の部分にあった。“また新しい男性操縦者が現れるかもね”の言葉は、しっかりと聞き取れただろう。その時だけ、その部分を強調して言ってたから。
其れより、公然の前でちーちゃん発言は、無いと思いますぜ?天災さんや。其れから、俺を人外なんて言うんじゃない逸般人や。
天災さんは、言うだけ言うと俺と紫苑、エイトで調べた報告書を残して、テレポートで姿を消した。
やっぱ、天災の名は伊達じゃ無いな。
そして冒頭に戻る。
迫り来ようとするマスコミの報道陣達に、苛立ちを感じた俺は重りを外して、思い切り跳躍してマスコミ陣の後方に着地した瞬間、猛ダッシュで駆け抜ける。
※この時の夕紀は、重りを全部外しています。
さっさと、家に帰って寝よ。
其れから一週間は、天災さんの登場のお陰で、俺が適正が無くなった事が余り公表はされず。割と楽に過ごせた。
藍越学園の編入試験も無事に終わったので、後は明日の登校日を待つだけだった。
日高や紫苑達の何時もの四人は、なんか俺に同情の気持ちを込めたメールを送ってきて、中学の同級生達は十人十色の様々なメールを送ってきた。
まぁでも、彼奴らとまた一緒になれるのは、嬉しい事に変わりは無いけどな。
そして、最初の登校日と自己紹介の場…………
「天凪夕紀です。紫苑達と同じ中学で分け合って、別の場所に通ってましたが、戻って来れたのでこっちに編入しました。特技はスポーツ、残りの時間よろしく」
さてと、普通(大嘘)の高校生活を始めますかな。