さて、イデアでは『反政府組織』のガイゼだが……。
あ、父さんにはカードは渡して、俺が預けていたカードも返してもらったよ。
話を戻そうか。
「反政府組織か……どんな活動をしているんだ?」
「はっきり言って、制度化された強盗集団だからな。見つけるたびに、デュエルをして倒して追い払っている」
「そんな感じか……」
というか……。
「本当によく似てるよな。遊世とガイゼって」
「メインデッキのモンスターも、エースモンスターも、色違いって感じだったしね。効果は全然違ったけど」
鉄也と氷菓が呟いた。
確かに、よく似ている。
「そんなことはいい。それと、遊世。君、4519……いや、ドレイクを連れているそうだな」
「そうだが」
「それなら、これを渡しておこう」
ガイゼは一つのデッキを取り出した。
遊世は受け取った。
「あんまり見ないカードたちだな……」
『あ、遊世。それ、俺がイデアで使っていたデッキ』
「そういうことか」
『ていうか、俺も顔を見せておいた方がいいか。遊世。ダークマターのカード。あるか?』
返事はせずに、ポケットからカードを取り出した。
一瞬黒く輝いた後、エフェクトが漏れ出てきて、ドレイクの形になる。
「ふう……一応は初めましてだな。早苗に関しては、一応二回目だが……」
一回目なんてあったか?まあいいけど。
「君がドレイクか」
八雲が呟いた。
「遊世を介していろいろ見ている。ま、宜しくな」
「で、これがデッキだ」
ドレイクにデッキを渡す。
「いやー、懐かしいな」
本当に懐かしそうにデッキを確認している。
「デュエルするか?」
遊世はデュエルディスクを見せる。
「いきなり一戦目でお前とはやりたくないな」
「居候が何を言うか……」
まあ、いいけどな。
「個人評価でどれくらい強いんだ?」
「そうだな……どれくらいだろうか……八雲ほどの実力があるかないかってところだと思うぞ」
弱くはないな。
そこからも少し話はしたが、お互いの方針を確認しただけと言った感じだろう。
ガイゼも、この世界、彼らが言うところの『ボーダー』らしいが、そこにも拠点があることには食いついた。
現段階では戦力が足りないのも事実だが。
「そう言えば、ガイゼって、反政府組織ではどれくらいの実力だったんだ?」
「階級で言えば実行部隊の小隊長のようなものだが、実力で言えばトップクラスだと思っている」
ふむ、人数は知らないが、まあ今はいいとしよう。
今日は解散になった。
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次の日。
遊世はデュエルのとある講座の補修のため、午後も居残りであった。
厳密には追試を受けている。
そこに記載されているの一つがこれ。
【『クリフォート・アセンブラ』のカードに記載されているモンスター情報を全て記入しなさい】
スペクトル召喚が出てきたあたりから使われなくなったカードだ。遊世の手が完全に停止している。
ていうか、分かるかこんなもん!
なぜこんなことを覚える必要があるというのだ!まるで意味が分からんぞ!
……とまあ、こんな感じに内心絶叫している。
「……次の問題に行こう」
だが、他の問題も大体こんな感じなのである。やめてくれ。
結局、無駄としか言えない時間が過ぎていった。
荷物をまとめてさっさと教室を出る。
八雲はガイゼと話すらしい。ちなみにドレイクも一緒にあの喫茶店に残っているので、正真正銘、今は一人であり、今日は誰かと集まる予定はないのだ。
「今日はどうするか……ん?」
ふと見ると、サイバー流の道場があった。
なんだったっけ。リスペクトデュエルだったか?それが信条らしいのだが、どうもカウンター罠はおろか罠全体にいやな視線を向けてくるものたちなので、あまり好きな場所ではない。
遊世はデッキケースからカードを一枚取り出した。
それを見ながら、思う。
「本当に誰もが信じる、サイバー流の形って言うのは……一体何なんだろうな」
その時……。
「む、これは……サイバーカードの気配だ」
頭にアンテナ付きのヘルメット、よくわからない無線機を手に持った男が、道場の周りをうろうろしていた。
明らかに浮いている。が、妙に影が薄いのは……まだ不審者レベルが彼では低いからだろうか。あんなのいっぱいいるからな。うん。
「む、君の手から反応がする」
その男はこちらを向いた。
そして、変な歩法で近づいて来る。
ちょっと知り合いだとは思われなくない感じの人である。
「君、すまないが、そのカードを見せてもらってもいいだろうか」
「……」
遊世は無言でカードを見せる。
「おお、『サイバー・ドラゴン』ではないか。君も道場の門下生なのかな?」
「いや、そう言うわけではないが……」
「では、それは盗品だな」
何がどうなるとそう言う感じになるんだろうね。不思議。
「サイバー流に属するものにしか、そのカードは与えられないはずなのだ」
三日くらい前に、ショップに寄った時に小学生がパックで当てていた気がしなくもないが、まあ、話は聞こうか。
「よって、そのカードを持っている君は、誰かからカードを奪ったということになる。そのようなことは、この私、サイバー流師範、藤堂白夜が許さないぞ!」
こんなのが師範なのか……世も末だと思わないか?丸藤亮。
「デュエルだ!私が勝てば、そのカードを渡してもらおう」
微妙にニヤニヤしていて気持ちが悪い。
ていうかさ。盗品見たら普通、警察呼ぶと思うのだが……気のせいか?
ていうか、盗品ではないと分かって行ってるな。
この男の目的。
1 レーダーでカードを発見。
2 近づいていって確認。盗品だと言いつける。
3 あとはまあデュエルでどうにかする。
……的な感じか?そもそも、師範なのかどうかも疑わしい。
いや、リスペクトと言う言葉を使いたいからあえてそう言っているだけか。
まあ、ちょっと捻ってやるか。
遊世はデュエルディスクを構える。
男もデュエルディスクを構える。
「「デュエル!」」
遊世 LP4000
白夜 LP4000
「先行は私からだ。私は手札から魔法カード『苦渋の選択』を発動する」
……は?
ちょっとまて、それは永久の禁止カードだろ。なぜ使える?
「この効果により私はこの五枚を選択する」
『処刑人マキュラ』
『処刑人マキュラ』
『超電磁タートル』
『クリッター』
『ダスト・シュート』
……苦渋の選択で選ぶにしては変な選択カードである。
カオス関係は入っていないのか……まあ、あれは高いからな。しかも絶版だし。
マキュラエクゾのようにも見えないが……。
※絶版なのはこの世界独自の話です。
「クリッターを選択する」
「ふふ、マキュラの効果で罠カードを使うことが出来る。『出たら目』を発動しよう」
「サイコロ……」
「そして次に『第六感』を使う、4と6だ」
そう言うことか……。
「さあ、サイコロを振れ」
振った。
……あ、6だ。
「よって、私は六枚ドローする」
手札十枚か。
「あまりそろい方がよくないな。まあいい。『ガガガマジシャン』を召喚し、レベルを7に変更。『突然変異』を使って『異星の最終戦士』を特殊召喚しよう」
異星の最終戦士 ATK2350 ☆7
召喚ができなくなったか……。
「カードを五枚セット。ターン終了だ」
多分……苦渋の選択を使う奴の中では最弱だろう。
しかし……許せんなぁ。
「俺のターン。ドロー……『ハーピィの羽根箒』を発動する」
「通すわけがないだろう。ライフを半分はらい、『神の宣告』を発動する」
白夜 LP4000→2000
「神の宣告にチェーンして、手札からカウンター罠『聖堂剣スペルピアース』の効果を発動する。このカードは自分フィールド上と墓地にモンスターが存在しない時、手札から発動できる。このターン。相手は、俺が使う通常魔法の効果を無効にできない」
「何だと!?ふざけるなあ!カウンター罠など使いおって、貴様にはリスペクトの精神はないのか!」
その言葉に、遊世はブチ切れた。
その怒りは、エクストラデッキのペンデュラムエクシーズモンスターと共鳴し、禍々しいオーラになる。
「一応言っておく、別にな。俺は、理不尽な賭けデュエルだろうがなんだろうがやってやる。だがな、お前みたいなやつは、もう許す気はない。行くぞ、まずは『禁じられた聖杯』を発動。対象は貴様のモンスターだ!」
異星の最終戦士 ATK2350→2750
「こ、効果を無効にするだと……」
「さらに手札から、魔法カード『カセドラルガーデン』を発動。発動コストは1000ポイントだ。俺はデッキから、レベル1の『カセドラ』と名の付くドラゴン族モンスター二体を特殊召喚する。来い!『カセドラルゴ』!」
カセドラルゴ ATK500 ☆1
カセドラルゴ ATK500 ☆1
「これで、このターン。俺はシンクロ召喚はできない。が、関係ない。俺は、レベル1の『カセドラルゴ』二体で、オーバーレイ!」
カセドラルゴが光になって、渦に飛び込んだ。
「二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!こい、ランク1『カセドラゴン』!」
カセドラゴン ATK500 ★1
「なんだ。そんなモンスターでは私のモンスターは倒せないぞ」
「知らんな。カセドラルゴのモンスター効果、一ターンに一度、オーバーレイユニットを一つ使い、デッキから『聖堂軍』モンスター一体を手札に加える。俺は『聖堂軍イゼキ』を手札に加える」
さあ、もう行くとしようか。
「俺はスケール2の『聖堂軍イゼキ』と、スケール5の『聖堂軍キザキ』でペンデュラムスケールをセッティング。カードを一枚セットして、聖堂軍キザキのペンデュラム効果を発動。自分の手札が一枚しかないとき、このターン。自分がペンデュラム召喚で出すことが出来るモンスターを一体だけにする代わりに、このターン。ペンデュラム召喚を行うか、ターン終了時まで、このカードのペンデュラムスケールを3上げることが出来る」
聖堂軍キザキ PS5→8
「これで、レベル3から7のモンスターが召喚可能、二重の眼の竜よ、振り子が描く道を駆け抜け、聖堂の扉より姿を表せ、ペンデュラム召喚!」
さあ、来い!
「現れろ。レベル7『オッドアイズ・レギュレート・ドラゴン』!」
オッドアイズ・レギュレート・ドラゴン ATK2500 ☆7
「そして、ペンデュラム召喚を行ったことにより、聖堂軍キザキのスケールはもとに戻る」
聖堂軍キザキ PS8→5
「なんだ……このドラゴンは……」
「オッドアイズ・レギュレート・ドラゴンの効果を発動。一ターンに一度、自分のペンデュラムゾーンのカード二枚を破壊し、そのスケールの合計と同じ数値のレベルを、自分フィールド上のモンスターに与える。そしてこの時、エクシーズモンスターも対象にすることが出来る。俺は、ランク1の『カセドラゴン』を、二枚の合計スケールであるレベル7にする」
カセドラゴン ★1→☆7
「バカな……エクシーズモンスターにレベルだと!」
「俺は、レベル7の『オッドアイズ・レギュレート・ドラゴン』と『カセドラゴン』で、オーバーレイ!」
二体が光となって渦に飛び込み、そして、紫色の閃光と共に、周りの空間が、まるで地割れのようにひびが入っていく。
「こ……これは、一体何が起こっている!?」
男がうろたえているが、遊世にとってはどうでもよかった。
「二重の眼の竜よ、地の底で湧き上がる怒りを宿し、愚か者が立つ大地を砕け!エクシーズ召喚!」
二重の眼が開かれる。
「出でよ。ランク7。壊滅の使者たる竜、『
覇王鎧竜オッドアイズ・リソスフェア・ドラゴン ATK3000 ★7
「こ、この竜は一体……」
「俺は昔、怒りをあたり散らすようにばらまいていたことがあってな、この竜を手に入れてから、デュエル中に飲み、その怒りを制御できるようになった。まあ、それは今はいい。オッドアイズ・リソスフェア・ドラゴンの効果発動!一ターンに一度、オーバーレイユニットを一つ使い、デッキから、レベル5以下の『ドラゴン』と名の付くモンスター一体を墓地に送ることで、このモンスターの攻撃力を、そのモンスターの攻撃力分アップする。俺は『サイバー・ドラゴン』を墓地に送る」
「なんだと!」
覇王鎧竜オッドアイズ・リソスフェア・ドラゴン ATK3000→5100
「だが、俺の怒りはこんなもんじゃない。サイバー流をバカにして、その名前を悪用するお前を絶対に許さん。さっき伏せた永続魔法『PO モノリスコード』を発動!このターン、通常召喚を行っていない時、発動することが出来る。墓地のモンスターと、その同名モンスター二体と一緒にこのカードを除外することで、そのモンスターを素材に、スペクトル召喚を行うことが出来る。俺は、墓地とデッキから『サイバー・ドラゴン』を除外する」
「何!?」
「俺は、サイバー・ドラゴン三体で、スリットチェンジ!」
サイバー・ドラゴンが線となり、プリズムを貫通する。
「限界に挑む機械の竜、長き歴史の中で得たその力、咆哮に乗せてすべてを消し飛ばせ!スペクトル召喚!」
三つの首で、赤いドラゴンが出現する。
「現れろ。レベル10。『サイバー・ドラゴン・オーバーヒート』!」
サイバー・ドラゴン・オーバーヒート ATK4000 ☆10
「な……私の切り札と同じ攻撃力だと……」
「そんなことは認めない。モンスター効果発動。一ターンに一度、このカードのレベル以下のレベルを持つモンスター全てを、破壊する!」
フィールドを覆い尽くす勢いで、ブレスを放出する……。
「な、なぜ、オッドアイズ・リソスフェア・ドラゴンが倒れない……」
「知らないのか?エクシーズモンスターは、レベルを参照する効果は適用されない」
「な……」
「二体でダイレクトアタック!『殲滅のクエイクストリーム』!『リミットオーバーエヴォリューションバースト』!」
トラウマレベルのダイレクトアタックが男を襲う。
「うわあああああ!」
白夜 HP2000→0
「ふう、すっきりした」
LPではなくHPで表記されていたことを、遊世は認識していなかった。
遊世が去った後、男は震えながら立ち上がる。
「や、八雲様に『禁止カードを使った場合の遊世の対応力を測ってくれ』と言われたが……こ、これは容赦がなさ過ぎる、いや、私も弱かったが……あれはないだろう……」