ゼハードの体からあふれた闇は中央にドクロが描かれた魔法陣にかわり、その中から、人が現れる。
男性だ。
金髪金眼で、真っ黒なロングコートを身にまとっている。
「ふふふ、復活に成功したか。む?ここはイデアではないようだな」
その男は町を見渡した。
そして、こちらを向いた。
「む?貴様たちは……なるほど、ふむ、そう言うことか」
「ラフェル様」
ゼハードが膝をついて、こうべを垂れた。
「なるほど、貴様が私の子孫と言うことか」
「はい。ラフェル様」
ラフェルは遊世たちの方を見て、口を開いた。
「ふむ、デュエル。というもので決闘を再現したわけか」
ラフェルはゼハードをチラッと見た。
そして、指をパチンと鳴らした。
すると、ゼハードを構成していた全てが闇に変わり、ラフェルの中に入って行った。
だが、遊世はみた。
一瞬、ほんの一瞬だけ、ゼハードが驚愕したところを。
「な、何だ今のは……」
「ふふふ、驚くことではない。これは単に当然のことなのだ。それに、私は私の復活のためだけに子孫を残したのだからな」
何その超理論。
「まあよい」
勝手に自己完結すると、ラフェルは指をパチンと鳴らして玉座を出すとそれに座った。
すると、ふわりと浮かび上がる。
えぇ!?
「おい、ちょっと待て!」
「ならば追って来るがいい」
無茶を言うな。
ラフェルはそれ以上言うことはないというかのように、かなり早く空中で移動させ始めた。
「うお、結構早いぞあれ!」
「どうする?」
驚いていると八雲が聞いてきた。
「知るか!俺だって空は飛べねえよ」
その時。
ん?なんか見たことがある十字架が俺達の前に姿を現す。
って、『有罪十字架レインボーコスモス』じゃん。
すると、十字架の中心から光が出てきて、遊世のDホイールになった。
「嘘だろ!?」
父さん一体何者!?
レインボーコスモスは十字の部分で分かれて四つのパーツになると、なんかいろいろごちゃごちゃカチャカチャ言って、Dホイールのパーツになった。
すると、そのパーツから光の道が出現し、ラフェルに向かってものすごい速度で伸びていった。
いや、何をさせたいのかとか、そう言ったことが分からないわけではないのだが……。
「行けと?」
「そう言うことだろうな」
まあ、このレインボーコスモスについては後で父さんに聞いておくとして、遊世はDホイールに乗り込んでヘルメットを被る。
そして、デュエルディスクをセットした。
その後、エクストラデッキのうち何枚かを別のものにする。
すると、鉄也が来た。
「遊世。俺のトライアルを使ってくれとは言わないが、これぐらいは持って行け」
そう言って渡してきたのは、装備魔法だった。
遊世はそのテキストを読んだ。
「分かった」
そのカードを受け取った。
「遊世」
八雲も。
「遊世君」
氷菓も。
「遊世」
未来も。
「お兄様」
早苗も。
「遊世」
ガイゼも。
それぞれが一枚ずつ、装備魔法を渡してきた。
「ああ、助かる」
そのすべてをデッキにいれた。
「じゃあ、ちょっと行ってくる」
Dホイールを走らせた。
光の道の摩擦力は道路の全く変わらないようで、いつもと変わらず走って行く。
そして、追いついた。
「ラフェル!」
「フン。私について来るとはな。いいだろう。手始めに貴様から支配し、進撃ののろしを上げるとしよう」
ラフェルのそばにやや大きい石板が出現する。
デュエルディクスならぬ、デュエルプレートと言うわけか。
お互いにカードをドローする。
「「デュエル!」」
遊世 LP4000
ラフェル LP4000
「私の先攻だ。まず私は魔法カード『霊峰の宝札』を発動。自分の場にカードがない時のみ発動できる。デッキからカードを三枚ドローする」
いきなり補充か。
「そして魔法カード『撤退命令』を発動しよう」
ゼハードもつかっていたカードだ。
「そして、エクストラデッキから『イデアの工作員』を一枚ずつ、計三枚の効果を発動することで、それぞれの効果処理を行う」
ゼハード LP4000→3500→3000
これで、手札は八枚。そのうち『PO ダークマター』が三枚、『ダークオーブイデア』が一枚だ。
「私は『ダークオーブイデア』を発動し、その後『PO ダークマター』を三枚発動し、それを墓地に送ることで『PO ダークマターエイジ』を発動する」
手札五枚を一気に使ったか……。
「まだ終わりではない。私は『ダークオーブイデア』を墓地に送り『ダークオーブイデア・ULTIMATE・CRISIS』を発動する」
「何……」
あたりの闇が深くなった。
「ふふふ、『ダークオーブイデア・ULTIMATE・CRISIS』の効果を発動。一ターンに一度、エクストラデッキ、またはメインデッキの儀式、またはペンデュラムモンスターでレベル12のモンスター一体を、そのモンスターの本来の召喚方法扱いで特殊召喚することが出来る」
「なんだと……」
「死を得し巨人よ、今絶対なる儀式により、そのすべてを壊せ、儀式召喚!現れろ、レベル12『マキシマムイデア・リチュアルジャイアント』!」
マキシマムイデア・リチュアルジャイアント ATK5000 ☆12
「一ターン目から……」
「さらに、私はリチュアルジャイアントを選択し、魔法カード『虚脱の咆哮』を発動。このターン。バトルフェイズを封じることで、選択したモンスターは、メインフェイズ中でも攻撃できる。ただし、ターン終了時まで攻撃力は1000となる」
「何!」
マキシマムイデア・リチュアルジャイアント ATK5000→1000
「行け!リチュアルジャイアント!『マキシマムインパクト』!」
遊世 LP4000→3000
「リチュアルジャイアントの効果。このモンスターが相手に戦闘ダメージを与えた時、3000ポイントのダメージを与える」
「そんなもんくらうか!手札から装備魔法『聖堂剣チューナーキリング』の効果を発動。相手から効果ダメージを受ける時、このカードと手札のチューナーモンスターを墓地に送ることで、そのダメージを無効にする!俺はこのカードと、手札のチューナーモンスター『聖堂軍ノイユ』を墓地に送り、ダメージを無効にする」
受けたらデュエルが終わってしまう。
「ふむ、まあいいだろう。カードを一枚セットし、ターンエンドだ」
マキシマムイデア・リチュアルジャイアント ATK1000→5000
攻撃力は戻ったな。
そのころ、ビルの屋上では、驚愕している者も多くいた。
「な、なんてカードを使うんだ」
「手札誘発のカードがなかったらあぶなかったぞ」
カードパワーがあまりにも強い。
「お兄様……」
「大丈夫。遊世は勝つ」
一ターン目から、もうこれである。
「油断しなくてよかったぜ。俺のターン。ドロー!(ん?お前か)」
さあ、手札は四枚。
だが、十分だ。
「俺は墓地の『聖堂剣チューナーキリング』を除外し、『カセドラウル』を特殊召喚!」
カセドラウル ATK500 ☆1
六種類目である。
「カセドラウルの効果。手札の聖堂軍モンスターとフィールドのモンスターを墓地に送ることで、それを素材とした融合モンスター一体を特殊召喚できる!」
「融合か」
そう言うことだ。
「俺はカセドラウルと、手札の『聖堂軍ワイズ』を墓地に送る。融合召喚!来い、レベル4『聖堂軍エレン』!」
聖堂軍エレン ATK1900 ☆4
「エレンの効果を発動。このモンスターの融合召喚に成功した時、デッキからレベル4以下のモンスター一体を特殊召喚することが出来る。俺は、デッキから『聖堂軍ピリオネ』を特殊召喚する」
聖堂軍ピリオネ ATK1600 ☆4
「そして、モンスターの特殊召喚に成功したことで、手札から速攻魔法『クリムゾンカセドラル』を発動。墓地からレベル4以下のチューナーモンスター一体を特殊召喚し、さらに、デッキからカードを一枚ドローする。俺は『聖堂軍ノイユ』を特殊召喚し、さらに、一枚ドロー。そして、ピリオネの効果。一ターンに一度、デッキからカードが手札に加わった時、デッキから『聖堂剣』を一枚手札に加える。俺が手札に加えるのは『聖堂剣ホライゾン』だ」
聖堂軍ノイユ ATK1000 ☆3(チューナー)
「そして、レベル4のエレンとピリオネでオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!ランク4。『聖堂軍イツツバ』!」
聖堂軍イツツバ ATK1000 ★4
「俺はイツツバの効果を発動。オーバーレイユニットをすべて使い、イツツバを除外することで、自分のエクストラデッキからレベル8以下のシンクロモンスターを、攻撃力を0にし、効果を無効にして特殊召喚する。来い、レベル7『聖堂軍ゲルザード』!」
聖堂軍ゲルザード ATK2400→0 レベル7
「そして、墓地のエレンの効果を発動。このカードを墓地から除外し、自分フィールド上のチューナーモンスターとシンクロモンスター一体を選択し、チューナーモンスターをリリースすることで、シンクロモンスターのレベルをリリースしたモンスターのレベル分アップし、チューナーモンスターにする。俺はチューナーモンスター『聖堂軍ノイユ』と、シンクロモンスター『聖堂軍ゲルザード』を選択し、ノイユをリリースすることで、ゲルザードのレベルを3上げ、チューナーモンスターにする」
聖堂軍ゲルザード ☆7→10(チューナー)
「俺はレベル10の『聖堂軍ゲルザード』一体で、チューニングドライブ!ユニークシンクロ!現れろ。レベル10『聖堂軍バセルーク』!」
聖堂軍バセルーク ATK3100 ☆10
「バセルークのシンクロ召喚に成功した時、デッキからカードを二枚ドローする。そして、手札の『聖堂剣ホライゾン』をバセルークに装備、元々の守備力分、攻撃力が上がる。バセルークの守備力は2000だ。よって、2000ポイント上昇する」
聖堂軍バセルーク ATK3100→5100
「超えてきたか……」
「俺は『聖堂軍バセルーク』で、『マキシマムイデア・リチュアルジャイアント』を攻撃!このモンスターがバトルする時、デッキからカードをドローし、そのカードが聖堂剣だったとき、もう一枚ドロー出来る。ドロー!『聖堂剣ツナミ』だ。もう一枚ドロー。行け!『ライドブレイド』!」
バセルークが巨人を一閃した。
ラフェル LP3000→2900
「ぐぬぬ……下等生物が私に傷を……」
「カードを二枚セットして、ターンエンド」
手札は四枚。
まあ、こんなものだろう。
「私のターンだ。ドロー!」
手札は一枚。だが……。
「『ダークオーブイデア・ULTIMATE・CRISIS』の効果を発動。一ターンに一度、エクストラデッキ、またはメインデッキの儀式、またはペンデュラムモンスターでレベル12のモンスター一体を、そのモンスターの本来の召喚方法扱いで特殊召喚することが出来る。絶望の果てに死を得た皇帝よ、冥界の天蓋を貫き、新たなる王として再誕せよ、スペクトル召喚!現れろ。レベル12『ダークエンペラー・エクスデス』!」
ダークエンペラー・エクスデス ATK4500 ☆12
確かあいつは……。
「『ダークエンペラー・エクスデス』の効果を発動。一ターンに一度、相手の場のカードを全て破壊する!」
「リバースカードオープン。罠発動『カセドラルサーキット』を発動し、それにチェーンして、罠カード『摩天楼の聖剣』を発動。『摩天楼の聖剣』の効果により、手札の装備魔法二枚を墓地に送り、デッキから装備魔法を二枚手札に加える。俺は手札の『聖堂剣ツナミ』と『聖堂剣フルバーン』を墓地に送り、『聖堂剣ホライゾン』と『聖堂剣サフィクル』を手札に加える」
装備魔法を交換した。
「そして、『カセドラルサーキット』の効果。自分フィールドのカードが、相手のカードの効果によって破壊されるとき、レベル10以上のシンクロモンスターをリリースすることで、その効果を無効にする」
バセルークが消えて、咆哮もおさまった。
「さらに、自分の墓地から、レベル8以下のシンクロモンスターを、召喚条件を無視して特殊召喚し、さらに、エクストラデッキから、レベル3以下のモンスター一体を特殊召喚する。俺は墓地から『聖堂軍ゲルザード』を、エクストラデッキからシンクロチューナー、レベル3の『聖堂軍レイゼ』を特殊召喚する」
聖堂軍ゲルザード ATK2400 ☆7
聖堂軍レイゼ ATK800 ☆3(チューナー)
「こんなことが……だが、ダークエンペラー・エクスデスの敵ではない!」
「レイゼが相手ターン中に特殊召喚された時、このモンスターを含む素材でシンクロ召喚ができる!」
遊世は加速させていく。
「クリアマインド!俺はレベル7、シンクロモンスター『聖堂軍ゲルザード』に、レベル3、シンクロチューナー『聖堂軍レイゼ』をチューニング!アクセルシンクロオオオオオオオ!!!」
光の速さを超えた。
「き……消えた……む?」
遊世は走り抜ける。
「レベル10。アクセルシンクロモンスター『聖堂軍スターゲイザー』!」
聖堂軍スターゲイザー ATK3500 ☆10
「アクセルシンクロだと……」
「俺はスターゲイザーの効果を発動、このモンスターのシンクロ召喚に成功したとき、自分の墓地、または除外されている『聖堂剣』を合計3枚選択し、このモンスターに装備する。墓地の『聖堂剣ホライゾン』『聖堂剣フルバーン』『聖堂剣ツナミ』を装備する」
三つの穴に宝石がはめ込まれた。
「ホライゾンの効果によって、もともとの守備力である2000ポイント分上昇し、フルバーンの効果で、さらに攻撃力が500ポイントアップする」
聖堂軍スターゲイザー ATK3500→5500→6000
「攻撃力……6000だと。仕方がない。私は『PO ダークマターエイジ』が存在することで、魔法カード『イデアレート』を発動。このターン。私は戦闘によるダメージを受けず、さらに、自分のモンスターがバトルした時、そのモンスターを破壊することが出来る」
「何……」
「ダークエンペラー・エクスデスで、攻撃!『エンペラーカタストル』!」
二体とも破壊された。
「私は罠発動、『イデアシステム・コードA』を発動。自分のエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターが戦闘によって破壊された時、そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。そして、そのモンスターは、一ターンに二回まで、戦闘、効果では破壊されない」
回数指定の破壊耐性か。
「戻って来い、『ダークエンペラー・エクスデス』!」
ダークエンペラー・エクスデス DFE4500 ☆12
攻撃力も防御力も同じか。
「私はこれでターンエンドだ!」
「俺のターン。ドロー!」
スターゲイザーが破壊されたことは少々計算外だったが、手札は五枚だ。どうにでもなる。
さて、二回までと言うことは、三回攻撃する必要があるということか。
「魔法カード『カセドラルロストゲート』を発動。墓地から『聖堂軍』モンスター一体を、効果を無効にして、召喚条件を無視して守備表示で特殊召喚する。『聖堂軍ゲルザード』を復活!」
聖堂軍ゲルザード DFE1000 ☆7
「そして俺は、魔法カード『カセドラルフュージョン』を発動!」
「また融合か」
「その通りだ。聖堂軍融合モンスターによって決められた素材を墓地から除外することで、その素材にあったモンスターを融合召喚する。俺は墓地の、シンクロチューナーである『聖堂軍レイゼ』と、チューナーモンスターである『聖堂軍ノイユ』を除外する。融合召喚!レベル3、フュージョンチューナー『聖堂軍テリア』!」
聖堂軍テリア ATK600 ☆3(チューナー)
「融合モンスターのチューナーだと!」
「テリアの効果を発動。このモンスターの融合召喚の成功時、自分の墓地に、レベル8以上のシンクロモンスターが二体以上いれば、カードを二枚ドロー出来る。……俺はカードを二枚伏せる」
どっちも罠だった。
「ライフを500ポイント払い、魔法カード『同調の埋葬』を発動。除外されているシンクロモンスター一体を墓地に戻し、墓地から装備魔法を一枚手札に加える。俺は『聖堂軍レイゼ』を墓地に戻し、『聖堂剣チューナーキリング』を手札に加える」
遊世 LP3000→2500
準備完了。
「俺はレベル7、シンクロモンスター『聖堂軍ゲルザード』に、レベル3、フュージョンチューナー『聖堂軍テリア』をチューニング、シンクロ召喚!レベル10『聖堂軍セルハザード』!」
聖堂軍セルハザード ATK3000 ☆10
「融合モンスターのチューナーを使ったシンクロ召喚か」
「そうだ。セルハザードの効果を発動。シンクロ召喚に成功したとき、聖堂剣二枚を含む全ての手札を捨てることが出来る。それを行ったとき、自分の墓地のエクストラデッキから特殊召喚されたモンスター一体につき、攻撃力を500ポイントアップさせ、さらに、コストとして捨てた聖堂剣の数、このターン中に攻撃することができる」
遊世の墓地にいるのは、『聖堂軍スターゲイザー』『聖堂軍バセルーク』『聖堂軍レイゼ』『聖堂軍テリア』の四体。
捨てたのは、『聖堂剣チューナーキリング』『聖堂剣ホライゾン』『聖堂剣サフィクル』の三枚。
「よって、攻撃力は2000ポイントアップし、さらに、三回の攻撃ができる!」
聖堂軍セルハザード ATK3000→5000
「バカな……」
「行け!セルハザード。ダークエンペラー・エクスデスを攻撃!『トリーズンガイア』三連撃!」
二回の破壊耐性が付与されているダークエンペラー・エクスデスでも、三連撃には耐えられなかった。
まあ、守備表示なのでダメージはないが。
「ターン終了だ。セルハザードの攻撃力はもとに戻る」
聖堂軍セルハザード ATK5000→3000
「私のターンだ。ドロー!このカードか……『ダークオーブイデア・ULTIMATE・CRISIS』の効果を発動!効果の説明は不要だな。死を得た獅子よ。大いなる光の渦で雄叫びを上げ、今、生誕せよ。エクシーズ召喚!現れろ。ランク12『マキシマムイデア・エクシーズレオ』!」
マキシマムイデア・エクシーズレオ ATK5000 ★12
エクシーズレオか。戦闘でダメージを与えた時に三枚ドローだったはずだ。
「更に魔法カード『死者蘇生』を発動!」
「何!?」
「我がもとに甦れ。『ダークエンペラー・エクスデス』!」
ダークエンペラー・エクスデス ATK4500 ☆12
「ダークエンペラー・エクスデスの効果を発動!相手フィールドのカードを全て破壊する!」
「リバースカードオープン。罠発動『シンクロオーバーバリア』!自分のセット状態のカードを一枚墓地に送ることで、自分フィールドのモンスターを守備表示に変更し、さらに、そのモンスターを、このターン中に二回、破壊を無効にすることが出来る」
聖堂軍セルハザード ATK3000→DFE2000
「むうう。小癪な。二体のモンスターで攻撃!『エンペラーカタストル』『マキシマムプレッシャー』!」
セルハザードが破壊された。
「ターン終了時、『ダークオーブイデア・ULTIMATE・CRISIS』の二つ目の効果。自分フィールドのレベル12のモンスターが二体以上いる時、デッキからカードを三枚ドローする。さあ、貴様のターンだ!」
遊世の手札はゼロ枚だ。
「俺のターン……ドロー!ビンゴだ。魔法カード『オーバーⅩグローリー』を発動!自分の墓地のレベル10以上のモンスター一体につき、一枚ドロー出来る。三枚ドローする。そして、デッキから二枚以上のカードが加わった時、墓地の『聖堂剣フルバーン』を手札に加えることが出来る」
手札は四枚になった。
「手札から、『聖堂軍ルナーザ』の効果を発動。自分フィールド上にモンスターが存在せず、相手フィールド上にモンスターが存在するとき、手札から『聖堂剣』と名のつく装備魔法をコストにして特殊召喚できる。俺は『聖堂剣フルバーン』をコストにして特殊召喚!」
聖堂軍ルナーザ ATK500 ☆1(チューナー)
「そして、魔法カード『大聖堂の緊急指令』を発動。自分の墓地の聖堂軍モンスター一体を、効果を無効にして特殊召喚する。『聖堂軍スターゲイザー』を蘇生する!」
聖堂軍スターゲイザー ATK3500 ☆10
「さらに、墓地の『聖堂剣サフィクル』を除外することで、『カセドラーム』を手札から特殊召喚!」
カセドラーム ATK500 ☆1(チューナー)
遊世は魂をたぎらせる。
「俺はレベル10の『聖堂軍スターゲイザー』に、レベル1の『聖堂軍ルナーザ』と『カセドラーム』を、ダブルチューニング!」
「チューナーモンスターが二体だと!」
ルナーザとカセドラームは炎の輪になり、スターゲイザーを包んだ。
「聖堂の剣を握る聖騎士の使命、今ここに具現し、その力で魂をたぎらせろ!シンクロ召喚!レベル12。『聖堂軍ガゼルアブソーバ』!」
聖堂軍ガゼルアブソーバ ATK3800 ☆12
「ガゼルアブソーバの効果を発動。このモンスターが特殊召喚されたモンスターだけでシンクロ召喚に成功した場合、自分の墓地と、除外されている聖堂剣を一枚ずつ、このモンスターに装備する。墓地の『聖堂剣ホライゾン』と、除外されている『聖堂剣サフィクル』を装備する」
二枚の聖堂剣が、ガゼルアブソーバの剣と同化する。
「ホライゾンの効果により、ガゼルアブソーバの元々の守備力分、攻撃力がアップし、さらに、ガゼルアブソーバが聖堂剣を二枚以上装備しているとき、攻撃力が500ポイントアップする。ガゼルアブソーバの元々の守備力は2000。よって、ホライゾンに寄る攻撃力上昇は2000ポイントだ。更に魔法カード『インテリジェンス・ソード』を発動。自分フィールドの、装備カードを装備しているモンスター一体を選択し、そのモンスターは、相手モンスター全てに攻撃できる」
聖堂軍ガゼルアブソーバ ATK3800→5800→6300
「二体に攻撃した時のダメージは1300と1800だ。合計で3100になる。攻撃が通れば、遊世の勝ちだ」
ビルの屋上で、八雲が言った。
「行けー!遊世ー!」
鉄也が叫んでいるが、八雲の目の先にあるのは、三枚の手札だ。
「聖堂軍ガゼルアブソーバで、マキシマムイデア・エクシーズレオを攻撃!『エンドアステリスク』!」
「私は手札から『ダメージレート』を発動する。このカードを手札から墓地に送ることで、このターンの戦闘ダメージは無効となる!」
「だが、モンスターは破壊させてもらう。二体とも破壊しろ。ガゼルアブソーバ!」
二体とも切り刻んだ。
「速攻魔法『討伐報酬』を発動。バトルフェイズ終了時、戦闘で破壊した相手モンスター一体につき、一枚ドローする」
二枚ドローした。
「カードを一枚セットして、ターンエンド」
「私のターンだ。ドロー!」
ラフェルは息を吐いた。
「少年。一つ。聞いておきたいことがある」
「何だ?」
「支配。と言う言葉を、どう考える?」
遊世は少し考えて、言った。
「16歳に分かることじゃない。だから、こたえは出さない」
「なるほど、そうか。では、必要だと思うか?」
「必要か不必要かで言えば、必要ではあると思う。それに……デュエルをしていて分かった。お前がその支配する力を手に入れたのは、お前が、それを必要であると感じたからだろう」
「ふ……なかなかのものだな。デュエルをしていて分かった。だと?」
「ああ。だから、お前にとって、予想外のことが起きたこともわかっている」
ラフェルが驚愕する。
「なぜ、分かった?」
「違うんだよ。ゼハードが求めていたのは、確かにラフェルだ。だが、今のお前の行動が、ゼハードが求めていたことなのではない。もっと違うものだ」
遊世には、分かってしまった。
「お前は支配する力を手に入れた。だが、誤算があった。支配する力そのものに、意思が宿っているとは思っていなかったんだ」
ラフェルの目が開かれる。
「お前が今しているのは支配する力によって進撃することだが、お前が本当に望んていたことは違う。お前は、その支配する力を、荒れた時代の抑止力として使おうと考えた。だが、意思を持つその力に乗っ取られ、抑止力としてではなく、本当の意味で、支配行動をするに至った。だが、お前の意思はお前のものだ」
ラフェルは背筋を凍らせた。
「お前は今、デュエルに負けたいと思っている。この間違った力を、振りかざしたくないからだ。だが、支配の意思によって乗っ取られたお前は、全力を出すことしかできない。その葛藤の中に、お前はとらわれている」
「なぜ……そこまで分かる」
「ゼハードが先祖を望んだ理由が、今のお前とは違うんだよ。先祖に、親にすがりたい子の気持ちっていうのは、そんな簡単なことじゃない。だから、そのデッキが、お前の本質ではないことを教えてくれる」
「だが、なぜデッキだけで分かる。簡単なことではないのだろう」
簡単だ。
「俺は、本当の親のことを知らないからだ。本当の親の愛を知らないからだ。今の俺には、過保護な義理の父親がいる。俺をしたってくれる妹がいる。何時でも進むことを考えられるバカな友達が、何考えているのかわからない腹黒の仲間が、俺にあこがれた力を追いかけてくる奴がいる。戦ってきて、それを俺に託してくれる異世界の仲間がいる。だが、俺はそれでも、本当の親のことは知らない。だからこそわかる。ゼハードが求めていたことは、そんなことじゃない。今お前がしていることじゃない」
「ふふ、脱帽だな。なら、どうする?」
「お前を蝕み、いい夢を見ているバカを叩きのめす。お前の子孫が夢見た真実を、お前が悔いなくあの世に行けるように願ったことを、実現するために。かかって来い。ラフェル!」
「いいだろう」
話は終わりだ。
遊世は、Dホイールを加速させた。