遊世とラフェルはビルの屋上に不時着した。
デュエル終了と共に、光の道がちょっとずつ消滅していったからである。
さすがに慌てた。
「いつつ……」
だが、デュエリストと言うのは頑丈なもので、遊世は無事である。
左半身を強打したが。
「遊世。大丈夫……には見えそうで不明だな」
八雲が苦笑しながらやって来た。
遊世がDホイールから降りると、デッキを除いたすべてがレインボーコスモスに格納された。
そして消えた。
それはいいのだが、あのジジイ。画竜点睛を欠きやがって……。
まあ、そのあたりの愚痴は今はいいとしよう。
「ラフェル」
遊世が呟くと、ラフェルは玉座から立ち上がった。
「ありがとう。と言うべきかな?」
「別に構わん。それに、やりたいようにやっただけだからな」
「そう言ってくれると助かる」
ラフェルは指を鳴らした。
ラフェルの体から黒い光があふれ出して、それはゼハードに変わる。
「伯父様。戻ったのですね」
あ、なんか普通の好青年と中年の間くらいの男性になっている。
「ゼハード。すまなかったな」
「いいのです。私も、最後は彼らに任せたのですから」
ゼハードは遊世を見た。
「ありがとうございます」
「ああ。偽悪者としてはなかなかの演技力だったよ」
ゼハードは苦笑する。
「まあ今一番気になるのは、ラフェルはこれからどうなるんだ?」
「支配力の意思によって乗っ取られていたとはいえ、それを含めてのほぼ九割の完全復活だった。その支配力がなくなったとしても、しばらくは生きることが出来る。予測では……五年ほどだが」
まあそれでも十分と思えるのならそれは十分なのだ。
「何か礼をせねばな……」
「ああ……それなら……イデアの政治体制をどうにかして置け。全般的に」
「ふふ、確かに言えているな。すぐにでもやり始めるとしよう」
ラフェルは笑っていた。
「いろいろ言いたいことはお互いにあるだろうが、言葉にうまくできないからな。ま、全部丸く収まったからいいじゃないか」
「そう言うことでいいのなら、そうしておこうか……」
どうするべきなのか、何をすれば正解なのか、それは分からない。
だが、これから見つけていけばいいだろう。
「確かに、何を言えばいいのかわからないな。だが、礼を言おう。ありがとう。若きデュエリストたちよ」
「ま、それしかないか」
遊世は右手を出した。
「まあ、湿っぽいのは好きじゃないからな。難しいことは後にしようぜ。それと、またデュエルしような」
「うむ。次は、支配力の意思として使うデッキではなく、私のデッキを使うとしよう」
ラフェルも遊世の右手を握った。
「デュエルモンスターズのカードはかなり多いぞ」
「分かっている。まあまずは……この世界にある残りの召喚方法でも、あの世界に伝えるとするか」
「それは頼むぜ。もしかしたらいつの日か、俺達がイデアに行くかもしれないからな。そんな時に、変に注目されるのは嫌だからよ」
「いいだろう」
いろいろ言いたことがあることは本当だ。
だが、それでも、今はまだいい。
また会えるから。
「また会おうぜ」
「うむ。また会おう」
とにかく、ひと騒動終わった。と言っていいだろう。
次に何があるのかは、知らない。知る必要もない。
その時考えればいいからな。
だから、今は、また会おう。それだけでいいのだ。
「……!?」
遊世は、何か、不穏なものを感じた。
【概念魔法『支配者の追放宣告』を発動します。これにより、この世界は、スペクトル召喚以外の召喚方法が使用不可能になりました】
彼らは、何処に向かうのだろうか。
少々強引となりますが、この小説は終了です。
これがもう、いろいろとネタが完全に切れているからと言うことになるのですが、こればかりは無理があります。
もしかしたら、第二部、見たいな名前で復活するかもしれませんが、それはそれ。ということで。
そういうわけで、この小説は、一応、完結とします。
読んでくださり、ありがとうございました。