遊戯王 パラレルスペクトル   作:レルクス

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第五話

 Dホイールに乗ってデュエルしている遊世を見ながら、ドレイクは思っていた。

 見ながら、とは言うが、まあ、視点的にはアス○ラルとそう変わらない感じである。

 

「レルームを含め、聖堂剣を五枚装備した『聖堂軍スターゲイザー』で五回連続攻撃『アブソリュートライジング』グォレンダァ!」

 

 スターゲイザーがダークフェイル4体とダークマテリアルを斬り倒しながら、五人のLPを根こそぎ削った。

 ちなみに、ダークマテリアルは効果が無効になっている状態であった。

 

『思っていたより化け物だったな』

「ああ、中々キツかった」

 

 ドレイクの呟きは思ったようには届かなかったようだ。

 

「しかし、多くなったな」

『アンノウンの差し金だろう』

 

 あれから帰ったあと、ドレイクに、父親である光一郎が誰かに乗り移られていると聞いて、その次に、まだ挑まない方がいいというドレイクのアドバイスもあり現状は放置だが、その代わりになんか色々増えた。

 

「なあ、これってなんとかならないかな」

『なんとかなると思っている辺り、遊世も余裕あるな』

 

 やかましい。

 

「あ、これから学校だ。早くいかないと」

『そうだな。む、周辺にいたダークマター影響下のものは居なくなったぞ』

「それじゃあ、学校にいくか」

 

 かなりぐったりしながらDホイールを発進させるのだった。

 まあ、ちょっとギリギリだったが、なんとかついた。

 そして、SHRになるのを待っていた。

 時間五分前に佐織先生が入ってくる。

 

『遊世』

(どうしたんだ。ドレイク)

『いや、あの女性』

(ひょっとして、ダークマターの影響下なのか?)

『いや、強い残り香がある。というか……』

(というか……なんだ?)

『先ほどスターゲイザーで五人同時に倒した者の一人のようだが……』

(え?)

『まあ、ダークフェイルを使っていたからそこまでの実力ではなかったのだろう。それはそれとして……世間は狭いな。本当に』

(……)

 

 遊世は佐織と目があった。

 ウインクされた。

 遊世はため息を吐いた。

 まあ、なんだかんだでSHRは終了し、午前は特に記載することのない普通の日々だった。

 午後、というか六時間目。

 

『時刻表を見たが、この学校は毎日六時間目にデュエルがあるんだな』

(不思議か?今では珍しくないぞ)

『珍しいと言えば珍しいな。まあ、ちょっと気になった程度だ』

(そうか)

『それと……』

(どうした?)

『やや赤い茶髪の彼のことだが……』

(八雲か。どうかしたのか?)

『今使っているデッキとは別のデッキの方が雰囲気が強いようだ。普段は使っていないようだがな』

(八雲はAC使いだからなぁ)

『中々珍しいカテゴリーを使っているな。あれはACモンスターは全て罠モンスターだが、専用サポートの効果モンスターや魔法カードと組み合わせると凄まじい展開力を発揮する。学校では本気を出していないようだな』

 

 モンスターや魔法も使うんだな。本来。

 

(へぇ。なるほど。っていうか俺より知っているんだな)

『彼は中々強いぞ』

(それはなんとなく分かった。他に強いやつの候補はいるのか?)

『名簿では鉄也だったか。彼は現時点はやや不安定だが、将来的には期待できそうだ』

 

 鉄也もか。

 

(使っているのが『殲滅戦車』なんだよ)

『あの手札がすぐになくなるあれか』

(ああ。そうだ)

『あれはシンプルに短期決戦でいくのが一番早い。元より攻撃力の高いモンスターを強化すれば、何回か攻撃すればいいだけのことだからな。あと、除去カードも入れておくのがいいだろう。ビートダウン型全てに言えることだが』

(それもそうだな)

『まあ、ドローソースを適度に入れることが出来ればいいが、そこは経験だからな……』

(確かに……)

 

 色々話ながらその日の学校を過ごした。

 

『ただ、氷菓だったか。彼女もいい線なのだが、何か迷いがある感じだな。自覚はしていないようだが』

 

 ドレイクたちの一定以上の基準が分からないのだが、ウルガーナが変化したウルガニアを使っていたからな。実力はあるのだろう。

 

『ただ、このクラスで誰がいいかと聞かれれば、遊世と八雲だけだな』

(分かった)

 

 さて、これからどうなるのやら。

 その日も何回かデュエルして終わった。

 特にすることは無いので帰っていた。

 

「さて、どうするかな」

『む、遊世。ダークマター所持者が二人近づいて来ている。だが、近くに誰かいるようだぞ』

「行くか」

 

 その誰かは……。

 

「八雲か」

『ああ、そのようだ。ただ、敵の雰囲気的には一定以上の実力の持ち主だ。かなり手練れだぞ』

「そりゃこまるな」

 

 遊世は走る。

 

「八雲!」

「む、遊世か」

「大丈夫か」

「まだ特に何もない。が、油断はできそうにもないな」

 

 二人の方を見る。

 

「ちっ、一人増えたか」

「まあいいじゃねえか。いまさら一人増えたところで問題ねえよ」

「まあ、巻き込んじまえばいいだけのことだ」

 

 二人からあふれでた光が、遊世と八雲の側に来た。

 

「逃げることは出来なさそうだな」

「その通りだ。さあ、始めようぜ」

「まだやっておくことはたくさんあるからよ」

「はぁ、何でこんなことに……」

 

 遊世はデュエルディスクを構えた。

 

「「「「デュエル!」」」」

 

 遊世&八雲     LP8000

 ドクトル&ハリー  LP8000

 

「先行は俺だ!俺は『光沢騎士(ラスターナイト)オークル』を召喚!」

 

 嫌なほど光沢の強い騎士がフィールドに出現する。

 

 光沢騎士オークル ATK1500 ☆4

 

「光沢騎士……シルバリオラスターのメンバーか」

 

 八雲が呟く。

 一般的に普及しているカテゴリーではあるが、値段が高いのだ。その分、光沢騎士だけでデッキを作ろうと思ったら、それら関連のカードを大量に持っているシルバリオラスターのメンバーが妥当なのである。

 

「さらに、俺は手札から魔法カード『屈折する光沢』を発動。自分フィールドに光沢騎士が存在するときに発動できる。俺はデッキから、レベル4以下のレベルの違う光沢騎士を一体、特殊召喚する。来い『光沢騎士ウルアヌ』!」

 

 光沢騎士ウルアヌ ATK1300 ☆3

 

「さらに、俺はウルアヌの効果を発動。自分フィールド上の他の光沢騎士の効果を無効にすることで、デッキからPOを1枚手札に加える。俺は『PO ラスターベール』を手札に加え、そして発動!」

 

 準備は整ったようだ。

 光沢騎士の特徴は、他の光沢騎士の効果を無効にすることで発動するものだ。

 一度無効にしたモンスターを、効果無効の対象に選択できるので、並べば並ぶほどよく回るのだ。

 

「俺はラスターベールとオークルとウルアヌを除外して、スリットチェンジ!スペクトル召喚!レベル6。『アークアウントマーズ』!」

 

 出てきたのは、紫色の蟻だった。というか、でかいな。

 

 アークアウントマーズ ATK2400 ☆6

 

 光沢騎士を使っているからと言って、スペクトルモンスターも光沢騎士であると言うケースが多いわけではない。

 少ないとも言えないのだが、自分のスペクトルモンスターを手に入れて腕を磨いたあと、シルバリオラスターに入るものもいるので、違うことはよくある。

 が、アークアウントマーズの指定素材が全然わからん。

 

「アークアウントマーズは、スペクトル召喚に成功したとき、デッキからカードを一枚ドローし、さらに、手札を二枚捨てることで、デッキから永続魔法を手札に加える。俺は『PO ダークマター』を手札に加えるぜ」

「ダークマター?」

 

 八雲はまだ見たことがないようである。

 

「さあ、見せてやるぜ。俺はダークマターを発動し、そして、ダークマターとアークアウントマーズを除外して、スリットチェンジ!群れることで個をなす軍勢の欠片よ、闇の大号令の象徴となれ。スペクトル召喚!レベル6。『ダークアウントマーズ』!」

 

 紫色だったのが真っ黒になった。

 

 ダークアウントマーズ ATK2400 ☆6

 

「ダークアウントマーズは、スペクトル召喚に成功したとき、自分の墓地からモンスターカードを任意の枚数除外し、その数一枚につき、攻撃力を400ポイントアップする。俺は『光沢騎士マシェード』と『モルドアウント』を除外して、攻撃力を800ポイントアップする」

 

 ダークアウントマーズ ATK2400→3200

 

 さっきのアークアウントマーズの効果のときに捨てた二枚か。

 

「俺はこれでターンエンドだ」

 

 遊世は思った。

 

(なあドレイク。俺は普通に見えるんだが)

『ダークマターの影響下の者は、ダークマターを介入させるモンスターを優先させる思考があるからな。ダークアウントマーズの効果。あれはデュエル後半に出すべきものだと遊世も思うだろ』

(納得した)

『そう言うことだ。今は八雲のターンに集中しよう』

(それもそうだな)

 

 遊世は八雲を見た。

 

「僕のターン。ドロー。僕は手札から、『コードコンソール』を召喚」

 

 タブレットに機械の手足を付けたようなモンスターが出現する。

 

 コードコンソール ATK1000 ☆4

 

 なんかレベルが予想以上だった。

 

「コードコンソールの効果を発動。自分の手札を一枚捨て、デッキから『AC』の罠モンスターを発動する。発動。『ACレイク』!」

 

 ACレイク ATK500 ☆1

 

「さらに、手札の『コードチェンジャー』の効果を発動。自分の場にACモンスターが存在するとき、デッキトップを一枚墓地に送り、特殊召喚できる」

 

 コードチェンジャー ATK500 ☆4

 

 サポートモンスターまでレベルのわりに攻撃力が低いんだな。

 

「コードチェンジャーの効果を発動、このモンスターをリリースすることで、自分フィールド上のACモンスター一体のレベルを4にする。さらに、コードコンソールは、フィールドに表側表示で存在するとき、ACモンスターとして扱うことができる」

 

 ACレイク ☆1→4

 

「僕はレベル4のACレイクと、コードコンソールでオーバーレイ。二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築、エクシーズ召喚!ランク4。『ACワイク』!」

 

 ACワイク ATK1000 ★4

 

 別のモンスターなのだが、ACって全部よくわからない情報体みたいな形だから違いがよくわからないな。

 

「ワイクの効果を発動。オーバーレイユニットを一つ除外し、同名のACの罠モンスターを二枚、デッキから発動することができる」

 

 オーバーレイユニットを墓地に送って使うのはよく聞くが、除外するのは初耳だ。

 

「僕はACレイクを二枚発動する」

 

 ACレイク ATK500 ☆1

 ACレイク ATK500 ☆1

 

「さらに、ワイクのオーバーレイユニットであるコードコンソールの効果を発動。このモンスターがACのエクシーズモンスターのオーバーレイユニットになっているとき、墓地に送ることで、デッキから永続罠を一枚、手札に加える。僕が手札に加えるのは『PO アクセスノイズ』だ。そして、このカードは、デッキから手札に加わったとき、フィールド上のACモンスターが二体以上の時、発動することができる」

 

 準備は整ったようだな。残り手札三枚で。

 ていうか、コードコンソール。優秀すぎ。

 

「僕はアクセスノイズとワイクとレイク二体を除外して、スリットチェンジ!生まれ続ける情報の渦に飛び込み、世界が抱く疑問を解決せよ!スペクトル召喚!レベル8『アナライザーアクセスドラゴン』!」

 

 八雲のエース。降臨!

 

 アナライザーアクセスドラゴン ATK3000 ☆8

 

「さらに、手札から『コードピリオド』の効果を発動。ACモンスターが三体以上除外されているとき、このカードを手札から墓地に送ることで、自分の除外されているカードを全てデッキに戻し、カードを二枚ドローする」

 

 手札四枚になった。

 

「そして、アナライザーアクセスドラゴンの効果を発動。デッキを上から五枚確認し、その中から一枚を手札に加え、好きな順序でデッキの一番下に戻す。そして、僕は墓地のコードピリオドの効果を発動。このモンスターを墓地から除外することで、自分フィールド上のモンスター一体の攻撃力を500ポイントアップする」

 

 アナライザーアクセスドラゴン ATK3000→3500

 

「バトルだ。アナライザーアクセスドラゴンで、ダークアウントマーズを攻撃!『ストリームコード』!」

 

 ブレスが蟻を貫いた。

 

 ドクトル&ハリー LP8000→7700

 

「レベル8以上のドラゴン族スペクトルモンスターが相手に戦闘でダメージを与えたとき、手札の速攻魔法『コードサミット』の効果を発動。デッキからACの罠モンスター二枚を発動し、その二枚でエクシーズ召喚を行う。この時、ACモンスターのレベルは、二体とも、戦闘ダメージをあたえたモンスターと同じになる」

 

 何それ。

 

「僕は『ACアイク』二体をレベル8扱いで発動、特殊召喚し、その二体でオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!ランク8。『ACゲイク』!」

 

 ACゲイク ATK2800 ★8

 

 なんか攻撃力高くないかな。まあ確かにランクは8だけど。

 

「ACゲイクでダイレクトアタック!」

 

 ドクトル&ハリー LP7700→4900

 

「僕はカードを一枚伏せて、ターンエンド」

 

 手札は残り三枚か。

 

「ち、思ったよりやるな。俺のターン。ドロー!俺は手札から、スケール1の『光沢騎士オークル』と、スケール8『光沢騎士エルグナ』でペンデュラムスケールをセッティング!」

 

 え?

 

「レベル2から7のモンスターを同時に召喚可能、ペンデュラム召喚!『光沢騎士ウルアヌ』『光沢騎士ルナーゼ』『光沢騎士デイグラ』『光沢騎士ヨシュア』!」

 

 光沢騎士ウルアヌ ATK1300 ☆3

 光沢騎士ルナーゼ ATK1800 ☆4

 光沢騎士デイグラ ATK2100 ☆5

 光沢騎士ヨシュア ATK1400 ☆4

 

「い、一気に四体もモンスターを召喚しやがった」

(遊世。たぶん人のことを言えないと思うぞ)

 

 もっともですね。

 確か、ウルアヌはPOサーチだったか。他って何だったっけ?

 

「俺は光沢騎士デイグラの効果を無効にして、ウルアヌとルナーゼとヨシュアの効果を発動。ウルアヌのこうかで『PO ラスターベール』と手札に加え、ルナーゼの効果でデッキからレベル4以下の光沢騎士モンスター『光沢騎士ウルアヌ』を手札に加える。ヨシュアの効果でデッキから光沢騎士モンスターである『光沢騎士デイグラ』をサーチする」

 

 なんだと……っていうかサーチ効果豊富すぎてるだろ。

 

『遊世。光沢騎士の効果発動は……』

(各モンスターが一ターンに一度の制限があるだけ、鬼畜さは『レダメ』とほぼ同等かな)

『……』

 

 ちょっと頭がいたくなってきた。

 

「そして、俺はレベル4のルナーゼとヨシュアでオーバーレイ。二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!ランク4。『光沢騎士ダミレイ』!」

 

 光沢騎士ダミレイ ATK2400 ★4

 

(マジかよ。ダークマターの影響下でエクシーズとか出来るんだ)

『まあ、ダークマターを介するモンスターを出すためのものとも言えるが……』

 

 そうなんだろうな。多分。

 

「ダミレイの効果を発動。オーバーレイユニットをひとつ取り除き、ウルアヌの効果を無効にすることで、このターン。二回の通常召喚を行うことができる」

 

 グヌヌ。光沢騎士は他のモンスターの効果を向こうにすると言う特性上、モンスターが複数いなければバニラ同然なのだが、そうであるがゆえにペンデュラムはきつい。

 しかも、すでに効果を使ったモンスターを、効果無効化対象に選択するとは……。

 

『遊世、ネットで調べてみたんだが……』

(ちょっと待て!今お前がネットを使える要素がどこにある!)

『いや、八雲の墓地にいたコードコンソールで……』

(お前なんでもありにもほどがあるわ!で、なんだ?)

『あのハリーというデュエリスト。プロで個人ランキング4位だったぞ』

(強っ!)

 

 ものすごく大物だった。

 

「まずはウルアヌを手札から召喚し、効果発動。もう一体のウルアヌの効果を無効にし、『PO ダークマター』を手札に加える」

 

 光沢騎士ウルアヌ ATK1300 ☆3

 

「そして、レベル3のウルアヌ二体でオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!現れろ。ランク3。『光沢騎士ガルデニア』!」

 

 光沢騎士ガルデニア ATK1800 ★3

 

(またかよ)

『さすが個人ランキング4位。中々の腕前だな』

(感心している場合か!)

 

「ガルデニアの効果を発動。オーバーレイユニットをひとつ取り除き、デイグラの効果を無効にして、このターン、レベル5以上の光沢騎士モンスターを召喚する場合、リリースなしで召喚できる。手札から『光沢騎士デイグラ』をリリースなしで召喚!」

 

 光沢騎士デイグラ ATK2100 ☆5

 

「デイグラの効果を発動。ガルデニアの効果を無効にして、このターン中にスペクトル召喚された光沢騎士モンスターは、他のモンスターの効果を無効にせずに効果を発動することができる」

「自由度が広くなったな……」

「俺はレベル5のデイグラ二体でオーバーレイ!二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築。エクシーズ召喚!現れろ。ランク5。『光沢騎士エターニア』!」

 

 光沢騎士エターニア ATK2400 ★5

 

「そして発動。『PO ラスターベール』!そして、ラスターベールと、光沢騎士のエクシーズモンスターであるダミレイ、ガルデニア、エターニアを除外し、スリットチェンジ!激震する光沢の騎士よ。今ここにその姿を表し、すべてのもののその目に焼き付けろ。スペクトル召喚!レベル8。『光沢騎士スフィアリオス』!」

 

 光沢騎士スフィアリオス ATK3000 ☆8

 

 召喚条件重すぎるだろ。

 しかし、恐ろしいほどの光だ。

 

「光沢騎士スフィアリオスは本来、二体の光沢騎士の効果を無効にする必要があるが、デイグラのこうかにより、それを行わずに効果を発動できる。スフィアリオスの効果を発動。相手モンスター全ての攻撃力を、元々の攻撃力の半分にする」

「く……」

 

 アナライザーアクセスドラゴン ATK3500→1500

 ACゲイク          ATK2800→1400

 

「リバースカードオープン。『ACミラージュ』を発動!ACモンスターが相手モンスターの効果によって攻撃力、または守備力が変化したとき、その効果を、このカードに保存する。スフィアリオスの効果をコピーさせてもらう。なお、この効果はコストを使用せずに使うことができる」

「なるほど、だがまだ甘いな。俺は『PO ダークマター』を発動し、ダークマターとスフィアリオスを除外して、スリットチェンジ!光沢の内側に潜む怨念よ。今ここにその醜い姿をさらけ出せ!スペクトル召喚!レベル8『無光沢騎士(アウトラスターナイト)アークアリオス』!」

 

 無光沢騎士アークアリオス ATK3000

 

「さて、このモンスターも光沢騎士モンスター扱いだ。効果を発動する。相手の魔法、罠を全て破壊する」

「ACミラージュの効果を発動し、アークアリオスの攻撃力を、元々の攻撃力の半分にする!」

「アークアリオスは、カードの効果を受けない」

 

 カード効果に対する完全耐性か。

 

「さらにアークアリオスは相手モンスター全てに攻撃することができ、さらに、破壊したモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージを、相手に与える」

「な……」

「無光沢騎士アークアリオスで、アナライザーアクセスドラゴンと、ACゲイクを攻撃!」

 

 遊世&八雲 LP8000→6500→5000→3400→2000

 

「ふむ、次からは相手フィールド上に召喚できるモンスターを入れておくべきだな。これでターンエンドだ。なお、アークアリオスが攻撃対象に選択されたとき、攻撃表示の相手モンスターを全て破壊する効果がある。サレンダーをしたらどうだ?」

 

 効果の完全耐性にミラフォ効果か。なかなか盛りだくさんだな。

 いや、でもこれはこれですごいぞ。

 たった一体で、効果に対する完全耐性に、相手モンスター全てに攻撃し、破壊したモンスターの元々の攻撃力の半分のダメージをあたえ、しかも、攻撃対象に選択されたときに相手モンスターの全てを破壊するミラフォ効果。

 召喚条件はすさまじく重いだろう。

 ただ、効果を受けない=攻撃力を上げることが出来ないと言うことなのだが、攻撃力3000と言うのは……どう言うものなのだろうな。

 

「諦めるつもりはないな」

「そうだな。ACゲイクの効果を発動する。オーバーレイユニットを持つこのモンスターが戦闘によって破壊されたターンのエンドフェイズ時、自分の墓地から、レベル8のドラゴン族のスペクトルモンスター一体を特殊召喚する。フィールドに舞い戻れ、アナライザーアクセスドラゴン!」

 

 アナライザーアクセスドラゴン ATK3000 ☆8

 

 再び現れる八雲のエース。

 

「後は任せる」

「任された。俺のターン。ドロー!」

 

 さて、どうするかな。

 まあ、思ったより弱点はある。

 そう、『痛み分け』だ。相手のモンスターの数が一体で、なおかつフリーチェーンでモンスターを新しく特殊召喚できない場合、レベル1通常モンスターから神まで、リリース出来ない効果を持っていなければ全て除去できる。

 

『遊世。今はそういう話をしている場合ではないぞ』

(わかってら。さて、ただ後もうひとつ気になることがある)

『なんだ?』

(あいつ、エターニアの効果を使わずに素材にしたからな。多分フリーチェーンでなんかやって来る)

『その可能性はあるな。あのタイミングで、何も効果のないモンスターを出すとは思えん』

(そういう意味ではアンノウンと思考が似ているな。まあいいか)

 

 さっさとやるか。

 

「俺は手札から、魔法カード、『カセドラルコール』を発動。手札の聖堂剣を一枚コストにして、聖堂軍通常モンスター一体をデッキから特殊召喚する。『聖堂剣サフィクル』をコストにして、『聖堂軍ワイズ』を特殊召喚!」

 

 聖堂軍ワイズ ATK2400 ☆7

 

「そして、聖堂剣サフィクルを除外し、『カセドラング』を特殊召喚する」

 

 カセドラング ATK500 ☆1(チューナー)

 

「レベル7の『聖堂軍ワイズ』に、レベル1の『カセドラング』をチューニング。シンクロ召喚!レベル8。『聖堂軍ダルクオーム』!」

 

 聖堂軍ダルクオーム ATK2500 ☆8

 

「ダルクオームの効果を発動。このモンスターが特殊召喚されたモンスターだけでシンクロ召喚に成功した場合、聖堂剣一枚をコストにして、自分の墓地とデッキから、レベル1のモンスターを一体ずつ特殊召喚できる。『聖堂剣ホライゾン』をコストにして、墓地から『カセドラング』を、デッキから『カセドラーム』を特殊召喚!」

 

 カセドラング ATK500 ☆1(チューナー)

 カセドラーム ATK500 ☆1(チューナー)

 

「そして俺は、『聖堂軍ノイユ』を召喚」

 

 聖堂軍ノイユ ATK1000 ☆3(チューナー)

 

「そして、カセドラングの効果を発動。墓地から特殊召喚されたこのモンスターは、一ターンに一度、自分の場の聖堂軍チューナーモンスター一体をリリースすることで、そのモンスターとレベルを同じにする。ノイユをリリース」

 

 カセドラング ☆1→3

 

「いったい何を……」

 

 ハリーが動揺している。

 遊世はそれをよそに、自分の闘志が沸き上がっていくのを感じている。

 遊世が心臓の近くに右の拳を持っていくと、赤いオーラが燃え上がる。

 

「そ、それは……」

「俺は、レベル8、聖堂軍シンクロモンスター『聖堂軍ダルクオーム』に、レベル1の『カセドラーム』とレベル3の『カセドラング』をダブルチューニング!」

 

 本来黄緑色であるはずのチューニングリングが、白い炎の輪となってダルクオームを包み込む。

 

「聖堂の剣を握る聖騎士の使命、今ここに具現し、その力で魂をたぎらせろ!シンクロ召喚!レベル12。『聖堂軍ガゼルアブソーバ』!」

 

 黄金に輝く剣を握り、獣王を思わせるヘルムを被った聖堂軍の騎士が爆誕する。

 

 聖堂軍ガゼルアブソーバ ATK3800 ☆12

 

「ガゼルアブソーバの効果を発動。このモンスターが特殊召喚されたモンスターだけでシンクロ召喚に成功した場合、自分の墓地と、除外されている聖堂剣を一枚ずつ、このモンスターに装備する。墓地の『聖堂剣ホライゾン』と、除外されている『聖堂剣サフィクル』を装備する」

 

 二枚の聖堂剣が、ガゼルアブソーバの剣と同化する。

 

「ホライゾンの効果により、ガゼルアブソーバの元々の守備力分、攻撃力がアップし、さらに、ガゼルアブソーバが聖堂剣を二枚以上装備しているとき、攻撃力が500ポイントアップする。ガゼルアブソーバの元々の守備力は2000だ!」

 

 聖堂軍ガゼルアブソーバ ATK3800→5800→6300

 

「く、除外されているエターニアの効果を発動。効果を使用せずにスペクトル召喚の素材となり除外されたこのカードは、相手ターン中であっても、デッキに戻すことで、相手の魔法カードを二枚まで破壊できる。ホライゾンとサフィクルを破壊する」

「ガゼルアブソーバに装備されている聖堂剣は、相手のモンスターの効果を受けない!」

 

 異空間からエターニアが出現し、オーラの大砲のようなものを2つ放ってくるが、ガゼルアブソーバはそれを一回剣を振っただけで消滅させる。

 

「そして、ガゼルアブソーバの効果、このモンスターが装備している聖堂剣と同名のカードを、聖堂軍ではない自分フィールド上のモンスターに装備させることができる。俺は手札の『聖堂剣サフィクル』を、アナライザーアクセスドラゴンに装備させる」

 

 手札の聖堂剣サフィクルを出現させると、それは光る玉に変化し、アナライザーアクセスドラゴンの体内に吸収された。

 

「バトルだ!聖堂軍ガゼルアブソーバで、無光沢騎士アークアリアスを攻撃!『エンドアステリスク』!」

 

 ガゼルアブソーバが六花の紋章を出現させると、それを剣の埋め込んで突撃する。

 

「忘れたか!アークアリアスの効果を発動。このモンスターが攻撃対象に選択されたとき、相手フィールド上の攻撃表示モンスターをすべて破壊する。『カタストロフインパクト』!」

「『聖堂剣サフィクル』を装備しているモンスターは、相手のモンスターの効果によって破壊されない。よって、聖堂剣サフィクルを装備している聖堂軍ガゼルアブソーバとアナライザーアクセスドラゴンは、アークアリアスの効果を受けない!攻撃続行!」

 

 ガゼルアブソーバが巨大な衝撃波を一撃で粉砕し、アークアリアスを一刀両断する。

 

 ドクトル&ハリー LP5900→2600

 

「ぐうう。まさか、アークアリアスが……」

「ラストだ。アナライザーアクセスドラゴンで、ダイレクトアタック!『ストリームコード』!」

 

 アナライザーアクセスドラゴンのブレスが、二人のLPを消し飛ばす。

 

 ドクトル&ハリー LP2600→0

 

「俺たちの勝ちだ」

 

 デュエルが終了した途端に、二人は地面に倒れ、黒いオーラが抜けていく。

 

「ふう、なんとかなったな」

「そのようだ。しかし、シンクロとしての全てを極めているんじゃないか?」

「いや、まだなんだよね。それが、あともうちょっと何だけどな」

 

 まあそれはいい。

 ハリーが起きたようだ。

 

「むう、君たちだったな。私たちを止めてくれたのは」

 

 ハリーが話しかけてくる。

 本来、私っていうんだな……。

 

「まあ、そんな感じだな」

「プロとしてもかなり戦ってきたが、君たちのようなデュエリストはなかなかいない。しかし、助かった」

「それは何より、次からああいった連中と戦うときは、『痛み分け』を入れておくと良いですよ」

「遠慮しておく。それと、君達、二人ともに言えることだが、先程のデュエル、完全に本気と言うわけではなかっただろう」

「あ、分かります?その辺り」

「僕までか……」

「ふふ、まあいい、次はプロとしての舞台で戦えることを楽しみにしている。それではまた会おう」

 

 ハリーは自分よりも体のでかいドクトルをヒョイっと持ち上げて肩に担ぐと、普通に歩いていった。

 

『いったい……どんな肩をしているんだ?あの男』

(さあ、俺にもわからん)

 

 まあ、とにかく、この場においては一件落着である。

 

「僕としても助かったと言っておこう」

「どうにもならなかったわけでも無さそうだったけどな」

「それは結果論だ。それにしても、遊世。君は本当に良いものを見せてくれる」

「そりゃどうも」

「いつか、お互いに本気でデュエルをしよう」

「今からでもいいぞ」

「デッキの問題にする気はないが、今日はこれから用事があるのでな。それに、君がスペクトルモンスターを手に入れ、それを使い、さらに強くなってからの方が、僕としても面白い」

「そういう考え方もあるな。その時は良いものを見せてやるよ」

「楽しみにしている。一応。これを渡しておこう」

 

 八雲が何かのカードのようなものを渡してくる。

 

「これは?」

「近いうち、恐らく僕たちはお互いに協力して戦うときが来るかもしれない。使わないのがある意味一番いいとも言えるが、なにかがあった際、拠点にしようと考えている場所のキーだ」

「これまたよくわからないものを……まあ、受け取っておく」

「君なら問題はないと思うが、紛失には気を付けるように、まあ、無くしても、反応しないように出来るから、無くしたらすぐに言うようにな」

「了解。それじゃあ。お互いに平和を願うとするか」

(……すでに手遅れだと俺は思うが……)

 

 黙ってろ。

 

「ああ、そうだな」

 

 八雲は去っていった。

 

「しかし……いや、深く考えるのは止めようか」

(そうだな。今の現状では、目の前のことをどうにかすることしか出来ないだろう)

 

 すでに歯車は、もう回り始めている。

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