そして彼女はあと少しで港町ルーンに到着するところまで来ていた。
「この草原を越えたらついにルーンかぁ」
そう言いながら私は、窓を開けていた。検問に入ったのが昨日の夕方で、すぐに宿である「ハムハム」に泊まった。
「旅に出ることがこんなにも素晴らしいなんて!」
そういう私の顔はとっても晴れやかだった。
起きてすぐに私はシャワー室に入った。シャワー室を出ると私は髪を素早く乾かしながら旅の支度を整えていた。
「鞄にはある程度の荷物は入れたし、後は…」
そう言いながらがら昨日水を使い果たしてしまったことを思い出した。
「水を買わないと。下に行商人さんいたわよね」
そう言い終わると私は部屋を出ていた、部屋に鍵をかけることを忘れず。階段を駆け足で降りるとすぐそこに行商人さんがいた。
「すいません水をください」
もうすぐ出発するところだったのか、宿から出ようとしていた。行商人さんは大きな鞄の中から水の入ったペットボトルを取り出した。
「100Gになります」
少し高い気がするがこのチャンスを逃すと、ルーンまで水は買えないので私は笑顔を作りながら仕方なく財布から100Gを取り出し行商人に渡した。
「毎度」
そう言い終わると行商人さんは、宿から出て行った。私はその足で、下にある食堂へむかった。朝食のメニューはトーストにサラダ、スクランブルエッグ、ベーコンにコーヒーというメニューだ。
「おいしそ、いただきます」
嬉しそうな顔しているのが、自分でもわかるぐらいにおいしそうだった。三十分もあれば食べるのには簡単で、私はそのまま部屋に戻り最後の準備に入った。
「これで準備万端」
そう言うと外から、検問の門が開く音が聞こえた。私は鞄を持ち部屋を出た、受付の人に鍵を返すと私は宿を出た。検問はすぐそこで、歩いて5分もたたない場所にある。そもそもこの検問には宿とハンガー国の兵士たちの寄宿舎ぐらいで後は何もない。
「検問許可書を提示してください」
門を通ろうとすると兵士たちにそう言われた。私はすぐにポケットに入れていたカード上の許可書を見せた。すると兵士たちはすぐに通してくれた。
「どうぞ」
許可書を片付けると私はルーンを目指した。その途中で私は不思議そうな顔をしながら少し疑問を感じていた。
(検問が厳しすぎないかしら?)
前まではそんなに、厳重にチェックしていなかったし。許可書もものの30分でできていたのに、今回は作るのに二日はかかった。
「やっぱり何かおかしい。まるで何かが来るのを恐れているみたい」
そう言い終わると先を歩いていた男達の話声が聞こえた。
「うそ、まじで!」
「ああ、そうらしい」
「まじでハンガー国とデレシー国が戦争をするのかよ」
(ハンガー国とデレシー国が戦争する…。)
私は驚いていた。
しかし検問のチェックの厳しさの理由が良くわかった。彼らは敵国の兵士が来ないか警戒しているのだ。にしても腑に落ちない点がある、なぜ急に戦争する気になったのか。少なくともあの二つの国は関係はある程度良かったはずなのに。
「どうして…」
何かが引っかかっていた。少なくとも騎士ギルドに入っていたころは二つの国の関係は良かったと把握している。二つの国はそれぞれの技術を提供しあったりしていたからだ。
(なのにどうして…)
そんなことを考えていると、いつの間にか草原を出ていた。目の前には二つの分かれ道があり右はアルミア渓谷に続いて左はルーンに続いていた。
「ルーンはこっちね」
私は左に曲がってそのまま進んで行った。
私はルーンの門の前に来ていた。門をくぐるとその中はとても賑わっていた。
「すごくにぎやかね」
中央通りを歩いていると宿を予約しなければ、ということに気づいた。
中央公園前に宿「ハムハム」があることに気付き立ち寄ることにした。
中に入ると1人の女性が受付にいた。
「ハンターのアリア・フォードです。部屋を予約しに来ました」
「ハンターのアリア・ファード様ですね。身分証明の為にハンターライセンスを提示してください」
私は鞄の中から、ハンターライセンスを取り出し相手の人に渡した。
相手の人は、ライセンスを機械に通して私に帰してくれた。
「では208号室になります。」
そう言って鍵を受け取ると私はすぐに階段で二階に向かった。部屋に入ると私は鞄を床に置いてポーチを取り出した。
「いい部屋ね」
私は表情がつい緩む。
その後、ポーチに必要最低限の物を詰めて私は部屋を出た。
ハムハムをでた私は、まっすぐにハンター支店を目指した。
ハンター支店に入ったが、中に人はあまりいなかった。おそらく地元のハンターは任務に出かけており、今いる人はハンター支店のスタッフの人だろう。何人かは席に着いていたが、おそらくは私と同じく今日到着したばかりのハンターだろう。
「ハンターのアリアです。ルーンに到着しました」
「ご苦労様です。すぐに任務を受けますか?」
そう聞かれると私は少し悩んだ、この町を回って見てみたいという気持ちのほうがが大きかった。
「いいえ明日にします。今日は町を見て回ります」
「それではいってらっしゃいませ」
そう言われると私はすぐに、支店を出た。
中央公園を見ているといつの間にか12時を回っていた。
「ハンター支店で食べくれば良かったわ」
しかし、せっかく新しい町に来たのだからこの町の料理を食べてみようと思った。そして私は公園の先にある港を目指した。
港に着くと一際大きな声が私を包んだ。色々な声が飛び交ている、魚の競りや、船に乗ろうとする人の声。
「すごい活気がある」
ただ圧倒されるだけだった。ふと時計を見たら12時半を過ぎていた。私は近くにあったレストランに入ってみた。店内は落ち着いた雰囲気が漂っていている。
(いい感じのお店ね)
私は魚介類のソテーを注文することにした。
「おいしー!」
本当にハンターになってよかったと心から思った。こんな素晴らしい町に着けたのだから。
食べ終わると私は、ハムハムを目指して歩き出した。
ハムハムに到着すると同時に、近くで大きな爆発音を聞いた。
「廃工場で、爆発したぞー!!」
その声を聞くと私の足は、自然と廃工場を目指していた。
廃工場に着くとまた一際大きな爆発がした。その中廃工場の中で女の子の悲鳴が聞こえた気がした。
「女の子が中にいる!?」
私は人ごみを避けながら私は廃工場の中に入った。
ドーーン!!
「あっちに移動した!?」
曲り道を右に向くとちょうど女の子が複数の男たちに追われていた。
私は腰に着けていた刀を抜くと、男たちの前に立ちはだかった。
「やめなさい!女の子の追い回すなんてそれが男のすることですか!!」
しかし男たちは返事どころか私に気付く様子もなく一心不乱に女の子を襲おうとしていた。
「仕方ない!聞く気がないなら」
私は刀を構えた。
私が逃げていると後ろから大きな声が聞こえた。
「やめなさい!女の子の追い回すなんてそれが男のすることですか!!」
(誰だろう?)
そういう風に考えていると、男たちはそんな言葉は見向きもせず私を襲ってきた。
「いやーーーー!!!!」
私は考えるをやめて一心不乱に逃げた。
私は刀で男達を1人1人丁寧に気絶させた。一通り片付くと女の子の方を向いた。
「大丈夫?怪我はなかっ……」
目の前に女の子がいない。失敗したと今気づいた。女の子は逃げていてしかも、殺されそうなのに後ろにいるはずがない。女の子を探そうとしたとたんに、町の兵士たちに話しかけられた。
「すいませんがお話を聞きしたいんですが。」
私は今にも駆け出した気分だったが、このよな状況で駆け出したら間違いなく勘違いされてしまうだろう。そう思い、走り出す気持ちを抑えて兵士達に渋々従った。男たちは倒したし、おそらくは大丈夫だろう、そう思った。
そこからが長かった、兵士たちの事情聴取に5時間もかかったし、挙句の果てには私が敵国のスパイではと容疑までかかった。しかし、すぐにハンター支店ルーン店のハンターマスターが事情を察して私がハンターでこの町に朝着いたばかりでスパイではないと説明すると、すぐに解放してくれた。
「長かった…」
私は疲れ顔でつぶやいた。
「お前さんも災難だったな」
「ありがとうございます。ハンターマスター」
そういって私の半分にも満たないおじさんに私は頭を下げた。マスターは笑顔で答えた。
「いいてことよ。それよりお前さんに頼みたことがある、明日にでもハンター支店に顔をだしてくれ。」
「わかりました」
「ではな、儂は今日到着した方向音痴に会いに行くから。お前さんはもう宿で休め」
「はい!本当にありがとうございます!」
頭を下げるともう目の前にはマスターはいなかった。
(忙しい人なのね)
私は外に出た。
外に出ると夕方の6時を回っていた。
「夕飯をどうしよう?」
考えてみたがもうくたくたでこれ以上歩きまわる元気は無かった。しかたないのでハムハムの食堂で食べることにした。
夕飯を食べ終わると私は部屋に戻った。
私は心配そうな表情を浮かべながら考え事をしていた。
(女の子が心配だ)
「ハンター支店に連絡しようかしら」
そう思いモバイルをとると充電が切れていることに気付いた。
「直接話したほうが早いかしら」
そう思い私はハンター支店に向かうため、外に出て走り出した。
すると誰かとすれ違った気がしたが、後ろを向くが誰もいない。
おそらくはハムハムに入ったのだろうと予想した。
「こうしてる場合じゃないわ」
そう呟きながら私は夜の町を駆ける。
そう私はまだ知らないこのすれ違いこそが運命だということを。
すれ違った人の名は「ジン」
私の運命の人
そしてそれこそが運命の瞬間