ジンは病院に入院していた
昔母に連れられて行った場所で、俺は不思議な動物の話を聞かされた。
「この世界にはね、ミストっていう動物がいるの…」
そう言う母の表情はいつもの穏やかなものだった。
「どんな動物?」
俺は母に聞き返すと母は、いつもの表情でこう言った。
「虹色に輝く美しい生き物よ…」
「虹色…」
そう言いながら俺はその生き物を想像していた。
「綺麗!」
「そうね…」
そう言われると俺は笑顔で歩いていた、まだなにも知らないから…
昔から部屋からなるべく出ないようにしてきた。
「お母さん?」
そんな母が珍しく俺を家から連れ出してくれた。そんな母がその時だけは険しい表情をしていたことを覚えている。
「お母さん?」
俺は母の顔を見るのが怖かった。
俺が母の名を呼ぶといつもの優しい表情に戻ってくれた。
「家に帰ろうか…」
「…うん!」
そう言うと母は俺を連れて城まで帰った。
目を覚ますと俺はベットの上に倒れていて、気持ちのいい感覚が俺を襲った。
「……」
近くで何か歌のようなものが聞こえてくる、俺は一生懸命になって目を開けようとする。
「…ゆ…め?」
そこで俺は昔の夢を見ていたことに気が付いた、隣にはアリアがリンゴの皮を剥きながら歌を歌っていた。
「起きた?」
そう言いながらアリアは剥いたリンゴを何個かに切っていた。
「食べる?」
「うん…」
そう答えると俺は起きようとする、するとアリアが起きるのを手伝ってくれた。
「はい、あーん」
「あーん」
そう言いながら俺はアリアが剥いてくれたリンゴを一口だけ食べた。
「ほいひい…」
「ありがとう…」
そう言うアリアの顔は笑顔で満ちていた。するとアリアは俺に向かって質問してきた。
「ジン、どんな夢を見たの?」
「えっと…昔の夢…」
そう答えるとアリアは更に質問をしてきた。
「いつ頃の?」
「5歳の時、母に連れられて森に行った時の…」
そう言うとアリアはこれ以上聞いてこなかった。俺は勝手に独り言のように話始めた。
「あの時母は、いつもの笑顔じゃなかったんだよな…」
そう呟くとアリアはリンゴを俺に向けて差し出した。
「はい、どうぞ」
「あーん」
そう言いながら俺はまたしてもリンゴを食べる。
リンゴを食べているとアリアは俺の方に向かって話しかけてきた。
「そう言えばちょっと前にジークさんに報告しておいたわ」
「なにか言われた?」
「えーと、確か…ゆっくり来いって」
「じゃあゆっくり行く!」
そう言いながら目の前のリンゴを全て平らげた、するとアリアは俺に向かって継承式に関する質問をしてきた。
「継承式ってどんなの?」
「継承式?どんなのって…普通の式だよ…」
「普通?」
アリアは俺の答えを聞いてさらに不思議そうな顔で聞いてきた。
「うん、普通の式」
「どんなふうに行うの?」
そう言われると俺は式の内容を思い出した。
「別に俺が見たわけじゃないんだけど、式は最初に各代表が話した後…」
そう言いながらアリアは頷きながら黙って聞いてくれた。
「次期代表の話があってその後に…」
そう言いながら俺は魔法宝記を思い出していた。
「継承の石を出して、それを次期代表の中でリーダーが受け取って終わり。
「継承の石ってどんな石なの?」
そう言われると俺は継承の石の事を説明した。
「正式名称は破滅の魔石、オーパーツの一種だよ…」
「オーパーツなの?それって出してもいいの?」
アリアは最もな疑問を俺に聞いてきた。
「いいんだよ、だって偽物なんだから…」
「偽物?」
「うん!本物は首都にある城の地下の奥深くに封印してある」
そう言われるとアリアはほっとしながら手元にあったジュースを飲んだ。
「俺もほしい!」
そう言うとアリアは手元にあったジュースの一つを俺に渡してくれた。
「ゴクゴク」
そんな音を鳴らしながら俺はジュースを飲みほした。
「おいしい」
「それは良かったわ、それにしても最近黒い翼は何もないわね…」
そう言いながら俺は黒い翼を思い出しながらベットに倒れ込んだ。
「確かにもっとなにか行動をしてくるかと思ったけど…」
「なにか行動してこないのかしら…」
そう言われたが俺はもう一人の方を思い出していた。
「俺はもう一人の方が気になるけどな…」
「たしか錬金術師の可能性があるんだっけ?」
「ああ、錬金術師がどこかで問題を起こさないか心配なんだよな…」
そう言いながら俺はオーパーツの数を数えていた。
「たしかこれまで3つ壊したんだっけ…」
「たしか、そのはずよ…」
そう言うと俺はお腹がすいたようにアリアにおねだりした。
「アリア、お腹すいた!」
「そう言われても…お昼はまだだし…」
「えー!!」
俺はアリアをもう一度見つめると、仕方がないと言った風にアリアは立ち上がった。
「何が食べたいの?」
俺はベットから出ると俺はそのままアリアの後に着いて行った。
屋上に上がるとそこには大きな売店があり、俺はそこで食べ物を選んでいた。
「どれを食べようかな…」
選んでいるとアリアが俺に言ってきた。
「どれでもいいでしょ」
「そんな事は無い!どれを食べるかは重要な事だ!!」
俺は真面目な顔でアリアに言うと再び食べ物選びを続行する。
「どれがいいかな」
少しすると俺は選んだ食事を屋上で食べ始めた。
「おいしいな~」
そう言いながら食べているとアリアが深刻な顔で俺の方に歩いていた。
「どうしたの?」
「それがね…」
そう言いながらアリアは心配そうな顔で俺に向かって話しかけてくる。
「なんでも、黒い翼を見かけたって…」
「ホントに!?」
俺は驚きながら聞き返した。
「マドンナは?」
「今は首都だ…」
「リーダーは?」
「同じだ…」