その上で待つ者は?
俺達はついに雪山にたどり着いた。
「やっと着いたよ…」
目の前の雪山はとても高く、人が住んでいるようには見えない。
この上に守護龍が居る、そう考えただけで俺はすぐにも登りたかった。
「ちょっと休憩しない?」
後ろで歩いていたメイリーが入り口でへばってしまった。
「ここまで来たんだから、上まで行こうぜ!」
そうは言ってはみたがメイリーは本当に疲れたようで、その場で座り込んだ。
「少し休むか」
兄もその場で座り込んだ、俺も仕方が無いという風にその場に座り込んだ。
この雪山の上に守護龍がいる、俺は早く守護龍に会いたかった。
「本当に大きい山ですね…」
サクラは雪山を見上げながら呟いた。
少し休むと再び歩き出すことになった。
「本当にこの山の上に住んでいるの?」
メイリーは先ほどから文句しか言ってない。
雪山を登って行くと、途中でスノーマンが5体現れた。
スノーマンは大きな体を活かした攻撃で俺達は攻撃してきた。
「爆発系魔法は使うな!」
兄は大きな声で俺達に指示を出した。
俺はスノーマンに剣で切りかかる。
カキン!
しかしスノーマンの体は意外と堅く、俺の剣が通らない。
「堅い…どこかに弱点が無いのか?」
兄の攻撃もまったく通用しないようで俺達は完全に劣勢だった。
「ハァーーーーー!!」
サクラの大きな音と共にスノーマンの一体が吹き飛んだ。
どうやらサクラの攻撃は通るらしく俺達の代わりにスノーマンを倒していく。
「何とかなったか?」
周りはサクラが倒したスノーマンで一杯だった。
スノーマンの全滅を確認した後、俺達は再び出発した。
「じゃあ、出発だな…」
雪山を再び上って行く、俺はまだ見えぬ雪山の頂上を見ていた。
雪山の頂上付近はいまだに厚い雲で覆われている。
「しかし、遠いな…」
俺はそう呟きながら兄の跡に付いて行った。
少し進んで行くと洞窟の中に入って行った。
「洞窟の中も結構寒いですね…」
中は氷柱がキラキラと光っていた、俺はそれを見ながらも進んで行く。
奥に進んで行くとさらにギーが3体出てきた。
「邪魔だな…」
俺は剣で切り裂くとなんでも無いように進みだした。
さらに奥に進む、すると大きな階段のような場所に出た。
「ここを登るんですか?」
サクラは少し憂鬱な氷上で呟いた。
俺もこの階段を見ると憂鬱な気分になってくる、アリアやメイリーも同じ表情をしている。
しかし兄は何でも無いような表情で歩き出した。
「行くぞ…もたもたするな…」
兄の言葉がすごく無情に聞こえる、俺はため息を吐きながらあるい出した。
俺達に休む暇は無い、メイリーも嫌な表情をしながら歩いて行く。
階段は更に進んで行くと、またしても外に出た。
「まだ中腹地点なんだな…」
気持ちで言えばすでに頂上に付いている。
兄は何でも無いように上に進んで行く、俺達も後に続いて行く。
「兄貴は疲れないの?」
「…別に疲れないが、それがどうした?」
「…すごいな、兄貴の体力」
俺は兄貴の後ろ姿を見ながらもそう呟いた。
みんなも同じ意見なのか俺が呟いたとき、黙って頷いた。
「どうした?早くいくぞ!」
兄はまだまだいけるようで息一つ乱してない、俺はそんな兄の姿を見ながら進んで行く。
「ジーク様は化物ですわ…」
そう言いながらも俺達は目的の場所まで進んでいた。
進んで行くと目の前にまたしても大きな洞窟が見えてきた。
「こっちか…」
洞窟の奥に進んで行くと奥では見たことのある場所に出た。
「…ここって、確か…」
「どうかした?ジン…」
奥に進んで行くと俺が昔見たあの守護龍が待っていた。
「またしても会ったな…ジン・グラン」
俺は黙って頷く、みんなは唖然としていた。
大きさに驚いているのか、それとも喋っていることに驚いているのか。
「約束通り再び私の前に現れたな…」
「でもここって前会った場所じゃないよね?」
前会ったのは遺跡の奥深くだった、しかしここは雪山の中に有る。
「元々ここは不安定な場所だ、どこからでも入れる…」
守護龍は俺の方にだけ真直ぐ見ている。
「賢者に会いに来たんだ…」
「賢者はこの奥だ…」
すると守護龍は道を開けた、守護龍は体から何かを出した。
「これは?」
俺は守護龍の体から出た種のような物を受け取りながら、聞き返した。
「世界樹の種だ…使い方は上にいる賢者に聞くといい」
そう言うと守護龍は黙り込んだ、俺は真直ぐに歩きはじめる。
みんなも跡に続いて行く、道を進んで行くと目の前に大きな城が見えてきた。
「ここに賢者が?」
アリアは俺に向かって聞いてきた、俺は黙って頷くと城に向かって歩き出した。
ピンポーン!
そんな大きな音と共に大きな声を上げる。
「賢者はいませんか?」
少し経つと中から1人の女性が現れた、女性はにっこり笑いながら喋りだした。
「いらっしゃいませ、勇者と聖女様」
彼女は俺達を奥に案内すると客間のような部屋に案内された。
「ここに来た内容は分かっております…」
彼女は目を瞑りながら言った、俺達は彼女を真直ぐ見ると喋り出した。
「世界樹の事についてですね?」
俺は黙って頷いた。
「私は賢者です、名前はミコと申します」
彼女は俺に向かってそう言うと俺とアリアを交互に見た。
「ミストと守護龍からはどれくらい聞きました?」
俺はこれまでの事を簡単に話した。
「…なるほど、ミストにも困ったものですね」
「簡単に申しますと、今の世界樹を助ける方法はありません」
「しかし、勇者様がもらった種があればもう一度世界樹を生き返らせることが出来ます」
ミコは目を再び瞑ると俺に向かって謝罪を述べた。
「あなたに全てを押し付けなければならない…」
ミコは立ち上がり棚から何かを出した。
「これをあなたに…」
俺は剣のようなものを受け取った。
「これは?」
「宝剣です…」
「いいんですか?こんな高そうな物を!?」
「いいんです、これは賢者である私の償いなんです」
「これは償い、私達の…」
「私達?」
「これは三人で決めた償い…」
「だから受け取ってください」