魔法世界のオーパーツ   作:ナッツガン

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 賢者の指示通りの砂漠にやってきたジン一行
 目指すは神山


砂漠の民
彼らの思いを継ぐ


 俺達は今砂漠に来ていた。

「暑い…暑すぎる…」

 俺は額の汗を拭いながら呟いている、砂漠の暑さにどうにかなってしましそうだった。

 アリア、サクラ、メイリーも同じく汗を拭いながら歩いている。

 なのに兄だけは、汗ひとつ無く平然と歩いていた。

「なんで兄だけは、こんなに平気で歩けるんだ?」

「別に大した暑さじゃないだろ?」

 兄は平然と言い切った、俺は愕然としながら歩き続ける。

 歩きながら俺は雪山での会話を思い出していた。

 

「その宝剣はいざという時に使ってください」

 俺は宝剣を隣に置くと質問をしてみた。

「俺達はこれからどうすればいいですか?」

 ミコは棚から地図を出し、俺の質問に答えてくれた。

「あなたたちはこれから砂漠に向かってもらいます」

 ミコは地図の砂漠に指を置き指示を出した。

「そこから神山に向かってもらい、そこで勇者と聖女の証を手に入れてもらいます」

「勇者と聖女の証?」

「はい、その二つはジン様とアリア様にしか継承できない物なのです」

「勇者と聖女ってなんですか?」

 そう聞くとミコはまたしても棚から何かを取り出した。

「証は本になっており、それを使って継承します」

 そう言うとミコはページをめくった。

「勇者と聖女は昔この世界を救ったと言われている、二人の称号です」

「それって、ジリアスとサーラ?」

「はい、ジリアス様は勇者、サーラ様は聖女とされています」

 ミコが示したページには勇者と聖女が描かれている。

「あなた達二人はその称号を唯一受け継ぐことが出来ます」

「そこまで話してもらったんですが…この宝剣はどんなタイミングで使えばいいのですか?」

 俺の代わりにアリアが聞いてくれた、ミコは本を手に取り話始めた。

「かつてこの世界の闇を封印した勇者と聖女…」

「その世界に現れた闇を唯一滅ぼすことのできるのがこの剣なのです…」

「でも勇者と聖女は闇を滅ぼしてないですよね?」

「はい、当時は封印する事しかできなかったんです…」

 そう言うとミコは目を瞑り語り始めた。

 

 昔この世界に魔法と呼ばれるものはありませんでした。

 しかし闇が現れたことにより精霊が一匹、また一匹食べられてしまいました。

 その時1人の勇者と1人の聖女と1人の賢者が現れて闇を封印しました。

 その時の戦いが原因で魔法が出来てしまった。

 オーパーツが出来たのはそれが原因なんです。

 しかしそれはいずれ世界を滅ぼすものなんです。

 しかし、勇者と聖女と賢者はその時未来を見たのです。

 それは1人の男と女の人が闇を滅ぼし世界樹を復活させてくれると。

 私達は決めました、この未来を確実なものにする為に尽力すると。

 その為に私は二人の代わりにあなた達を導くと…

 

 そこまで話した時、俺は気になった事を聞いてみた。

「あの…聞きたい事があるんですが?」

 ミコは不思議そうな表情を浮かべながら喋り出した。

「なんでしょう?」

「ミコさんはいくつですか?」

 ミコさんは苦笑いしながら答えた。

「500歳を超えたあたりで数えるのはやめました…」

「「「…ええーーーーーーー!!!」」」

 俺達は全員驚きながらミコの体を見ていた。

 とてもではないが1000歳を超えた人とは思えない。

「1000歳は軽く超えてますわよね!?」

 俺は黙って頷き同意した、アリアやサクラも同じ意見だった。

 兄は平然と聞いていた。

「兄貴は驚かないのか!?」

「別に…賢者というのが受け継げるものとは思えないしな…」

 ミコは苦笑いしている、俺はミコの体を見回す。

「ジン?何をしているの?」

 アリアの表情が怖くなったので俺は見るのをやめた。

「その後に宝剣が出来たんだな?」

「はい、その為に今なら倒す事が出来ます」

 そこまで説明されて俺達はやるべきことを理解した。

「それは良いんだか、世界樹を復活させると魔法が消えるんじゃないのか?」

「…そうなんですか?」

 ミコは頷きながら俺達に答えてくれた。

「はい、その代りに精霊術が復活するはずです…」

「精霊術?」

「精霊術は精霊と契約する事によって魔法のような力が使用できるというものです」

「それって魔法と近い力なんですか?」

「いいえ、魔法をあくまでも自分が使うでしょ?」

 俺達は黙って頷いているとミコさんは喋り続ける。

「精霊術はあくまでも使うのは精霊、戦うのも精霊…」

「なるほど…」

「精霊任せってわけだ…」

 そこまで言うと俺はミコさんに聞いてみた。

「それはこれからの世界にかかわる事ですよね?」

「はい、だからこそ国のトップのみなさんと話したうえで決めてください」

「分かりました…」

 俺はそこで兄の方に向いた。

「兄貴?どうする?」

「まずはこれを姉貴に相談するか…」

 俺はミコさんの方に向くと質問してみた。

「聞きたい事があるんですが?」

「はい?私に答えられる範囲であれば…」

「ミストや守護龍も精霊ですか?」

「はい、確かにあの二人も精霊ですが?」

「だったらなんであの二人は闇に食べられてないんですか?」

「う~ん、それはね…あの二人にはあなた達を導く役目を追ってもらいたかった」

 ミコは遠い目をしながらも話を続けた。

「それに世界樹の魔力の流れをコントロールできる精霊が1人は欲しかったし…」

「それがミストと守護龍?」

「そう言う事ね…」

 守護龍とミストの姿を思い出しながら、彼らが過ごした1000年の月日の事を考えていた。

 きっと悔しいかっただろう仲間がやられていくさま、闇にやられていく姿を見てきた。

 それでも二人は俺達にかけてくれた…

「だからこそあなた達にこれだけの物の背負わせることになった」

 改めて俺達が背負ったものの大きさを理解した。

 勇者や聖女、賢者に精霊…

 彼らの思いを受けて俺達は闇と戦わなければならない…

 それがたとえとてつもない事だとしても…




「お願いします!」
 賢者は俺達に頭を下げた。
「あなた達にこれだけの事を押し付けなければならない事を許してください」
「怒ってませんし、あなたや勇者と聖女それに精霊達が悔しい思いをしながら俺達に託してくれたんだし…」
「ありがとう…」
 ミコはそっと涙を拭いた…
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