そんな中ジンは船での事を思い出す
砂漠の中を進んで行く、周りの風景は先ほどから変わらない。
この砂漠を超えた先に神山があり、そこで継承をしなければならない。
「飛空艇で行きたい…」
俺は兄に向かってそう愚痴を漏らすと、兄は振り返ることなく答えた。
「神山周辺は飛空艇での侵入が出来ないんだ」
兄の言葉が無情にも俺の気持ちを打ち砕いた。
何もないだけに俺からしたらつまらない。
「暑い…暑すぎる…」
俺は愚痴を続けながら歩いている、みんなも兄以外一緒の気持ちだった。
歩いて行くと砂漠の熱で靴が熱くなったような気がする。
「しかし、砂漠というものは本当に暑いのですね…」
メイリーは汗を拭いながら呟いた。
そう言うと俺はここまで来た船での事を思い出した。
俺は船の中で映画を見ながら到着を待っていた。
「しかし、本当にこの船の存在理由が分からなくなるな…」
俺は呟きながらポップコーンを食べていた。
目の前の映画には二人のカップルがキスをしようとしていた。
「アリア…」
「何?」
「キスする?」
「ぶっ!!」
アリアは突然飲んでいたジュースを噴き出した。
「な、な、何をい、い、言っているの!?」
「?何を驚いているんだ?」
「あなたが突然キスをしようって!」
俺は首を横に傾げるとそのまま映画を見ていた。
「別にいいじゃない…」
アリアは顔を真っ赤にして呟いた。
「…だって…そう言うのは…その…恥ずかしい…」
「なんだって?」
俺はアリアが喋っている内容が聞き取れなかった。
「なんでもない!」
そう言うとアリアは映画館の外に出て行った。
俺は映画を途中で抜ける覚悟が出来ずそのまま映画を見ていた。
映画が終わると俺はアリアを探しに船の中を捜索した。
「どこ行ったんだろ…」
すると甲板にアリアが暗い表情で手すりにもたれかかっていた。
「…はぁ」
「どうした?」
「!ジン!?どうしてここに!?」
アリアは俺に向かって驚きながら叫んだ。
「なんでもないわ…」
俺が顔を覗きこもうとすると、アリアは顔をそらした。
「ごめんなさい!」
そう叫ぶとアリアは船の中に入って行った。
そうすると中から兄とサクラとメイリーが出てきた。
「アリアと何かがあったのか?」
「アリア先輩何やら…」
「ええ、顔が赤かったですわね…」
そう言われると俺は映画館での出来事を話した。
「はぁ…お前は…本当に」
「それを素で出来るなんて…」
「ある意味才能ですわね…」
三人して俺を見るやため息を吐いた。
「お前はどうして目の前の人間にキスをしようなんて言えるんだ?」
「何か問題が?」
兄は再びため息を吐くと大きな声で叫んだ。
「いいからアリアを追え!」
「は、はい!」
俺が大きな声で叫びながら船の中に向かって行った。
商店街、プール、運動場、ロビー、カジノ
行ける所は行って見たがアリアはどこにもいなかった。
「どこに行ったんだ?」
俺が言った事が原因でアリアが逃げた事は理解した。
だからこそアリアに謝りたい、それにアリアとちゃんと話したい。
「アリア!どこに行ったんだ?」
俺は大きな声で通路を通って行く、部屋を誰もいないはずだからここにはようは無い。
通路を出るとロビーに戻って来た、俺は一階に戻って再び一階の捜索を始めた。
「アリア!返事をしてくれ!」
一階にある商店街を横目に中を進んで行く。
商店街の食べ物が俺の食欲に火を点ける、しかし今はアリアを探すこと優先しなければならない。
「どこに行ったんだろ…」
商店街にサクラを見つけた、サクラの元に行くと話かけた。
「サクラ、アリアを見なかった?」
「いいえ、見ていませんが…」
サクラはクレープを食べながら俺の質問に答えてくれた。
サクラが食べているクレープの匂いが俺の食欲をそそる。
「食べます?」
「嫌…今はアリアを探す事を優先したいし…」
そこまで言うと俺はサクラに質問してみた。
「サクラ聞きたいことがあるんだけど…」
「なんでしょう?」
「サクラが好きな人からキスをしようって言われたらどうする?」
「うれしいですけど、いきなり言われたら混乱しますね」
「そうか…」
俺は再びアリア探しを続けた。
今度は二階を捜索しているとプールでメイリーを見つけた。
「メイリー!アリアを見なかった?」
「見てないですね」
そう言われると今度こそアリアの居場所が分からなくなった。
「…私はうれしいですけどね」
「えっ?」
「私はうれしいですよ、好きな人からキスをしようと言われたら」
俺は俯きながらメイリーの意見を聞いてきた。
「だからジンさんはいつもの感じで行ってください!」
「…ありがとう」
そう言うと俺は再び船の中の捜索を再開した。
今度は5階を捜索しているとカジノにたどり着いた。
カジノの中に兄がいた。
「アリアは見つかっていないようだな…」
「…うん」
「…お前の気持ちに素直になればいいんだ」
「…うん」
「本当はアリアがどこにいるのか分かってるんだろ?」
「…うん」
「お前は素直が一番良い所なんだ、お前が一番言いたい事やりたい事をしろ」
「うん!」
俺はカジノから走って行くと最初の映画館に向かった。
映画館ではアリアが先ほどの映画何度も見ていた。
「アリア」
「!ジン!?」
俺はアリアの手を持ち行きたいところまで行った。
外はいつも間にか夕暮れで、甲板から見た景色はとても綺麗だった。
「綺麗…」
アリアが完全に見とれている。
俺はアリアの体を引き寄せてキスをした。
アリアは最初こそ驚いていたが、次第に落ち着いて行った。
「俺の気持ち伝わった?」
「うん…ありがとう」