三人はメンバーと合流するために行動していた。
奥の方から大きな声が聞こえてくる。
「ジン!あれを見て!」
アリアが指示する方向を見るとそこには、男の子が小さなナイフで男達に挑んでいる所だった。
「行くぞ!!」
俺達が走ってその場に駆けつけると、目の前の男達を蹴り飛ばした。
「おりゃ!」
男達は遠くに吹き飛ばされると、俺達は改めて男の子の方に向いた。
「大丈夫か?」
「だ、誰だ!ここは神聖な場所だ!!」
男の子はナイフを振り回していて、こちらの声が聞こえていない。
俺は黙ってナイフを持つと、遠くに飛ばした。
「あ…な、ナイフなんてなくても俺にはゴーレムさまが付いてるんだ!」
「…あっそ」
「…俺は砂漠の民だ!お前なんか!!」
何やら勘違いをされているようなので、落ち着くまで待つことにした。
左の方から兄達が現れる、俺は兄に諸々の説明をする。
「なるほどな…」
先ほどから男の子は俺達(主に俺だが)を睨みつけている。
「私から説明しよう」
「頼むゴーレム」
ゴーレムが近くによると、男の子は俺達への警戒を緩めた。
「なんでゴーレムの話は聞いて、俺の話は聞かないんだ?」
「それだけゴーレムへの信仰が激しいのよ」
「だろうな、この国の人々にとってゴーレムは神のようなものだ」
「…あのゴーレムが?」
どうやら説明が終わったらしく、男の子は黙ってその場を後にした。
「男の子は?」
「とりあいず、町まで戻るように言った」
「大丈夫か?」
「この周辺は割と安全だ」
そう言うとゴーレムは道案内を開始する。
さらに奥に進み階段を降りて行くと、俺達の目の前に大きな塔が現れた。
「これは?」
「この塔の一番下に我々の部屋が安置されている」
「お前は何もされていなのか?」
俺が一番疑問に思った事を聞いてみる。
「私は既にこの神殿には安置されていない…」
そう言うとゴーレムは先に進んで行った。
「私は契約者の君の傍にいる…」
「それ以外だと、どこにいるんだ?」
「基本的に、どこでも」
「?意味がよく分からないんだけど…」
俺以外にも他のメンバーも同じ意見なようで、首を捻っている。
「要するに一定の場所に居るわけではないのです」
ライゴウが説明をしてくれた。
「ワームはいまだにその場所に?」
「闇に食べられていますから、魂の繋がりがあるでしょうね…」
そう言われると目の前に4人ほどの男達が塔の入り口を守っている。
「退けどけ!!」
俺が剣を持って突撃すると男達は走って逃げて行った。
「歯ごたえが無い!」
「竜が走ってきていたら誰でも驚くだろ…」
兄は後ろから呟く、俺は後ろにいるバハムートを見ていた。
「そう言えば、ライゴウとゴーレムは俺の傍にいる必要は無いのか?」
「ああ、私はジークと契約をしましたから…」
ライゴウは驚くべき真実を告げた。
「なんですと!?」
「サクラという女性と契約を…」
ゴーレムまですごい事を告げた」
「いつの間に!?」
「「先ほど、お前が落ちた後に…」」
どうやら俺が落ちた後に、二人は契約をしていたらしい。
俺がいない間に二人は別の契約者に付いていた。
「先に言ってくれればいいのに…」
そう言いながら俺は塔の中に入って行く。
中は螺旋状に階段が付いており、下が見えないくらいに深い。
「深いよな…」
階段を急いで降りて行くと、俺は良い事を思い付いた。
「そうだ!バハムート!」
「なんだ?背中に乗せてくれなら嫌だぞ…」
先手を打たれてしまい、その場で固まっている。
「先に言われた…」
仕方が無いので、俺は階段を走って下っている。
「って言うか、良いよなバハムートは浮けて…」
バハムートは先ほどから浮いて行動をしている。
「そろそろ、最深部に到着するぞ」
塔を出るとそこには大きな像が2体飾っている、その内の一体はゴーレムだった。
「あれは!」
俺が走って行きながら剣を抜く、相手もその存在に気づいたようで同様に刀を抜いた。
俺の剣から黒い斬撃が放たれると、相手はそれを紙一重で避ける。
「グリン!お前か!ここにいたのは!!」
それ以外にも元兵士長と四天王までもがここに集まっていた。
「サガリ!黒の翼についたのか?」
「まあな…」
俺がサガリの相手をしていると、アリア達もそれぞれ戦っていた。
「ジン!手を貸すぞ!」
そう言うとバハムートは俺の体に力を注ぎこんで行く。
「なるほど、ゴーレム側から何も反応が無いのは…」
サガリは何かを理解したように呟いた。
「ここは退きましょう!」
「了解です!!」
そう言うとグリルは煙玉を放ち、そのまま逃げて行く。
「追うな!今は確認が先だ!」
そう言うとゴーレムはワームの確認を始めた。
「…今の所は何もされていませんね」
それを聞くと俺達は安心をしてその場に座り込んだ。
「やっぱり!黒の翼だった!!」
「ワームを使って何をしようとしていたんだろうな?」
そう兄が呟くとライゴウがその質問に答えた。
「精霊の安置している場所越しに闇を復活させようとしたのでしょう」
そう言うとバハムートも助言を出す。
「ワーム以外は安置場所が分からない奴ばかりだからな…」
俺とアリアはその言葉を聞きながらワームの象に向かって歩き出した。
「アリア」
「ジン」
俺達が手をつなぐとその場にまぶしい光が満たしていく。
「お姉ちゃん!」
男の子が走って姉の元にたどり着く。
「これで良いんだ…」
俺達は二人の様子を見守りながら、次の目的地を目指す。