ジンはエミリーの約束を、死んだ者の為に。
アリアはヴァンを止める為。
それぞれの思いを胸に。
ー運命戦争最終戦突入ー
ウォンウォンウォン
そんな音が鳴る大きな機械の前に私は、立っていた。
「これが魔法壁を作っている魔動機ね」
警備をしていた者はすべて倒した。後は、魔動機を破壊して、最深部に突入するだけだった。
「はぁーーーーーー!!!」
そんな声を出すと私は、目の前にあった魔動機を乱れ切りにした。
「これで…」
ふと魔法壁の方を見ると数十秒だが、魔法壁が解除された。
「後は…」
私はそれを確認すると、最深部の洞窟に向かった。
洞窟はすぐそばにあり迷わずに見つける事ができた。
「この奥にヴァンが…」
私は、最深部に向けて走りだした。
俺はいまだに中央の穴にたどりつけずにいた。
「ジンさん、急いでください!アリアさんはもうすぐで着きそうです!」
俺は機械兵を倒しながら返事をした。
「機械兵の数が多くて…」
そう言いながら俺は最後の機械兵を倒した。
「ざっと30機は倒したな」
ふう、と息を吐きながら俺はつぶやいた。
「だから!い・そ・い・で・く・だ・さ・い!!!!!」
耳元で大きな声が聞こえた。
「は、はい!」
俺はびっくりしながら中央の穴に向かって走り出した。
すると後何メートルかのところで5メートルはあろうか、という巨大な機械兵が現れた。
「こんな時に…!」
俺は剣を構えると一気に距離を縮めた。すると、機械兵は腰に着けたマシンガンで攻撃をしてきた。
「くっ!」
俺は距離をとり再び、距離を縮めた。すると今度はミサイルを使ってきた。
「くそ!」
俺は、さらにスピードを上げた。
すると目の前にあった魔法壁が解除された。
「こんな時に…!」
俺は機械兵の攻撃を回避しながら、機械兵の片足を切った。そのままのスピードで、俺は再展開されていた魔法壁に突入していった。
「間に合えーーーー!!!」
間一髪間に合った俺は、魔法壁の中でバランスを崩した。
「うわぁ!」
穴に落ちる数歩手前で何とか踏ん張ることに成功した。すると目の前には、五階建てのビルのように大きな魔動砲があった。すでに魔力は80%に達していた。
俺は珍しい物を見る顔をしながら少しづつ下を見た。すると下には、大きな魔法陣があった。
「あれで魔力の供給と蓄積をしているのか」
逆を言えば、魔法陣を破壊したら供給していた魔力は魔動砲の中からなくなってしまう。そう考えたら、俺は魔動砲の側面に付いていたパイプを使って下に降りた。
「あらっよと!」
そう言いながら俺は、着地した。
「後は……」
魔法陣を見ると違和感に気づいた。
「この魔法陣、上から書き換えられている」
するとエミリーのお兄さんの思惑を理解した。
「この魔法陣、蓄積された魔力が臨界に達すると、魔動砲を自爆させるようにセットさせている!!」
そのことに気付くと、俺は魔法陣の上に手を起きた。
「解除!!」
その掛け声とともに魔法陣が消えて行った。
魔法陣を解除するための方法は至ってシンプルで、魔法陣の上に手を置き魔法陣に自分の魔力を送り新しい指令を送るだけ。
「後はあの人を…」
そう呟くと、俺は駆け出した。
洞窟の中を走っているとまぶしい部屋に出た。すると、部屋の中央に剣と盾を着けた竜人族がいた。
「あれがここを守っている…」
そう呟くと私は一気に走り出した。すると、竜人族も走りだした。
私の刀と相手の剣がぶつかる。速度は私が上、しかしパワーは相手の方が上だった。
すると私は、部屋の中を縦横無尽に走りながら相手の剣と、数回交えた。
「つ、強い…」
「がるる」
私は真剣な面持ちで相手と距離をとった。
「どうすれば…」
そう考えながら私は肩で息をしながら追い詰められていた。相手は、私が最初にいた位置にいて、私は中心から少し前に進んでいた。
じりじりと、距離が縮んでいく。すると奥から足音が聞こえた。
トントントン
足音は大きくなっていくすると相手も気が付いたのか、その足音に向かって攻撃体制をとっていた。
「させない!!」
そう言うと私は真剣な面持ちで一気に距離を縮めた。相手はその行動には無警戒だったのか少し反応が遅れた。
すると後ろで誰かが通りすぎるのを感じた。
(お願い彼を救って!!)
私は心の中でつぶやくと私は、相手との決着をつける事にした。
私は相手との距離をとると、私は刀を収めた。すると相手も攻撃体制をとった。そのまま、数秒かんが過ぎた、すると相手の方が先に動いた。私は相手が攻撃してきた瞬間に居合術で、攻撃を仕掛けてきた相手より先に、攻撃することに成功した。
振り返ると竜人族はうつ伏せに倒れていた。
「お願い…」
そう呟くと私は、洞窟の奥を見た。
俺は一本道になっている洞窟をひたすら進んだ。するとキン、カン、キンというふうに金属がぶつかる音が聞こえた。
するとまぶしい部屋に出た、すると大きな声が聞こえた。
「させない!!」
おそらく俺を守るために戦っているのだと理解した。
(後は任せろ!!)
そう心で呟くと俺は洞窟の奥に向かった。
すると最深部には、周り一面滝が見えた。その中心には、キラキラ赤い光る石があると気づいた。
「あれが運命の石…」
そうするとその後ろに立っていた男が振り返りしゃべった。
「そうだ」
俺はその男を睨みながらしゃべった。
「お前がエミリーのお兄さんか?」
「ああ、名はヴァン」
「ヴァン、運命の石をよこせ」
そういうとヴァンは少し疑問そうな顔でしゃべった。
「お前は、私がどうしてこのような事をしたのか聞かないのか?」
俺は真剣な面持ちで答えた。
「大方の予想はつく」
「そうか」
そう相手がしゃべると、ヴァンと同じタイミングで剣を抜いた。
俺は無表情でヴァンとある程度の距離をとり反時計まわりに回った。
「私にはどうしても成し遂げなければならない思いがある」
「そうか」
「そのためにはこの石がいる」
「そうか」
「そのために、お前を……殺す!!」
そういうとヴァンは、恐ろしい勢いで距離を縮めた。俺は剣でヴァンの攻撃をいなした。
「すべてこの国が悪いんだ」
ヴァンは連撃を仕掛けてきた。俺はその連撃を紙一重でよけながらヴァンの話を聞いた。
「この国は両親を殺した」
「この国は誤りもしなかった」
その時俺は、ヴァンの攻撃を避けてヴァンが跪いたところに剣を突き立てた。
「だから復讐を?」
「そうだ…だから!!」
その時ヴァンは魔法を使って足元に砂煙を上げた。一瞬ヴァンの姿を見失った。
「私は!!!!!」
ヴァンは後ろから攻撃を仕掛けてきた。その攻撃を俺は読んでいた、その攻撃を避けて俺は再度ヴァンに剣を突き立てた。
「なぜ殺さない!?」
「約束したから」
そう言いながら俺は、エミリーの事を思い出していた。あの笑顔、あの悲しそうな顔、俺はいつの間にか叫んでいた。
「でもお前はそんな約束をした、妹を泣かせたんだぞ!!!」
「何が復讐だ!!!」
「何が殺されただ!!!」
「自分が何もできなかった事を、国が両親を守らなかった事を理由にこの国に住む人々とエミリーを不幸にするなーーー!!!!」
俺はヴァンの顔を見て叫んだ。ヴァンは俺の顔を見ながら唖然としていた。
「エミリーはな、お前の妹はな、お前を助けてほしいと願った時に泣いたんだぞ!!!」
「お前の為に泣いたんだぞ!!!」
「なのにお前はそんな妹にそんな顔をさせながら、復讐を理由に妹を不幸にしたんだぞ!!!」
「それでもお前は、まだ復讐をするか!!!」
「もう一度思い出してみろ、お前の大切な人の顔を!!!」
「大切な妹の事を!!!」
そう叫んだらヴァンは静かに泣いていた。ただただ「エミリー」という言葉を残して。
俺は運命の石まで来ていた。
「この石でたくさんの人の命が失われた」
俺は自分の持っていた剣を運命の石目掛けて振り下ろした。
その後、運命の石の破壊と共に運命の石の効果も消え両国のトップはその場で気絶した。両国は一時的に軍を引いた。その後、ハンター協会からの今回の事件の全容が話されると両国のトップは終戦協定に判を押し運命戦争は終結した。
(私は今回結局役には立たなかった)
私は落ち込みながらそう考えていた。
(結局ヴァンを説得したのも、運命の石を破壊したのもジンという人だった)
そんな事を考えながら私は、エミリーの家を目指していた。
すると、エミリーが大きな荷物を抱えて家の中から出てきた。
「エミリー!?どうしたのその荷物?」
そんな事を言っていると車のトランクには、荷物がほかにもたくさんあった。
「引っ越しの準備を…」
「私も手伝うわ」
30分もたつとエミリーが言った。
「これだけで十分です」
私は家の方に向き不思議そうな顔で質問した。
「他のベットやクローゼットなどは、どうするの?」
エミリーも家の方を向くと質問に答えてくれた。
「そのまま売りに出します」
「そぅ…」
私にはエミリーの引っ越しの理由がわかっていた。
ヴァンは結局私たちの訴えのおかげで何とか死刑だけは免れた。しかし、懲役20年という間刑務所に収監される事になったのだ。その刑務所はここから遠く、おそらくエミリーもその刑務所の近くにある町に引っ越すのだろう。
私は申し訳なさそうに言った。
「ごめんなさい、私はあなたのお兄さんを説得できなかった」
そう言うとエミリーは言った。
「そんな事ないです!兄は言ってました」
「彼女が追いかけてくれたおかげで私は、大きな過ちを犯さずにすんだ」
「って」
その事を聞くと私は少しだけ元気が出た。
「じゃあもう行かなくちゃ」
「本当ならついて護衛したいんでけど、今日はハンター協会の人に事情説明しなくちゃいけないから」
そういうとエミリーはわかっていたと言わんばかりに言った。
「はい、わかってました」
「昨日おじさんのハンターさんが来て教えてくれました」
「そぉ…」
そう言うとエミリーは車に乗りこう言った。
「ホントにお世話になりました」
私は笑顔で言った。
「気を付けてね!」
遠ざかりながら私は手を振った。
「長かった…」
そう呟くと俺はお祭りムード一色の中央通りを歩いた。今朝俺が寝ている間にエミリーは出発したと聞いた。
「せめてさよならぐらいいいたかったな~」
そう言いながら俺は、手を後ろで組んだ。
そんな事で屋台のある通りを歩いていると、トウモロコシも良い匂いがした。
「とうもろこし!!!」
そう叫ぶと俺は、匂いの方へ駆け出した。
「失礼します」
そう言うと私は、ハンター支店に入った。
「おう、アリアか」
「マスターに、アスナさん、リンさん」
「「こんにちわ」」
話かけるとそっくりの姉妹とハンターマスターがいた。
「「今日はお祭りに行かないんですか?」」
そう聞かれると、私は言った。
「マスターとの話の後に行く予定です」
そう言うと姉妹は席を立ち言った。
「「では」」
私はマスターの方を向いた
「で、話はなんだ?」
私は自然な顔をすると一つ質問した。
「ジンというハンターってどんなひとですか?」
私はどうしても気になった。
「ジンかぁ…」
少しだけ考えるとマスターはしゃべりだした。
「色んな意味でも強い奴だし、色んな意味でも弱いな」
「はぁ…」
(変わっているという意味?)
「すごい奴ではある、しかしその姿の為にハンターになって6年間1人も仲間はいなかった」
「それでもあいつは、仲間と友を求めてるんだ」
「剣術も魔法も天下一品だ」
「それでいて天才だ」
「数学と理科以外はな」
そう言いながらマスターの顔は懐かしいという顔をしていた。
「これがジンの写真だ」
そういうとマスターは、胸ポケットに入れてある写真を見せてくれた。
そこには、肌の青い少し太った男が短い髪を後ろできつそうに束ねていた。どこかさみしそうな、それでいてどこか惹かれていくそんな顔。
「こいつはな…」
そうマスターが言いかけた時私は叫んでいた。
「あ、あの…」
俺はトウモロコシを頬張りながら幸せそうな顔をしていた。
「相変わらずだなジン」
声のした方を向くとマスターの他にもう一人立っていた。
綺麗で、髪は後ろでまとめていて長さは、腰まである。胸はEカップだろうか?服は白いTシャツにジージャンを着ており、下は短パンを穿いていた。
「名前はアリアと言います」
そう言うと俺も紹介した。
「名前はジンと言います」
そう言いながらマスターは言った。
「ジン、この女性がお前のパートナーだ」
すると俺たちは握手をしながら。
「「よろしく」」
-これはジンとアリアの出会いの物語ー
第一章「運命戦争」終わり