魔法世界のオーパーツ   作:ナッツガン

64 / 66
 飛空艇での移動中
 ジンは昔の事を思い出していた


昔の話

 飛空艇が空を飛んで数分が経った。

 まだ最果ての地は見えてこない、おそらくはグリルもたどり着いてはいないだろう。

「まだまだみたいね…」

 隣にいるアリアも同じように窓から外の様子を窺っている。

 外は海が果てしなく見えるだけだ。

「まだかかるって話だし…まだまだなんじゃないかな…」

 窓を見るのも飽きてしまった俺は、再び船内を徘徊していた。

 準備も終わってしまい、俺達はやることが見当たらない。

 最果ての地は俺ですら言った事も、見たことも無い場所なのだ。

「最果ての地ってどんなところ?」

「私は知らないわよ…」

 アリアも知らない場所である、文献などにも載っていない場所だ。

 俺が中を徘徊していると、俺を図書室らしい場所を見つけた。

「この中に何か情報があるかもな…」

 中に入ると本の中からそれらしい文献を探した。

 アリアも一緒に探してくれるが、中々見つからない。

 すると奥に一つの絵本を見つけた。

「懐かしいな…昔よくこれを呼んでくれたっけ…」

 そう呟きながら俺は昔の事を思い出していた。

 

 まだ俺がケネディさんに会って間もないころのお話。

 母に呼んでもらった絵本を見て俺は森に興味を持った。

「ちょっと行ってきます!!」

 そう言うと俺は裏口から森に出て行った。

 初めての森だった為、俺は緊張しながら進んだ。

「♪♪♪」

 鼻歌交じりに進んで行くと、俺は動物などを発見するために進んで行った。

 初めて自分の意思で外に出たことは、俺にとってはすごくうれしい。

 しかし、森の中は意外と何も無く、俺は少し退屈な気分になっていた。

 そうしていると木の陰からリスが現れた。

「かわいい!」

 リスは俺に向かって歩いていると、俺の手の上に乗った。

 リスに会うのは初めてだったし、それはそれで俺は少しうれしかった。

 何を言っても見たこの無い生き物を直接見る事が出来るのは、新鮮だった。

「じゃあな…」

 リスを逃がすと、俺は更に森の奥に進んで行った。

「何か見つからないかな…」

 森の中を進むと、鹿や鳥を見つけた。

 ある程度進むと、森の奥に湖を見つけた。

「…どこかで見たことのあるような」

 湖を見ていると、その姿は俺が良く知る人だった。

「母さん?何をしているの?」

「あら、ジン?何をしているの?」

「母さんこそ何をしているんだ?」

「私は水浴びよ!ほら!」

 そう言うと俺は母の体を良く見た。

 その姿は何も身に着けていない、俺はとっさに顔を隠した。

「な、な、何を考えてるんだ!!息子の前で!!恥ずかしくは無いのか!!??」

「…別に無いけど…私のどこに恥ずべき部分があるのかしら?」

「そう言う事じゃない!!裸を息子に見せて恥ずかしくは無いのか!!って言ってんだ!!!」

 大きな声で抗議しているが、母はいつのも微笑みで俺の口論を聞き流している。

 姉貴のあの性格はおそらくここから遺伝したのだろう。

「別にいいけど、大きな声を出さない方がいいわ」

「それより!なぜここで水浴びをしているんだ!!」

「ここが気持ちいいのよ…」

「場所ぐらい選べ!!」

 大体この家族の女は羞恥心がかけているんだ?

 姉貴にしても妹にしても母にしても…

 いつもいつも家の中で隙があれば裸で巡回しやがって…

「少しぐらい羞恥心を持てよ!!いつも裸で巡回しやがって!!!」

「大きな声で叫ばれると、耳がとても痛いわ…」

「こっちの話を聞け!!」

 相変わらず人の話を聞こうとしない!

 俺の話を聞き流して、自分の話にしようとする…

 これだからこの家族は…

「はぁ…まあいいや…」

「ならいいけど…それよりあなたはどうしてここに?」

「本を見て興味を持ったから…」

 そう言うと母はにっこり笑って服を見始めた。

 服をちゃんと着ると、母は俺の隣に座り込んだ。

「ジン…少しここの話をしましょうか…」

 俺は黙ってその場に座り込むと、母はその場で話始めた。

「ここはね…聖なる水…聖水というの…」

「聖水って、あの有名な?なんでも治すっている水?」

「そう…私は昔体が弱かったの…」

 俺は聞いた事が在る、今でこそ天下無双の母は小さい頃体が弱かった。

「そんな時にミストがここの水を聖水に変えてくれたの…」

「ミストってあの有名な?」

「そう…だからここは私にとって大切な場所…」

 母は遠い目をすると、湖の中心を見ていた。

 その先には大きな木が生えている。

「あの木も特別な木なのか?」

「ええ、あの木はね…」

 母は少し間を開けると、少し大きな声で言った。

「ただの木よ!」

「特別な木じゃないじゃないか!!!」

「何を叫んでるの?」

「あんたの所為だろ!!」

 そんなやり取りをしていると、母はポケットから何かを取り出した。

「ここを見つけたのはジンが初めてよ…」

「姉貴も知らないのか?」

「ええ、だからこそ…これはプレゼントよ…」

 ポケットにある石を放り投げると、その石は湖の上で浮かんだ。

 そうしていると、石が光を放った。

 そして一瞬でプラネタリウムが出来上がった。

「綺麗…」

「綺麗でしょ?」

「うん!とっても綺麗…」

 その景色は今でもずっと覚えている。

 母からもらった大切な記憶だったから…

 

「そんな事が在ったの?」

「うん…」

 そうしていると、俺はアリアに約束をした。

「今度行って見ようか…その場所に…」

「…そうね」

 そんな話をしていると、兄が部屋に入って来た。

「ジン!アリア!もうすぐで到着だ…」

 最果ての地はもうすぐ目の前…




「到着しました…」
「彼らは?」
「まだの様です…」
「良し!急がせるぞ!!」
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。