ダンジョンから戻って来た。リリと別れ、俺とベルはギルドへ向かっている。
「しかし、サポーターかぁ」
「それな。まぁ、実際必要なんじゃね?魔石取り出すの上手かったし。………俺なんかよりよっぽど役立ってたじゃん」
「そんなことないよ。ウラだってずっとタゲ取ってくれてたじゃない」
「………ボコボコにタコ殴りにされてただけだけどな」
「盾越しだし、盾越しじゃなくて殴られても痛くないんでしょ?」
「まぁ、うん。……なんつーか、痛みが感じれなさ過ぎて自分が怖いんだけどな」
「チッ、羨ましいスキルだこと」
「今舌打ちした?」
「でも、今日はリリにはセクハラしなかったじゃない」
「………確かに。なぁ、もしかして俺のスキルって消えてる……?」
「さ、さぁ?」
「よし、早くギルドに行こうぜ!試す!」
「あ、ウラ!そんなに走ると……!」
走り始めた直後、俺は盛大に足につまずいた。前にゴロンゴロンと転がりながらギルドの入り口に突入した。目の前の冒険者に突っ込み、その冒険者の持ってる剣の先端がケツに突き刺さった。ィギヤァッ‼︎と悲鳴をあげながら垂直に跳ね上がり、天井の電気に顔面をブツけながらイレギュラーにバウンドし、カウンターの奥のエイナさんに突撃した。その結果、俺の顔面はエイナさんの慎ましやかな胸に突っ込んでいた。
「きゃあああああああああ‼︎」
蹴り上げられ、天井を突き抜けて空中に舞い上がった。スキルは消えてない、そう確信した。
………ていうかエイナさんの蹴り、モンスターのより効くんだけどどういうことなの?
1
目を覚ますと、豊穣の女主人の天井だった。どうやら、蹴られてここに運ばれて来たようだ。ファミリアの拠点よりここに運ばれて来る辺り、俺がどこのファミリアなのか間違えられてる可能性がある。というか、この店ファミリアとかじゃないし。
「おい、さっさと起きろカス」
ベートさんに声を掛けられた。
「っせぇな……てかなんでここに俺が?」
「そのままバイトに決まってんだろ」
やだなぁ、鬼だなぁこのバイトのシフト。ていうか、返済はまだなの?
「オラァ、クソガキ!起きたらさっさと働きなぁ‼︎」
「うるせぇババァ‼︎こちとら気絶してて今起きたとこなんだよ殺すぞコラァッ‼︎」
直後、フライパンが顔面に直撃した。
「………お前、バカなの?それともマゾなの?」
「ほっとけ、駄犬」
「お前殺すよほんと」
そんな話をしながら、キッチンに向かった。そういえばベルの奴、途中であのナイフ、リリに取られてたけど大丈夫だったかな。
2
大丈夫じゃなかった。
「ウラアアアアアア‼︎ナイフ落としたああああああ‼︎探すの手伝ってええええええええ‼︎」
「うるせええええええええええ‼︎」
盾を投げつけて店の入り口から追い返した。
「仕事中の人間に何しに来たんだテメェ。邪魔だから今すぐに180°回って帰れ」
「お願いナイフ探すの手伝って‼︎」
「話聞いてた?誰の所為でこんな事になってると思ってるんですかテメェコノヤロー」
「じゃあ探してくれたらお金払うから‼︎少しでも返済手伝うから!」
「よし乗った、すいませーんお金のために頑張って来まーす‼︎」
「あ、コラ待ちなクソガキィッ‼︎」
ミアさんの声を無視して逃げた。