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なんてカッコ悪い考えを振り解こうと頭を振る。
いつの間にか太陽が結構沈んだようだ。少し肌寒く、暗い。
俺は
そして村を少しだけ――10分もしなかったと思う――見たあと、手頃そうな石、というか岩の上に座ってずっとあんなことを考えていたのだ。
ダメだな、センチメンタルになってる。流石にたくさんの人が死んでいる光景は心に衝撃を与えたようだ。まあ吐いたのだから身体にも精神にもよくないものだったのだろう。
――救えたのではないだろうか。
そんな考えが一瞬過る。あんな薄情なことを考えていたのに、自分のことを追い詰めるように思考を変えてしまうところは悪い癖だな。
どこの主人公だと首を掻く。知らない人を助けようとすることは、金や力が必要になってくるのだ。
それに俺が救おうとしたところで、彼らの死は免れなかっただろう。緋の眼を狙っているのは旅団の他にもたくさんいたのだ。それ全てを捌くなんてできない。
眉間に皺を寄せながら考える人のポーズをとっていると、肩を叩かれる。
後ろを振り返ると、
「どうしたの?」
「それはこっちの台詞よ。全然帰ってこないんだもの、何かあったんじゃないかって皆で心配してたのよ」
「ああ、ごめん。考え事をしていた」
「そう……、今日はここに泊まるらしいから燃えそうな物持ってきてって」
「うん、わかった」
「ねえエレニ、何考えてたのかは分からないけど、私はもう大丈夫だから。強くなるまで、幻影旅団には関わらないよ」
「そうしてくれると助かるよ」
でもシプアならすぐにあいつらにも追い付いてしまうんだろう?天使だからね。
それを言うほどバカではないが、眉間に1つ皺が増えた気がする。
「エレニがするなってことはしないよ」
「それも助かる」
なら一生旅団に関わらないでくれ、なんて言えるはずもない。
これを言ったらきっと
「だから、そんな顔しないで」
「そんな顔って?」
「悔しくて泣きそうな顔、あと何かに逃げようとしてる時の顔もしてるね」
「そうかなぁ、自分では分かんないや」
別に双子でもないのに、よく分かっているなと思う。
俺は君から逃げようとしたよ、幻滅したかな?
「ねえシプア、発をこれの復讐に使うようなものにはしないで」
「うん、いいよ。私、そんなこと考えてもなかったけどね」
「ならよかったよ」
シプアは優しいねと言うと、微笑まれた。
今そんな笑顔を向けられても困るのだが。
「体、冷えるね。早く燃やせるもの拾ってこなくちゃね」
「うん」
「じゃあ俺は枝でも拾ってくるからシプアは中に
……」
「ねえ、何から逃げてるの?」
「は?」
シプアは立ち上がって俺の目を真っ直ぐ見詰めてきた。
「……シプアには分からないものから逃げてるんだよ」
「なら私が助けてあげる」
「どうして?怖くないの?」
「怖くないよ、家族を守るんだもん。誇りはするけど怖がるなんてカッコ悪いでしょ」
「カッコ悪いって……、そうだなぁ、未来から逃げてるかな」
「未来……」
「そう、未来。だからシプアは俺を助けられないよ」
「なんで?助けるよ。未来が怖いならエレニが怯えなくてすむように強くなる手助けをするわ。不安ならずっと側にいる。寝れないなら隣で頭を撫でて子守唄を歌うわ。簡単でしょう?」
「……そんな簡単なことじゃないんだけどね」
「そうね、それでも逃げたいんだったら、そんな未来ぶっ壊しちゃえばいいのよ。ドガーンと1発足りなかったら2発、3発って殴っていくの。そうすればほら、壊れてるでしょう?」
「単純に考えるね。それでも特質系かい?」
「今特質系かそうじゃないかなんて関係ないでしょう!お姉ちゃんのアドバイス、役に立つでしょ?」
「そんな単純に考えられるほど、俺はバカではないよ」
でもそうだなぁ、そうやって単純でバカになって考えたら、楽なんだろうなぁ。
うーん……
「うん、よし、決めた。シプア」
「人のこと貶しておいて、なぁに?」
「成り行きに身を任せようと思う」
「はぁ?」
この日から、俺は考えるのを半分放棄したのだった。
連続投稿です。
シプアは強化系なのではないかと思うほど単純な子になって来ています。特質系です。