多分転生したから第一目標:生き残るで頑張る   作:成金黒兎

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ハンター試験
ハンター試験会場


 こんにちは、エレニです。

 あれから四年がたちました。

 

 俺は今、(アクタ)と共に例の定食屋に来ている。

 そう、ハンター試験会場があるあの店だ。

 中はいたって普通の定食屋で、肉の焼ける音にお腹が減ってくる。

 

「アクタ、お腹すいたな」

「あれほど朝食を食べろと言ったでしょう。あと隠、今は解いててください、注文するとき困ります」

「お兄ちゃんに敬語使うなって言ってんだろ、距離感じてさみしい」

「死ね、消えろ」

「酷い」

 

 そんな茶番をしながら前に並んでいる人を見る。

 どうやら何にするか悩んでいるようで、うんうん唸っている。おい、そこ邪魔だろ退けよ。退いてから考えろ。

 

「お客さん、まだかね」

「生姜焼きと海老フライで迷ってる」

「どっちも選らんじまえ」

「いやそれは……うーん、じゃあ生姜焼き定食で」

「はいよ、ちょっと待ってな」

 

 海老フライと聞いて俺の腹が鳴った。それを横目で見た(アクタ)がため息を吐く。なんだその呆れた目は。

 

「お客さん、お待ちどおさま、ご注文は?」

「ステーキ定食二つでお願いします」

 

 そう言いながら(アクタ)がちらりと俺を見る。はいはい分かってるよと言って隠を解く。

 お店の人は少し眉を動かしただけで特に反応はなかった。さみしい。

 

「焼き方は?」

「弱火でじっくり」

「ご飯もつけてください」

「あいよ」

 

 そして通された店の奥には、肉の焼けるいいにおいのするステーキとほかほかのご飯があった。

 お姉さんが「ごゆっくりどうぞ」と言い終える前に席につき、ステーキを食べ始める。旨い。

 

「兄さん、あまりはしたないことはしないでください。あと隠をするならもうした方がいいですよ」

「アクタ、お前はわかってない。俺らは成長期だぞ!たくさん食べないとやっていけないの!成長できないの!」

「ご飯飛ばさないでください!汚い!」

 

 そう言われ殴られる。理不尽な……女子かよ。

 

「早く食べちゃいましょう。こういうところも、もしかしたら見られているかもしれません」

「状況判断もハンターには必要、かと言ってこんなことで落とされたらたまったもんじゃあねぇわな」

「一時も油断してはいけませんよ。どこかに殺人鬼が潜んでいるかもしれません」

 

 殺人鬼というか、うん、奇術師はいるもんね。変態ピエロ。

 食べ終わり、食後の一服と持ってきた水筒から緑茶を飲む。俺らの荷物は遠足かよと突っ込まれるようなものばかり入っている。

 お菓子に、弁当に、水筒。他にも携帯ゲームやボードゲーム、自作TRPGのルルブなどが入っていたりする。

 俺らの持っている鞄は、某青狸のポケットのように、何でも入る――冷蔵機能はないので生物は腐るが――素晴らしい鞄なのだ。

 俺と姉ちゃん(シプア)(アクタ)の共同作業で造られた世界に3つしかない鞄だったりする。

 この3つの鞄は中身を共有して使うことができる。自分のスペースを確保するのは難しいのだが。

 

 鞄の整理――こまめにしないとすぐ無くしものをする――をしていると、目的地に着いたようだ。エレベーターが軽快な音を出して知らせてくる。

 

「ついたな」

「長かったですね。まあこれからが始まりなんですけど」

「おぉう、俺たちの戦いはこれからだ!ってか」

「口を閉じてください」

 

 そして、エレベーターの扉が開かれる。

 こちらを睨む瞳は、まるで親の仇でも見るようで。

 思わず心が震えた。

 

「アクタ、ここ怖いんだけど」

「喋るなアホ、あんたの隠は未完成でしょうに」

 

 身体も少し震えていた。

 

 

 




 まだ着いただけです。
 エレニが落ち着かない子ども(16歳)になってしまったので、アクタを投入しました。

 閲覧、お気にいりありがとうございます。
 これからもよろしくお願いいたします。
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