まさか赤子の身で気絶するとは思っていなかった俺は、次から天使を見ても気絶しない丈夫な心と身体を手に入れようと決断して、先程天使がいた方向を見た。
見ると言っても首を動かすのではなく、目を動かすだけなのだが、天使がそこにいないことはわかった。
おいまて俺の天使をどこにやった。どういうことだ何故いない?これはあれか!天使が天使すぎて神とか言うロリコンが誘拐していったとかそういうオチかオォイ!
ならば俺は早く大きくなって天使のことを助けに行かなくては!そうと決まればまずこの眠たがっている身体をどうにか叩き起こさねばなるまい!
等と思っていると、視線の片隅にあった壁と言う名のドアが開いた。
そしてドアの奥には多分見えないが、親がいるのだろう。夫婦間の会話――控え目に言ってバカップルの会話――が聞こえてきた。
両親だろうが何だろうが言わせて貰う、リア充爆発しろ!
「ああ、ほら見てみなヘレナ。可愛いうちの長男がこちらを見てるよ」
「イアス、あまり煩くしないで。私の子どもが起きちゃうわ、かわいそうでしょう」
「僕の子どもでもあるんだけど!いやでも、確かに燥ぎすぎちゃったね、ごめんなさい」
わかればいいのよ、なんて言ってお母さんだろう女性がこちらにゆっくりと歩いてくる。
お父さんらしき人は部屋の途中で立ち止まってオロオロしている。なんだこの役に立たなそうな父親は。
俺はお母さんの株を1UPさせて、お父さんの株を5ぐらい落とした。俺を攻略するのは大変なのだよ、HAHAHA!
お母さんは俺を産んだ後だからか少し疲れているように見える。こう、体を引き摺ってる感じって言うの?なんて言うの?わかんないけど、何かつらそう!
俺はお母さんのことをガン見していたので、お母さんとバチコーンと目が合う。目と目が合う~瞬間すーきだと、じゃなくて、どうやらお母さんは重たいものを持っているようだ。両腕で大事そうに何かをこちらへ持ってくる。
そして俺の横の小さなベッドにそれを乗せる。
それは、俺よりも少し大きい天使だった。
そう、危うく俺を殺しかけた天使だ。その子が隣のベッドでスヤスヤと寝ている。うちの母は俺を殺そうとしているのだろうか。勿論両親のどちらにも目が行くことなく、俺はずっと隣で寝る小さな命を見ていた。
……可愛い。
「あら、イアス見て、エレニはシプアのことが気になるみたい。ずっと見てるわ」
「ああ、本当だ。……待って今エレニって言った?」
「ええ、この子の名前よ。いい名前でしょう?ビビッと来たわ」
「う、うん、いい名前だとは思うけど、また僕に相談も無しに……」
「それは謝るわ、ごめんなさい」
どうやら天使の名前はシプアというらしい。聞き慣れない名前だなとは思うが、もしかしたらこの世界、というかこの国では普通なのかもしれない。
二人の会話を少し聞きながら隣のシプアを見つめる。うん可愛い。
そんな平和な時を過ごした俺は、嘘寝をしたあと両親が去っていった――父親のイアスが名残惜しそうにこちらを見ていた――のを確認して、そういえばと考える。
ここはファンタジー系への転生なのか前と同じ地球なのか、はたまた漫画やアニメ、ゲームの世界への転生なのかを。
まあ、考えたところで分かりっこないし、どんな世界でも俺がシプアを守ってあげるぞ!と決意して、本当の睡眠へと落ちていったのだった。
思ったより長くなりましたが如何でしたか?
読みやすい小説、読みやすい小説に!と思いながら書いていたら途中から楽しくなっちゃって読みやすさよりもヘレナとイアスの可愛さしか求めていない作者の話する?って感じです。ごめんなさい。
あと、主人公の設定を考えるのに一時間ほど悩んでいたのですが、何とか決まってきました。
このあとも幼少期は続くので頑張って読んで下さいお願いします。
最後にお気にいりとかしていただいてありがとうございます。これからも頑張ります。