リィンリィーンと音がする。
この音が聞こえるってことは、あいつが近くに来ているのだろう。どうにかして撒かなければ、俺は、死ぬ!
リィーン!
走っている俺を嘲笑うかのように、鈴の音が背後で響いた。
エレニです。
ここがHUNTERXHUNTERの世界だとわかったあの日から3年経ちました。
もう9歳だよ9歳!
いやまあ、それは置いといて。
あの日から、色々とあった。
アクタを見ている俺は何かが落ちる音で前を見た。男の首がなかった。
男の首はニタニタ顔のままこちらを見ているし、身体は血を吹き出しながら直立不動だしで本当怖かった。
ゼノさんはお金にならない殺生はしない人だって覚えていたので、俺は殺されないだろうという安心感から、気絶した。
俺の気絶癖はどうにかならんのだろうか。
「知らない天井だ」
なんて言って起きたが、周囲を見渡し自分が寝ている場所がこども部屋だとわかった。全然知ってる天井だった。
その後の経緯をシプアに聞いたところ、ゼノさんがシプアのことを気に入り、修行をつけてもらえることになったと言った。
金にならないこと、しないんじゃねぇのかよ……!と思ったけれど顔には出さず、良かったねぇ頑張れ!と応援しておいた。
アクタも助けてくれるようで、一端連れていったと言われた。
貴方本当にゾルディック?と言いたくなるような、その流れ。裏があるのはわかるが何をしたいのかわからないこの不気味さ。流石ゾルディック、俺は混乱した。
そして両親に叱られたり、母からクルタ族のことを聞かされたり。
どうやら母はクルタ族だったようで、村に迷いこんだ父に一目惚れし、家族と父の反対を押切り結婚したのだそうだ。強引すぎる。
よく見れば母はクラピカに似ていないこともなかったので、素直に納得――緋の眼も見してもらった――したし、母が母の妹との文通が連絡手段らしいのだが、途絶えていないことから、まだ旅団が村を襲っていないことも確認できた。
クルタ族のこともまた今度じっくり考えようと思う。旅団から助けることはできないだろうけど、一度ちゃんと考えないと、ずっともやもやしそうだし。
シプアの修行は辛いらしく、山に置き去りにされたんだぁと笑顔で語ってきたときにはゾルディック家に抗議を送ろうと思ったぐらいである。
勿論怖くてやめた。あとシプアが楽しそうだったので、いいかなぁって。
父の研究も終わったし、シプアもゾルディック家から森の中の往復はめんどくさいだろうと言うことで――シプアは修行になるから丁度いいのにと言っていたが――、俺たち家族は普通の街に引っ越した。
さて、冒頭に戻ろう。
「はぁ、はっぁ、ぜぇぜぇ」
俺は全速力で走っている。背後で響く鈴の音を聞きながら、もういつ止まっても可笑しくない足を動かして、駆ける駆ける。
俺を追いかけているのは鈴がついている首輪をした、
捕まったら何をされるのかわからない恐怖――流石に暴力を振るわれることはないと思うが――と、この3年間の修行で少し性格が歪んだシプアが「ふク、ククク」と笑いながら緋の眼を開眼して追いかけてくる恐怖で俺は冷や汗を流しながら頑張っている。
――出口までに捕まらなかったら俺の勝ち、なんてルールさえ忘れるこの追い駆けっこ。涙を流しながら前を見ると光が見えてきた。
そこには希望があった。その希望に安心したからだろう、俺は木の根に躓いた。
「クふふ、つーかまーえたー」
ハートマークがついているような声を聞いたあと、俺の肩にシプアの手が置かれた。
こうして俺の修行一日目は終わったのだった。
シプアの性格が歪みました。
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これからも精進していきますのでよろしくお願いいたします。
サブタイトル変えました。内容変えてたの忘れてた……。