新・平成ライダー創世記   作:ニーソマン

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大変遅くなりました

気付けばエクゼイド丸々経由しちゃってましたね…


就活その他諸々で存在を完全に忘れて居ました
ようやく生活も落ち着いたのでマイペースに続けていこうと思います。


今後とも時代は2016年
パンドラボックスも空いてないしゼロデイも迎えて居ません
神も出てきませんので悪しからず…


では、お楽しみください


参:不器用な戦士と笑顔の戦士2

突如目の前に現れる、仮面ライダーアギト、津上翔一。

 

あまりの出来事に、目を見開き言葉を詰まらせる

チームぶきっちょ。

 

 

「…どうか、しましたか?」

何が起きているか分かっていない翔一。

 

 

「なんで此処に居るんですか…」

ようやく正気に戻った氷川が口を開く。

 

「いやぁ、お店潰しちゃいまして。」

まるで他人事のように言葉を紡ぐ翔一。

「知世子さんのご好意で住み込みで働いてるんですよ」

 

 

「こんな事ってあるんですね…」

驚きと呆れの間に揺れる後藤が話に入る。

 

世間とはつくづく狭いモノである。

 

 

 

 

 

 

「もしかして、僕に御用ですか?」

微笑を崩さない翔一。

 

「…今はお仕事に戻って下さい。落ち着いたらこちらに来てください」

こんな時でも意外と冷静な氷川。

翔一には振り回され慣れたのだろう。

 

「分かりました。じゃあすぐスプーン、持ってきますね。」

小走りで立ち去る翔一。

 

 

 

 

その後、すぐに木製のスプーンが届けられ、食事を楽しむ3人。

店内は今からピークであろう。

知世子と翔一が忙しそうに店内を駆け回っている。

 

翔一の事情を比奈とタブレット越しの映司に説明すると、

 

『へぇ〜、やっぱり知世子さんは人を見る目、あるなぁ』

とのんきに感心する映司に対し、

 

「そうじゃないと思います…」

呆れる比奈。

 

 

どうやらクスクシエは仮面ライダーの聖地になりつつあるようだ。

 

 

 

 

彼らがそうこうしている内に、

徐々に周囲の机は空き、客も疎らになり始めた。

 

 

「翔一君、後私がやっておくから、お友達の所に行ってきなさい」

「いいんですか?結構洗い物あるみたいですけど…」

「いいのいいの!翔一君、良くやってくれるし。たまには、ね?」

「じゃあ、お言葉に甘えて。」

そう言うとキッチンから制服を脱いだ翔一が氷川たちの座るテーブルに向かう。

 

 

 

 

「お待たせしました」

「待ちましたよ」

「こちらへどうぞ。」

迎え入れる氷川と席を空ける後藤。

 

 

「で、何の話があるんですか?」

 

3人の雰囲気が重くなるのを肌で感じ、顔が引き締まる翔一。

 

 

「実は…ーーーーーーー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一連の説明を聞き終わった翔一は、はじめに見た彼とは全く別人だった。

眉を潜め、真剣な表情で資料に目を通す。

 

「分かりました。協力します。」

資料から視線を上げ、氷川へ向く翔一。

 

「ありがとうございます。」

「ありがとうございます。」

2人はテーブルに手をつき、深い礼をする。

 

「では、当面の活動は…

「1つだけ条件が。」

氷川の言葉を遮る翔一。

 

「…条件?」

「はい、活動拠点をなるべくこのお店にさせて下さい。」

 

何故?と後藤

 

「ここの仕事があるのと、裏の畑の野菜の面倒を見なければならない、のが大きいですね。

お世話になった知世子さんに恩返しもしたいので。」

 

「分かりました。手配しましょう。連絡はこの携帯でします。」

後藤がジュラルミンケースから、携帯端末を取り出し渡す。

 

「すいません、ワガママ言って。」

「いいんです。突然押しかけたのはこちらですし」

頭に手を当てて微笑を浮かべる翔一。

 

「よろしくお願いします。」

右手を差し出し、固い握手を結ぶ。

 

 

「じゃあちょっと事情を千世子さんにーーーー

翔一が厨房へ向かおうと身体を捻ると目の前に黒い影が"居た"

 

 

 

「あ…がッ……」

身体が動かない。

声も出ない。

 

「「強い光は濃い影を生む」」

 

男性とも女性とも大人とも子供とも取れる声で囁く影。

ただ、無感情な声が翔一の脳髄に響き渡る。

そして湯気の様に消える影。

 

「な…に…?」

身体が自由を取り戻すと同時に翔一を極度の疲労が襲う。

額を脂汗が伝う。

 

 

「…どうかしましたか?」

硬直している翔一に後藤が声をかける

 

「今、何かが居ました…」

「なんですって⁉︎」

立ち上がり警戒を強める氷川。

 

「映司くん!?」

同時にタブレットへ叫ぶ比奈。

画面には真っ青な顔をした映司が写っている。

 

「「黒い影が…」」

声が重なる2人。

 

 

「一体何が…」

混乱を隠しきれない後藤。

 

「突然目の前に現れて、強すぎる光は濃い影を生むと…」

「僕に、無欲こそ強欲だと…」

震えた声で2人は語る。

 

 

瞬間、翔一の脳裏には、アギトの宿命が生み出した遺物、

アナザーアギトの姿が浮かび上がる。

与えられた力と

アギトに成れなかった者との戦いが翔一の心を揺さぶる。

 

瞬間、映司の脳裏には、己が欲望が生み出した怪物、

恐竜グリードの姿が浮かぶ。

無欲だからこそ掴んだオーズの力。

強欲だからこそ得られた恐竜メダルの力。

欲望に飲まれた自身の醜い姿が映司のトラウマを刺激する。

 

 

 

 

 

 

 

2人の意識はゆっくりと眠る様に堕ちていくーーーーーー


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