少しずつですけど再開したいと思います
それでは、前回までのあらすじです!
龍爺さんを故郷に連れていくため、ようやく龍の巣への手がかりを掴んだ私達麦わら一味。
そこへ海軍の提督、ネルソン・ロイヤルの艦隊の包囲を受けてしまいます。
しかし水の上ではほぼ敵無しを誇るハルナの前に、ネルソン艦隊は頭だけを残して全て海の藻屑と化していくのでした。
sideナレーション(霧島)
こんにちは、金剛型四番艦、霧島です。今回は私がナレーターを務めさせていただきますね。
提督 ネルソン・ロイヤルの包囲網を自身の能力でいとも簡単に突破したハルナ達一行は最後に残った一隻である、ネルソンの乗る軍艦と対峙していた。
「ぐうぅぅ...ッ!!ゆ、許さん!許さんでおじゃるぞ!野蛮な海賊如きが!よくもワシの艦隊を沈めてくれおってぇ!!」
艦隊を率いるネルソンはそれを見て怒りを滾らせ、その巨体を震わせていた。
「ええい!奴らを叩き落とすでおじゃる!超巨大砲の準備をせい!!」
「はっ!」
ネルソンの支持で近くにいた水兵達が超巨大砲発射の準備を始めていく。
やがて準備が整ったのか、走り回っていた水兵の一人がネルソンの前に報告にやって来る。
「超巨大砲の準備!整いました!」
「ならばすぐ撃てい!奴らの船を叩き潰すでおじゃる!」
その支持を聞き、水兵はすぐ様発射に取り掛かり、前方の海賊船目掛けて発射した。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ちょっ...なんなのよアレ!」
船に迫ってくる超巨大砲弾を見てナミが絶句した声を上げる。
「おぉーっ!でっけえ弾だなぁ...」
「んなこと言ってる場合か!!どうにかしねえとこの船沈められんぞ!!」
「沈む!?そりゃやべぇ!!」
サンジの言葉に呑気に玉を見ていたルフィも慌てて迎撃しようと動き出す。
そんな中、迫りくる砲弾に向けて動き出している者が二人。
「勝手は、ハルナが!許しません!!『
「船には傷一つ付けさせないっぽい!『風遁
迫りくる砲弾に、海水と風で創り出した巨大な壁が形成される。
しかし、砲弾の質量と勢いを阻むことは出来ず。砲弾は壁を突き破り、船へと迫ってきた。
「ダメっぽい!?...ッ!!それなら!もう一回!『風遁 暴風壁』」
再度夕立が風の壁を作り出す。
今度は真正面からではなく、ナナメに形成し、砲弾の軌道を逸らす。
風の流れを利用して、軌道が逸れた砲弾は、船の横スレスレで落ちる。
直後、巨大な上がる水柱と波。高くなる波に船が煽られ船が大きく傾く
「いけません!『
それを防ぐため、ハルナが能力を発動し、上がる波を操り、なんとか横転を阻止する。
「ちょっと!あんなのどう対処すりゃいいのよ!あんなの食らったらひとたまりもないわよ!!!?」
「そう何度も同じ手が通じるとも思えねえ、早いとこあの大砲をなんとかしねえと!」
焦るナミにサンジが賛同する。
「オレに任せろ!!オレの大砲でアイツをぶっ壊してやる!あんな奴にメリー号を壊させてたまるか!!」
そう言うとウソップは大砲の元へと走っていく
「ヘッ、目には目をだ!こっちだって一発目お見舞いしてやる!!」
そうしてメリー号の大砲から一発の砲弾が撃ち出される。
撃ち出された砲弾は、山を描きながら軍艦に向かって飛んでいき......。
軍艦の超巨大砲の砲身の中へと侵入し、超巨大砲の弾を巻き込み大爆発を起こした。
【ボッゴオォォォンッッ】
盛大な爆発音を響かせ超巨大砲の砲身がひしゃげる。
「いよーっし!どんなもんだ!オレが本気になりゃこんなもんよー!!」
「やるじゃないウソップ!!わたしも負けてられないっぽい!!」
夕立がウソップに感化されて艤装を展開して海へと飛び出していく
「ちょっと夕立さん!!......仕方ありません、私も行きます」
一人突っ込んでいった夕立を追って神通も艤装を展開し出ていく。
それを見たネルソン・ロイヤルはギョッとしたように声を上げる。
「なっ...なんなのじゃアイツらは!なぜ船もなしに海の上を走っているのでおじゃる!?」
「わ、わかりません!真っ直ぐこっちに向かって来ます!!」
「えぇい!なんだか分からんが撃てうてぇ!!奴らに近づけさせるでないぞ!!」
二人を近づけさせまいと、ネルソン側も必死で副砲を撃ちまくる。
しかし機動力のある駆逐艦と軽巡洋艦。
そんな珠に当たる訳もなく、着々とその距離を詰めていく。
「そんな見え見えの弾当たらないわ!さあ!最高にステキなパーティーしましょう!!」
「夕立ちゃん、無理しないで。主砲、撃ちます!」
夕立とそれを諌めつつも、同様に艤装から砲撃を繰り出す神通の二つの砲弾が、寸分違わずネルソンの軍艦に吸い込まれるように叩き込まれる。
深海棲艦や鉄製の軍艦ならいざ知らず、木造の船など艦娘の砲撃を食らった時点でただの木偶の坊と化す。
二つの砲弾を受けたネルソン軍艦は瞬く間にその姿を崩壊させていく。
「なっ...何故じゃ!!何故余の軍艦があのような一撃で壊されねばぁ!!むぅぎわらぁぁぁぁッ!!」
そんな最後の絶叫と共にネルソン・ロイヤルはグレーテルと共にその巨体を海へと沈めて行くのだった
◇◆◇◆◇sidechange◆◇◆◇◆
「うっはー!!すっげぇなアレ!夕立のもスゲえけど、ジンツウのもスッゲーぞ!!」
「なんとかなったみたいね...というか、姉さんの然りだけど...ギソウの威力って、並の船には効果絶大ねぇ...」
ネルソン軍艦が沈んで行くのを確認して、ナミと提t...ルフィくんがそんな事を言います。
「そうね...きっと艦隊戦なら負けることは殆ど無いでしょうね」
この世界には深海棲艦も鉄の軍艦も、私の知る限りでは見たことがない。
それならば艤装の砲撃を一撃でも叩き込んでしまえばそれは相手にとって致命傷になります。
あの大きさの軍艦で夕立ちゃんのみの砲撃なら分からないけど、神通さんとの一斉砲撃であれば確実に撃沈し得ることも可能でしょう。
と、そんなことを考えていた時です、突然船が大きく揺れ始めたのです。
「なっなに...?」
「敵の攻撃...はありえねえか、じゃあ今のコレ地震かなにかか?」
私の言葉に返すようにサンジくんが推測を話します。
私たちが訳が分からないでいた時でした。
不意に海の中の景色が変わったと思うや否や、そこには広大な陸地が浮上してきていたのです。
「......グルオオオォォォォオオオオオオッ!!」
それを目にした龍爺さんは不意に立ちあがり、空へ向かって鳴き声をあげ始めました。
「なっ...龍爺が!!!?」
「おいおい、いつの間に動けるようになったんだ?あの爺さん...」
驚くルフィくん達の声が聞こえて来ますね......。
かく言う私も、いきなりのことで頭の理解が追いついてないんですけど......
そんな中、更に驚くべき事態は起こります。
「ん?......おい!向こうになにか見えるぞ!!」
そんなウソップくんの言葉に空を見上げてみます。
するとそこには、空いっぱいの千年龍の大群の姿が!!
「なぁっ...!!!?」
「ウソ...何この数...」
「こんなにいたのか...!?爺さんの仲間達ってのは!!」
「龍爺さん...あなたは一人じゃなかったんですね...」
ウソップくんやナミ達がその光景に呆気に取られています。
「......!!龍爺...ッ!!」
「...............」
嬉しそうに話すアピスちゃんを龍爺さんは今度は一声も鳴かずに見つめます。
「えっ...今までありがとうって...何言ってるの...どうし...」
アピスちゃんがそこまで言いかけたその時でした。
【ズズゥンッ...】
立ち上がった龍爺さんがその巨体が崩れ落ちてしまったのです。
「......ぇ...?龍爺!龍爺!!なんで!!なんでよ!!」
「.........」
崩れ落ちた龍爺さんはピクリとも動きません。
「龍の巣に戻れれば元気になるって言ったじゃない!!なんで!!アレはウソだったの!?」
「...............」
すると龍爺のひとみが微かに開き、アピスちゃんを見つめます。
「えっ...うん...そう...なの?」
「............」
「ホントに?ホントにまた元気な姿を見せてくれるんだよね?」
「............」
「...うん、分かった。なら、私泣かないよ。もう会えないわけじゃないから!」
アピスちゃんのその言葉を聞いて安心したのか、龍爺さんはその瞳を閉じて、動かなくなりました。
「〜〜ッ!!......っ!」
それを見守ったアピスちゃんは必死に泣くのを堪え、浮上してきた大陸に降り立ちます。
「お、おい!アピス!!」
「私達も降りてみましょう」
アピスちゃん達の後を追って私達もその陸地に降り立ちます。
「━━━━━━っ!(ピタッ)」
ズンズン先に進んで行くアピスちゃんが不意にその足を止めました。
疑問に思った私達が、アピスちゃんに近づきその視線の先にあるものを見てみると、そこには一個の卵が孵るところでした。
「...ピギャアッ...ピギャア」
そしてそこから産まれたのは千年龍の子供でした。
その子供は他の千年龍達に囲まれて世話をされています。
そんな中、ふと子龍がアピスちゃんの事を見詰めてきたのです。
「......っ!うん!うん!」
子龍はアピスちゃんに何かを語り掛けてきたようで、アピスちゃんは泣きながら強く頷いていました。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
こうして再開を果たしたアピスちゃんは何か納得したような、覚悟を決めたような表情で戻ってきました。
「アピス、もう大丈夫っぽい?」
「アピスちゃん...」
夕立ちゃんや神通さんが心配そうに問いかけます。
「うん、もう大丈夫!それに、決めたんだ。私は今までご先祖さま達が守ってきたこの龍の巣を、そして千年龍龍達を守っていくって」
その瞳は小さいながらも熱い情熱を秘めているようでした。
そう、まるで私達姉妹のお姉様。金剛型一番艦の金剛お姉様のように......。
「そっか、じゃあここでお別れだな」
「うん、ルフィ達と別れるのは寂しい気もするけど、私も私の役目を果たすよ」
そう言うとアピスちゃんは、今度は私の方を見て言います。
「ルフィっていつも無茶なことしかしないから、ハルナお姉さん、しっかり見守ってあげてね」
「...!えぇ、そうね、アピスちゃん。私がいる限り、ルフィに無茶はさせません。約束です」
そうして私はそんな約束をアピスちゃんと交わしたあと、軍艦島を後にするのでした。
◇◆◇◆◇sidechange◆◇◆◇◆
「行ってしまいましたね...」
私は、島を出ていく一隻の海賊船を見つめながら呟きます。
「ジンツウ姉ちゃん、ホントに行かなくてよかったの?ハルナお姉さん達、知り合いだったんでしょ?」
アピスちゃんが私の様子に気がついて声をかけてきます。
「えぇ、私はこの島を守らなければいけないという役目もあります。それに、無茶をするアピスちゃんを諌めないといけませんから」
「...本当に、それで良いのか?」
「え?」
不意に口を挟んできたのはボクデンさんでした。
ボクデンさんはいつにもなく真剣な眼差しで問いかけてきます。
「本当は彼らと共に行きたかったのじゃろう?ならば行け、アピスの事も村のこともワシらに任せておけ」
「いえ、しかし...」
「そこまで心配しなくてもよい。ワシらだって弱くはないんじゃ、それに、お主はワシの孫みたいなもんじゃ。その孫の希望くらいは叶えてやりたいんじゃよ」
「...!ボクデンさん。ありがとう...ございます」
そう言われてしまったらもう断れないです.....。
「ホレ、急いで行くんじゃよ!お主のアレであれば、まだ彼らに追いつける事じゃろう」
「はい!...今まで、本当にお世話になりました!」
私はペコりと頭を下げ、艤装を展開し、麦わらの一味海賊船の後を追いかけるのでした。
よーっし!ジンツウって新しい仲間も加わってオレたちの冒険もいよいよ面白くなってきそうだ!!
次は今度こそグランドラインに行くぞ!
ん?なんだ?あの山?デッケェ!!
レッドラインを乗り越えろ!いざ乗り込めグランドラインへ!!
海賊王に...オレはなる!