そんな日が来るといいね   作:うさぎのもり

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はじめまして。分かりやすい文章を目指していますが、難しいですね。私は、ボーイズラブが本当に大好きで、ハッピーエンドが大好きです。読んでくださる方に少しでもニッコリして頂きたいです。


第一回

side.Hirotaka.

 

「大丈夫か?」

花園浩貴は、快感のあとの気だるい余韻とまだ整わない息づかいのまま、隣に横たわる栗原翔多に訊いた。

すると、

「・・・・・・大丈夫じゃないっ。めっちゃ痛いー」

半ば枕に顔を埋めたままで翔多の大きな瞳が、浩貴を睨んでくる。

「なんかさー、浩貴、回を重ねるごとに遠慮なくなってきてない? あんまり激しくされると明日の体育にこたえるだろー。もー、キスマークもいっぱいつけてくれちゃって。うう」

「・・・あー、うん、ごめんな」

浩貴とて、愛を確かめあうこの行為が、翔多の体に少なからずの負担をかけていることは、重々承知しているつもりだ。だが、一旦行為に及んでしまうと、それはそこ、ヤリタイ盛りの高校生だ。恋人を求めて心も体も加速していき、とめられない。

普通の親友同士であった頃が、とても遠い昔のことのように浩貴には感じられる。実際は二人が一線を越え、恋人関係になってから、数ヶ月ほどしか経っていないのだが。

「だいたいさー、オレのほうが下っていうか、女役なのは、なんで?」

翔多が怠そうにベッドに半身を起こして、浩貴と目線を合わせてくる。翔多の瞳は吸い込まれそうなくらい澄んでいて、大きく愛くるしい。首筋に胸元に、浩貴が刻んだキスの跡が艶かしい。

「それは、やっぱり翔多のほうが・・・可愛いから、さ」

口に出して言うのは少々照れくさいが、それが事実なのだからしかたないと浩貴は思う。

そうなのだ、本当に翔多はとても可愛い。モデルか売れっ子アイドルかというくらい、彼は容姿端麗だ。

バンビのような黒目がちの瞳、鼻は小ぶりで形良く。唇はふっくらとさくらんぼのよう。できすぎた一つひとつのパーツが、女の子みたいになめらかで、小さな顔に

これまた理想的に配置されている。

ほんの少し明るめの茶色に染めた髪は、まったくクセがなくサラサラとしていて、天使の輪もくっきり。

もしも神さまが人間を創ったのならば、翔多はまさしく最高傑作だろう。恋人のひいき目を差し引いたとしてもだ。

しかし、浩貴のそんな褒め言葉に、翔多はふくれっ面を見せる。

「あのさ、浩貴。男に゛可愛い゛てのは褒め言葉じゃないわよー。オレから見れば、浩貴のほうが綺麗だと思うけどな」

「ええ? いや、オレは目も切れ長だし・・・」

「・・・この本によれば、普通は背の低いほうが女役になってるみたい。まあ、オレより浩貴のほうがちょぴっとだけ身長は高いし、肩幅とかもあるよねー。オレが下なのが妥当なんかなー?」

「ちょっ・・・、なんだよっ? その本!」

いったいどこから取り出したのか、翔多は一冊の漫画雑誌をパラパラとめくっている。浩貴はその雑誌をひったくると、ページをめくった。

キラキラした、少女漫画特有の繊細な絵柄のイケメンたちが、激しいベッドシーンを繰り広げている。かなりハードなセックスの描写は、男性向け成人雑誌も顔負けだ。それなのに、あくまでも絵柄は繊細なタッチで、いかにも女の子が好みそうなそれである。

「な、なんだよっ? この本っ。少女漫画なのにホモ!?」

「ありゃ、浩貴、知らないの? BL・・・ボーイズラブ。男同士の恋愛をあつかった漫画とか小説とか映画とか」

「・・・・・・」

浩貴も聞いたことはあった。だが、実物を見るのは初めてだ。

「その漫画は隣の席のエンドウキョウコさんが貸してくれたんだ。んでさ、オレと浩貴が二人でいるとホモくさいんだって。女の子って結構鋭いよねー」

「・・・はは・・・」

どういう反応をすれば良いのか分からず、力なく笑うしかない。

―――でも・・・。

「翔多・・・」

「えっ? ・・・んっ・・・」

浩貴は漫画雑誌を放り投げると、翔多をベッドに押し倒した。自分の、どちらかと言うと薄い唇で翔多のそれをふさいだ。強引に舌を差し入れ、絡ませる。翔多の形のいい眉が少し苦しげに寄せられる。でも、それは一瞬のこと。すぐに恋人同士の呼吸は淫らな音をたてて混ざり合う。

浩貴の中で、もう一度翔多を抱きたい衝動が込み上げてくる。

自分の体を淫らにまさぐり始めた浩貴の手に、翔多があえぎながらも拒絶の意を示す。

「ダメ、だよ・・・、浩貴、おまえのお父さん、帰ってくる、だろ?」

・・・そうだった・・・。

浩貴は、はあ・・・と小さな溜息を洩らしてから翔多の体を解放してやった。

ゆっくりとした動作で、翔多がベッドの下のカーペットに脱ぎ散らかした制服を拾い、身につけていく。

浩貴はベッドから降り、クローゼットの中から適当なトレーナーとジーンズを出し、身につけた。

週の半ばの水曜日。今日は、浩貴の弟で小学校五年生の光基は友達の誕生日のパーティーに行っている。明日が学校の創立記念日なので、そのまま友人宅へ泊まってくると言う。そんなわけで、浩貴の父親が会社から帰宅するまでの時間、ベッドで思う存分愛を交わしていたのだ。

愛する人との逢瀬の時間は瞬く間に過ぎてしまう。

浩貴が柄にもなく詩的な思いに浸っていると、玄関の鍵が開く音がした。

 

浩貴の家庭は、八年前に母親が病気で他界したため、現在は、父親の浩、長男で高校二年の浩貴、次男の光基の男三人所帯である。家事は、食事は料理が趣味である長男が担当し、掃除、洗濯は当番制でこなしている。父親が仕事で残業の時などは浩貴が料理を担当することもある。もっとも、ものすごく不評だが。

「今日は翔多くんが来るって、浩貴から聞いてたんで、晩御飯、すき焼きにしたよー。肉も奮発したから沢山食べてってくれよー」

「はいっ! ありがとうございます、おじさん」

ニコニコと満面の笑みを浮かべて、翔多は浩貴の父親に答えている。その顔色が少し青い。

―――やっぱ、さっきはちょっと無茶しすぎたかな。学校から帰ってきて、すぐに押し倒しちゃったもんなぁ。

浩貴が、恋人の体を気づかい、少々罪悪感を感じていると、

「おい、浩貴、なにボーッとしてんだ。そこのお皿とってくれ。あと、ネギを洗って、それから・・・」

息子と、その親友の本当の関係など露ほども知らない父親が、次々と手伝いを命じてくる。

翔多はというと、言われるまでもなくテーブルにランチョンマットを敷いたりして、細々と手伝いをしている。その姿が愛らしい小動物みたいで、自然と浩貴の口元がほころぶ。

翔多って、そこにいるだけで、場が明るく柔らかなものになるっていうかさ・・・、不思議なやつ。

 




ほとんどお話としては進んでいませんが、すいません。なにぶん、初心者なもので。スマートホンでキーを打つのがすごく難しいです。誤字脱字も沢山あるかもしれませんが、大目に見てください。
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