口調性格にはかなり悩みましたが、原作セリフを色々読み込んだり考察したりした結果こう落ち着きました。
異論多々あるでしょうがお見逃しを~
席について暫く経つと、飲み物を持ったさとりさんが入ってきた。
「すみません。お待たせしました。」
そう言いながら、それぞれの席へ飲み物を配り、席に着く。
「さとり様ー! ご飯ですかー!?」
そこへ、元気に叫びながら飛び込んできたのは、頭に大きな緑のリボンをつけた、黒髪の女の子。
右手が筒…?の様になっているのが特徴的だ。
この人がお空かな?筒状の右手は何なんだろうか…。
「うん?誰だ!そこのお前!」
お空が俺を右手の筒で指差す。
すると、その筒の先に、目で見てわかるほどの濃いエネルギーが溜め込まれていく。
さとりさんをちらっと見てみると、わたわたと慌てた様子でこちらを交互に見ていた。
…まぁ確かに、お空からみたら主と一緒にいる俺は不審者も良いところなのかもしれないなぁ。
……いや、でもお燐から説明を受けていなかったのか?
そんなことを考えてるうちにエネルギーはどんどん膨れ上がって行く。
これが放たれたら、俺事周囲一帯を吹き飛ばすんじゃないか…?
因みに、さとりさんはわたわたとこちらを…
あ、両手を振り上げた。
――バン!
乾いた音が鳴り響く。
さとりさんが机を両手で叩き、立ち上がった音だ。
「こらっ!お空!やめなさい!
さとりさんに一喝されたお空が、びくっと身体を震わせエネルギーを四散させる。
「貴方はどうしていつも軽はずみな行動をするんですか!
私が同席を認めている時点で、攻撃して良い相手の筈がないでしょう!」
さとりさんに叱責され、しゅんとなるお空。
さっきまで俺に殺意バリバリだったとは思えないなぁ…。
「萃儀さん!あなたもですよ!!」
お空が反省しているのを確認したさとりさんは、俺に矛先を移す。
「『え?俺?』じゃないです!
自分が標的にされているのに何を呑気な事考えているんですかっ!?」
えー。だって。
「『さとりさんが止めるだろうなと思ったから』貴方は馬鹿ですか!止めるって言う保証がどこにあるんですか!?」
まくしたてるさとりさん。
えー……。
「『えー』ではありません!
挙句の果てに、何を悠長に私を観察してたんですかっ!
慌てる姿がそんなにおかしかったですかっ!?」
さ、流石心を読む妖怪なだけあってばれてたか…。
いやでもあれは、おかしかったと言うより…
「なっ。か、かわっ…!
……もう良いです…。」
顔を更に赤くして、説教を諦め座り込んでしまった。
…しまったな。読まれるってわかってたはずなのについ考えちゃったよ……。
これは更に怒らせたかな…?
俺がさとりさんの様子を見つめていると、
「お空!あたいをおいていかないでおくれよっ!」
お空を呼びに行っていたお燐が飛び込んできた。
大方、ご飯と聞いて飛んで行ったお空において行かれたんだろうな…。
お燐は部屋に入るなり、面食らったかのように硬直する。
少し、客観的に今の様子を考えてみようか。
まず、さとりさんを見つめている俺。
俺に見詰められながら顔を赤くして黙って俯いているさとりさん。
矛先が急に俺に向いた上、さとりさんが黙り込んでしまったので困っている様子のお空。
うーん。これは誤解を招きそうだ…。
お燐は硬直から復帰すると静かにお空に歩み寄り、肩に手を乗せる。
「お空。蚊帳の外で辛かったねぇ。」
「「いや、それは違うから(違いますから)」
同情するようにつぶやくお燐に対して、二人の声が唱和した。
その後、俺が怒られているところに不用意な発言をしたせいで更に怒らせてしまっていたのだと説明し――何故か理不尽にもさとりさんには睨まれたが――そもそもの原因はお空であることも伝えた。
それを聞いたお燐が、やはりかという様にため息をつき、『とりあえず、冷める前に食べましょう。』というさとりさんの提言でひとまず食事を開始することになった。
「んー!やっぱりさとり様のハンバーグ美味しい!」
席に着くなり真っ先に食べ始めたお空が満面の笑みを浮かべる。
それにつられて自分の分を切り分け、口に入れる。
「――美味しいですよ!」
何だろう、上手く表現はできないんだが、とにかく美味しい。
「さとりさん、これ、店開いてもやっていけるんじゃないですか!?」
「そんな…買いかぶり過ぎですよ。」
照れたようにはにかむさとりさん。
「あたいも、店できると思いますよー!」
「もう…お燐まで……ありがとうございます。」
実際、この地霊殿の広い食堂を使って、料理店みたいなものを出すってのも悪くない気がする。
使ってない食堂を使えるし…
まぁ、色々準備があるだろうし簡単にはいかないだろうけど。
「…では、おちついたことですし自己紹介しましょうか。
私とお燐は既に済んでいますので、萃儀さんとお空、お願いします。」
「じゃあ、俺から。
俺は、萃儀。出自も能力も全てわからない状態で意識が戻り、あてもなく歩いていたら萃香と勇儀に拾われてね。名前を授けて貰った上で、ここまで案内してもらった。
俺はこの名前を一生誇りに思って生きていこうと思ってる。」
「ほぉ~、お兄さんの名前にはそんな理由があったんだね~。」
お燐が感心するように頷く。
そういえば、名乗っただけで詳しい自己紹介はしてなかったかな。
「私は霊烏路 空。お空って呼んで。
右手の筒は、加奈子様が下さった「核融合を操る能力」を制御するための棒よ。
さとり様とお燐のためならなんだってする。」
そう宣言するお空からは、しっかりと強い意志が感じられた。
恐らくだけど、さとりさんやお燐を大切に思ってはいるが、持ち前の記憶力のせいで良く空回るという感じだろうか。
「さっきはいきなり能力を向けてすまなかったよ。
どうにも、種族柄、記憶能力と思い込みが酷くてねぇ。」
バツが悪そうに苦笑するお空。
こうして謝ってくることからも、悪い人(鳥?)ではなさそうだ。
「いや、俺は初めから気にしてないし問題ないよ。」
俺がそう答えると、お空はにこっと笑う。
「そう言ってもらえると助かるわ。
ここに住むんでしょ?色々面倒かけるとは思うけれど、よろしくね。」
「ああ、こちらこそ。」
握手のために右手を差し出し、数秒後慌てて手を変えるあたり、やっぱりどこか抜けてるんだろうなぁと再認識することにはなったが、予想以上に話の通じる相手で良かった。
その後は食事しつつ、明日以降のことについて確認したり、例の地底異変とやらの話を聞いたりして過ごした。
まだ一日しか過ごしていないが、結構打ち解けられたんじゃないかなぁと思う。
明日以降は、地霊殿での仕事を手伝いつつも、自分のことも考えていかないといけない。
いつまでも居候ってわけにもいかないからね。
あとは、異変の話の時にでてきた、「スペルカードルール」。
俺の記憶には一切無かったのだが、どうもこれがこの場所での決闘方法らしい。
簡単に言えば、殺傷の可能性を極力抑え、美しさを重視し、弱い者も強い者に勝つ可能性が出るようにされた決闘ということらしいが、これについても追々考えていかなければならないだろう。
スペルカードを考えるというのは純粋に楽しそうなので、楽しみでもある。
明日は真っ先にこれを考えようかな?
わからなければさとりさんに聞けば良いだろう。