「はぁ、今日は散々だったな」
男子禁制の場所には行かなきゃ行けなかったし、クリンさんには逃げられちゃうし、それ追いかけていっぱい走ったし、結局目的達成できなかったし。
「疲れたな、寝るか」
そう言って寝ようとしたところでいきなり戸が開いた。そして、そこに現れたのは―。
「ク、クリンさん!?」
布も纏っていないクリンさんが僕の部屋に入ってきた。そして、目をうるうるさせながら、
「ごめんなさい、迷惑かけて、だからお詫びに...」
なんて言って近づいて来る。絹のように白い肌にところどころ薄い桃色の花が咲き乱れ、頬を朱色に染めて―。ダメだあんまり見ると理性が保てない。
「や、やめてください!迷惑なんかかかってませんから!」
「どうしてそんなに拒否するんですか?私のこと嫌いだからですか?」
「そんな事は―」
「なら、良かった!ご主人様恥ずかしいんですね?なら、私がしてあげます。」
そう言って僕に尻尾を巻き付け動けなくし、僕の上にまたがってきた。そして、丁寧に1枚1枚服を脱がされて僕も生まれたままの姿になってしまった。
「ご主人様に、僕の初めて...あげる...」
「ちょ、考え直してください!」
「じゃあ、入れるね...」
そう言って腰をおろすクリンさんは...震えていた。顔を見ればとても辛そうな表情をしている。
「クリン...さん?」
「...!ごめんなさい、今入れるから―」
「やめてください!お互いに望まないことをする必要がどこにあるんですか!」
「え?、だってお詫びしないと―」
「そのお詫びが必要無いことなんです!」
「そんなに僕のことが―」
「好きです!クリンさんのことは好きなんです!だからこそ望まない行為なんてしたくないんです!だってクリンさん...震えてるじゃないですか...」
「...僕怖いの。ご主人様に捨てられるのが。突然やって来て居候させて貰ってるのに迷惑ばかりかけて、決してご主人様の役立ってるわけでもない。だからいつ捨てられるか怖いの。」
「...何言ってるですか?捨てるわけがないでしょう!今日河川敷でも言ったとおり僕達は家族なんです!離れようにも離れられない関係なんです!だから...だからそんなに悲しいこと言わないでください!」
気がつけば僕もクリンさんも泣いていた。そう、僕達は家族なんだ。悲しい時も嬉しい時も辛い時もいつもそばにいる存在。それが家族なんだ。
「あー!」
「!...ご主人様?」
「もう疲れたし寝ましょうか」
「...うん!」
そう言って僕はクリンさんを抱きしめて布団に入り目を閉じて眠りにつくことにした。僕が眠りに落ちる寸前にクリンさんが言った
「おやすみなさい、最高のご主人様、、、大好き、」
「何でクリンとダーリンが裸で抱き合いながら寝てるのよ!」
「待って!ミーアさん話せばわかる!」
んぅ?何か朝から騒がしいな。そういえば何でご主人様の部屋に...あっ、思い出した。僕がお詫びをしに行ったんだ。そして色々あって一緒に寝たんだっけ?
「あ、クリンさん起きましたか?早く誤解を解いてください!」
「クリン!どうなの!」
何についてそんなに言い合っているのかわからないからなんとも言いようが...あっそういえば昨日のご主人様は―
「凄く...激しかったです...」
「ちょっ、クリンさん!?」
「ふーん、ダーリンちょっとこっち来てくれる?」
凄いオーラを放っているミーアさんにご主人様が連れて行かれた。何か悪いことでもしたのかな?まあいいや。
「クリンも後から覚悟しときなさい」
「はい?!」
今日は忙しい1日になりそう。
「なーんだ。そう言うことだったのね。朝の状況とクリンの発言からてっきり...」
「そう言うことなんです。わかってもらえたなら...」
「何を勘違いしていたかはわからなかったけどよかった。」
そう言って仲良く話しているとチャイムが鳴った。
「はーい!」
ご主人様が玄関を開けるとそこには中年のおじさんがいた。
「ギン...ギンようやく会えた!」
「あのー、どちら様でしょうか?」
「ほら!行くぞ!ギン!」
「え?ご、ご主人様?!誰ですかあなたは!離して!」
おじさんが僕のことを無理やり連れて行こうと手を掴んで引っ張ってくる。そこで異常に気づいたミーアさんが来てくれた。
「?!何してんよ!あんた、クリンを離しなさい!」
「いてっ!ちっ、クソが!」
ミーアさんの尻尾攻撃によって解放された僕は威嚇体制になっておじさんを睨む。そこで僕はあることに気づいた。
「あ!この人、前ニュースに出てた!確か...異種族さらいの指名手配犯...!?」
「そのとおり。バレちゃしょうがねぇ。ほら動くな、動いたらこのナイフをあの男に向け投げる。」
そう言って指名手配犯は1番近いご主人様にナイフを向ける。この状況ではミーアさんも動けないみたいだ。
「ほら、銀色のねぇちゃん早く来いよ。来ねぇとあの兄ちゃんがどうなるかわかるだろう?」
僕にこっちに来るように指名手配犯が手招きをする。ここは狼の瞬発力と強靭な爪を最大限に生かし―
「そうだそのま―」ガキィン
「な、何!?」
指名手配犯のナイフを爪で弾き飛ばし、指名手配犯の首に爪を突き立てる。
「舐めないで欲しいな。こんな姿だけど僕狼なんだよー。さぁ、大人しくお縄について貰おうか?」
「は、はぃ!」
「今日はクリンさんの活躍を祝って焼肉パーティーです!」
「クリン良くやったわ!あんたがあいつのナイフを飛ばした時は叫びたいぐらいすっきりしたわ。」
「流石狼が種族なだけあるな。私ともお手合わせ願いたい。」
「やっきにくぅ、やっきにくぅ!」
指名手配犯を捕まえたおかげでお金が手に入り、そのお金で焼肉パーティーをすることになった。僕に関しては賞状まで貰えた。
「クリンさん、お手柄でしたよ!警官の人たちも感謝してましたよ!」
「感謝されてもね。僕はただご主人様を守るために動いただけなのに。」
「つまり、【愛の力】ってことね。」
「ちょ、ミーアさん?」
「うん!だからご主人様?今夜も一緒に寝てください。」
「クリン...私たちのいる前で...」
「今夜も?どういう事だ?主殿。」
「一緒に寝る?楽しい?」
「セントレアさん、これには深い訳が...」
「問答無用!覚悟!」
「ちょっと、落ち着きなさい!」
「餅つき、餅つき!」
なんだか騒がしくなってきたな。お肉も食べたし、先にお風呂入ってこよう。そう思い僕はお風呂に足を進めた。そうして脱衣場で服を脱いでいてふと思い出した。
「そういえば来た初日に、ご主人様とばったりここで会ったんだっけ?あれは―」
「ハァハァ、...!!クリン、さん...」
「そう、こんな感じに」
「すいません!まさかいるとは、って何か初日にもこんなことしましたね。」
「そうだよ、何でまた同じことを...てか、鼻血出して倒れなくたったってことは僕の裸に対する耐性が高くなったね。」
「ま、まぁ。あんなに普段から見てると耐性ぐらいつきますよ。」
「つまり、ご主人様は僕の裸をそんなに見てると...」
「あ!ごめんなさい!いつも...」
「いいよ、別にご主人様なら」
「それはどういう―」
「ここにいていいの?こんなところミーアとかに見られたら―」
「ダーリン!どこにいるの!」
「やばい、急がないと!失礼しました!」
そう言ってご主人様が脱衣場から出ていく。そして脱衣場には静寂が訪れる。
「もー、ご主人様のえっち」
脱衣場には1人の恋する乙女が残された。
こちらはKENZENな小説になりますのであまり性的な描写は出来ませんでした。
スライム好きな方すいません。次回出ますので少々お待ちを...