渋谷としまむら   作:Luigi Bloom

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またしてもうづりん成分がうっすいです。ごめんなさい。

しぶりん、みおあい、あんきら、だりみくが恋バナをします。

完全に寄り道というか書きたいものを書いてしまったので、
こんな世界線もあればいいな、ぐらいで読んでいただけるとよろしいかなと思います。


渋谷と恋バナ

 事務所のアイドル数人が集まった休憩室。レッスンやら仕事やら、それぞれの待ち時間、空き時間に集まってもらっていた。未央、きらりの上に杏、李衣菜、みくの五人だ。っていうか自然ときらりの膝の上に座ってるのはどうなの、杏。

「で、しぶりん、相談って?」

「えと、変なこと聞くんだけど……みんな、その……付き合ってるんだよね?恋人として」

「改めて言われると照れちゃうな~」

 なはは、と笑う未央だけど素で照れているのがバレバレだった。

「ちゃっちゃと本題に入ってよ~杏帰りたいんだけど」

 なんて言いながらも結局付き合ってくれるの、確か比奈が言ってた……そう、ツンデレだ。

「じゃあ単刀直入に聞くね。えっと……みんな、キスはした?」

 未央と李衣菜は真っ赤になって顔を逸らして、きらりは「うきゃー……」と湯気を出す。みくと杏は私の相談内容を察したみたいで苦笑いしていた。

「なるほど、凛ちゃんは卯月ちゃんに『Kiss me chu chu chu chu chu lip♪』ってこと?」

 それで間違いはないんだけど、無駄に恥ずかしい言い方をしないでよ。っていうか自分の歌すら歌いたがらない杏のTulipって、かなり貴重なんじゃない?

「まぁそういうことなんだけど……あと単純にみんなはどうなんだろう、って」

 つまり恋バナってやつだ。全員が探りあうように、それぞれの視線が泳いでいる。

「初めて……キス、したとき。どうだった?」

 

 

 

 一番に口火を切ったのは、未央だった。

「ま、まぁしぶりんのためだし……あーちゃんには内緒ね?」

 

――

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 未央と藍子の場合

 

 私たちの時は、付き合い始めた日が初めてだったよね。あの日は、あーちゃんがお散歩付き合ってーって言うから、二人でお散歩したんだ。

 ゆったりカフェ巡りしたあと、夕暮れの中二人で腹ごなしがてらに公園を歩いてたんだけどね。なんだかんだで結構歩いたし、ちょっと座ろうかってなったんだよ。ちょっと高い丘みたいになってるところだったんだけど、景色が見える以外は木に囲まれてて人が少なくって……。

「んーっ!さすが、あーちゃんは良いお店知ってるね」

「私も大好きなお店だったから、喜んでもらえてよかった」

 その頃には、私たちもお互いどう思ってるかなんとなくわかってたからね。なんか自然と距離も近くなってそういう雰囲気になってきたんだ。

「未央ちゃん、知ってる?」

「ん?」

「美味しい食べ物とか素敵なお店とか、見つけると教えてあげたくなることあるでしょ」

「あーあるある!私もそういうのあるとすぐあーちゃんに言っちゃうもん!」

「うぇっ!?」

 あの時のあーちゃんの顔、可愛かったなぁ……すごい真っ赤になって動揺してたよ。

「なにそのリアクション……なんかまずいこと言った?」

「えっと……えへへ」

「なんだよう」

「あのね、そういうのを一番最初に言いたくなっちゃう人が、自分が恋してる人なんだって」

 多分この時の私も真っ赤だったと思う。自分であーちゃんに、って言っちゃったのがもう好きって言ってるようなもんだったし、あーちゃんもそれで嬉しそうにするんだもん。

「私も一番に、未央ちゃんに言っちゃう」

 もう夕日に照らされてるのにすぐわかるぐらい顔が真っ赤で、いやそれは私も一緒だったんだけど。とにかく胸がいっぱいになっちゃった。

 で、そのままどっちからともなく……ね。

 

 

 

――――――

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――

 

 半分ぐらい開き直ってるっぽい未央が冷たいお茶を飲み込んでいる。火照りも一緒にまとめて無理矢理飲み込んでるみたいだった。

「さ、参考になったかな!?」

「うん、未央と藍子が結構なバカップルなのはわかった」

「んなぁっ!?」

 また一気に顔が真っ赤になった。冷たいお茶淹れてあげるね。

 

 

 

「んーじゃ次はみくが話してやるにゃ!」

 もしかしてだけど、みく意外と乗り気?

「ねぇみくちゃん……めっちゃ恥ずかしいんだけど……」

「それを耐えぬいてこそロックにゃ!」

「な、なるほど……頑張るよ!」

 ぼそっと「チョロすぎにゃ」って言ってるの、李衣菜は聞こえてたのかな。

 

――

――――

――――――

 

 

 

 みくと李衣菜の場合

 

 

 みくたちはユニットのこともあるからね、結構どっちかの家にお泊りすることが多いの。ちなみにこの時はまだ付き合ったりとかはしてないにゃ。

 確かあの時は……そうにゃ。普通に遅くまでレッスンがあったから、李衣菜チャンを寮に泊めてあげたんだった。

「李衣菜ちゃーん?夕飯どうしよっか?私お腹すいちゃった」

 

「えっちょっと待ってちょっと待って」

「なんにゃ、凛チャン」

「今の誰?」

「みくに決まってるでしょ」

「みく!?『にゃ』は!?猫キャラはどうしたの!?」

「この時のみくはオフモードにゃ」

「オフモード……そっかごめん、どうぞ続けて」

 

 わかったにゃ。で、結局疲れちゃって夕飯作ったりする元気も無かったから、出来合いモノを買ってきたの。まぁそこはどうでもいいんだけどね、夕飯食べていつもどおり一緒にお風呂に入ったのにゃ。

「はふー……あったかー」

「みくちゃん、身体洗ってあげるからおいでー」

「ありがとー」

 

「えっちょっと待ってちょっと待って」

「なんにゃ、凛チャン」

「一緒にお風呂入ってるの?」

「入ってるよ?」

「付き合ってないのに?身体まで洗うの?」

「女の子同士だし、なにもおかしなことは無いにゃ」

「無いんだ……ごめん、どうぞ続けて」

 

 わかったにゃ。で、いつもどおり体を洗ってもらってたんだけど、李衣菜チャンがいつもと様子が違っててね、妙に後ろから抱きついてきたりして、くっついてきたの。

 

 あーもう!李衣菜チャン、あーあーうるさいにゃ!今みくがしゃべってるの!

 

 でね、ボディソープでぬるぬるしてるし、そんな状態でくっつかれちゃったら、その……そういう気分になっちゃうでしょ?それでみくもちょっと乗り気になっちゃって、逆に李衣菜チャンを洗ってあげたのにゃ。手に石鹸つけて、直接ね。

「どう、李衣菜チャン、気持ちいい……?」

「んぁ、あうぅ……みくぅ……」

 あんまり物欲しそうな顔するから、思わずそのまま……しちゃったのにゃ。

 

 

 

――――――

――――

――

 

 

「しちゃったって……キスの話だよね?」

「……ご想像にお任せしますにゃ」

 意味深すぎる。後学のために聞きたい気もするけど、今は深く掘り下げるのはやめとこう。

「聞いた私が言うのもアレだけどさ、ずいぶん色々と話してくれたね」

「あの状態の李衣菜チャン、可愛くて面白いから好きなのにゃ」

 その李衣菜は「あー!あー!」って叫びながら床で悶えている。なんかこんなパフォーマンスしてるバンドいた気がするし、ある意味今までで一番ロックかもしれない。世界はこれを愛と呼んでるんだよ、きっと。

 よくわからないドヤ顔をするみくの横にひょこ、と杏が顔を出してくる。

「まぁ、みくちゃんも誰かに惚気けたかったんだよね。杏も気持ちはわからないでもないよ~」

「ち、違うにゃ!……ううー…」

 うわ、図星な顔してる。そういうことなんだね……みくも可愛いところあるなあ。

 

 

 

 さて、最後に杏ときらりだけど、さっきからずっと頭から湯気出してるきらりに小さい声で「大丈夫?話して平気?」って優しく確認取ってるのを、私は見逃さなかった。

「結局みんな、自分の恋人の可愛さを語りたいってやつだよね。それじゃ杏も話しちゃおうかな」

 きらりの膝の上で抱っこされたまま、杏は話し始める。

 

――

――――

――――――

 

 

 

 杏ときらりの場合

 

 杏たちはもう付き合ってる時だったなぁ。うちもよく二人で杏の部屋にいるから、一緒にいるのは割といつもなんだよ。最早きらりはうちに住んでるんじゃないの?ってぐらい。

 んで、その時はなんとなーくテレビ見てたんだけど、ちょうどみりあちゃんが出ててね。かわいいなーって話をしてたの。

「天真爛漫ってこういうのを言うんだろうねぇ」

「そうだにぃ……みりあちゃんは、ほんっとーに!いい子なんだよぉ☆」

「性格良し、器量よしかー。将来が楽しみだね。うーん十年後ぐらいに嫁にしたい」

「杏ちゃん、なんだかおじさんみたいだよぉ?」

 で、多分これは杏の考えすぎだと思うんだけど、この時にみりあちゃんばっかり褒めてたからきらりが拗ねてるような気がしたんだよ。

「まぁ、杏からしたら一番可愛いのはいつでもきらりなんだけどね。ご機嫌取りのつもりじゃないんだけど、本音っていうか、そういうのもわかっといてほしいなあって……」

「にょわっ!?……うぇへへ☆ありがと、杏ちゃんっ」

「ちょっ……きらり……苦しい…」

 締め上げられ……じゃなくて抱きしめられてる杏の背骨とかミシミシいってたと思う。ちょっと綺麗な川とお花畑見えてたし。

「うぇへへ……☆」

 杏も照れくさいこと言っちゃった変なテンションもあって、今だ!ってね。ずずいっと。

「ん……ふぁ、あ、杏ちゃん……?」

「嫌だった?」

「い、嫌じゃないけど、にょわ……にょわーっ!」

 そのまま杏をほっぽり出してトイレに逃げ込んで二時間ぐらいは出てこなかったよ。

 しかもその日は一日中目が合うたびに逸らされてたしね。

 

 

 

――――――

――――

――

 

「今日ずっと思ってたんだけど、杏だけじゃなくてみんな自分の恋人のことになると性格変わりすぎじゃない?」

 少なくとも語り手側だった未央とみくと杏は恥ずかしそうではあったけど、喋ってる間すごい楽しそうだった気がするし。ついでに聞いてる方も満更でもないように見えたし。

「凛ちゃんには言われたくないよ……」

 でも湯気が出てるきらりを撫でながら、の杏に言われるのも違う気がする。私は卯月の事になると盲目になるらしいし、どっちもどっちってやつかな。

 

「みんななんだかんだで、話したかったし聞きたかったんだにゃ。凛チャンが言い出すまではみくたちもなんとなく避けてた話題だったし」

 お互い恋人同士なのは知ってたけど、詳しいことは話さなかった感じなのかな。

「で、しぶりん、なんか参考になる話はあった?」

「そうだよ!私たちがこんなに恥ずかしい思いしてまで話したんだから、頑張ってね!」

「いや、李衣菜チャンはほとんどあーあー唸ってただけだにゃ」

 あ、この流れ読めた気がする。

「なにおぅ!?」

「なんにゃ!!」

「解さ」

「李衣菜、みく、今日はそういうのいいから」

「「あっはい……」にゃ」

 

 さて、話をまとめてみよう。

 まず未央と藍子は、いいムードになって、流れで……って感じかな。思わずキスしちゃうぐらいのムードを作ればいいんだよね。

 みくと李衣菜は……ちょっとアレかな。完全に発情期じゃんあの二人。……まぁ覚えといて損はないよね、うん。いつかは『そういうコト』もするわけだしね、うん。うん。

 杏ときらりも近い感じだけど、相手が好きすぎて我慢できなくなったんだよね、きっと。ムードと衝動の両方かな。

 なるほど、つまり……

「ねぇ、なんかしぶりんがブツブツ言いながらメモ取ってるんだけど……」

「普通にこわいにゃ」

「恋は盲目、だよぉ☆」

 言いたい放題されてる気がするけど、気にしないことにした。

「そういえば、近いうちに花火大会なかった?」

 花火大会?

「李衣菜、それ本当?」

「うわ反応はやっ……ここから割と近くで、確か再来週だったかな?」

 再来週か。卯月は休みだった気がするけど、私は休みだったっけな?

「いいね、今日の李衣菜は最高にロックだよ」

「ロックとはなんだったのにゃ……」

「よくわかんないけど、李衣菜なら喜んでくれるかなって」

「私だってそこまで馬鹿じゃないよ!?」

 ……それはどうだろう。微妙なところだと思うけど、言わないでおこう。

「まぁまぁまぁ、とりあえず凛ちゃんの予定では、花火大会に勝負を仕掛けるの?」

 仲裁するように杏が割り込んでくる。めんどくさがりなようで上手く空気を調整するよね。

「うん、そのつもり」

 花火ならムードも作れそうだし、何より浴衣も見られそうだし。卯月のことだからきっと花火よりも綺麗で輝く大輪の花を咲かせてくれるんだろう。目に焼き付けなきゃね。あ、カメラ買ったほうがいいかな?でもカメラ見てる時間あったら少しでも卯月を直接見たほうがいいかも。

「しぶりーん顔緩んでるよー」

 おっと。きりっとした表情を作る。

 

「んじゃ、解散かな。あー仕事の時よりしゃべったかも……」

「杏ちゃんもみんなも、お疲れさまだにぃ☆」

「ありがとね杏、きらり」

 右手で手を振って、左手で杏を担いできらりが帰っていく。あの光景、きらりじゃなかったら拉致でもされてるみたい……。

「ちゃんとどうなったか教えてね~」

「がんばるにゃー」

「うん、李衣菜とみくも、解散しないようにね」

「「それは(李衣菜チャン・みくちゃん)次第」にゃ」

 ほんとにあの二人は仲がいいのか悪いのか、わかんないね。

「未央は?もう帰るの?」

「いや、私は……」

 言いよどみながら未央がスケジュールボードに目をやる。

「なるほど、藍子の仕事が終わるまでもうちょっとなのね。じゃあ私も帰るよ、やることいっぱいできたし。ありがとね、未央」

 

「いやいや!未央ちゃんはいつでもしぶりんとしまむーの幸せを祈ってるからね!」

 

 

 ……また恥ずかしい言い方を。

 楽しいデートになったら、縁日でみんなにおみやげでも買って帰ろう。

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