「……」
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「美保鎮守府NOW」(みほ10)
第10話:<宿所へ>
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艦娘たちが夕食を終えた頃を見計らったように庶務課の女性職員が来て提督たちに敬礼をした。
「今夜の宿所についてご案内します。完全消灯は22:00ですが皆さんは来賓扱いですので過剰に光や音を出さなければ特にこれに従うことはございません」
それを聞いて少し安堵したような艦娘たち……そういえばブルネイは訓練生以外は、そこまでギチギチでなかったな。
「提督は専用の来賓室、他の皆さんは申し訳ないのですが女性隊員用の宿舎に寝具を運びましたので、そちらでお休み下さい。場所は追ってご案内いたします」
「質問ぉん」
いきなり金剛が手を上げる。
「どうぞ」
「テートクの妻ですけど同室はできませンか?」
いきなりそこを聞くかと提督は思った。当然女性職員は驚いている。金剛の気持ちは分かるが、ここは通常の部隊でありしかも陸軍だ。自重しろよ。
「えっと……」
女性職員は返答に窮している。提督が何かを言いかけたとき金剛は言った。
「あ、別に良いデス。私も他のみんなと一緒に寝るから」
てっきり金剛は駄々をこねるかと思った提督は少し意外だった。
「……って、良いのか? お前は」
思わず聞いてしまった。
「ウン、お互い急だったもンね」
「ああ、まぁそうだよな」
二人の間には妙に乾燥した笑いが起こった。
金剛だって一応、戦艦だから、このくらいの配慮は出来て当然なのだろうけど。ケッコンしてからコイツも少しずつ成長しているのだろうな。提督はそう思った。だがその時、金剛が少しニタニタしているのを彼は見逃した。
「陸軍の航空隊にも女性が居るんだね」
川内が何となく言う。青葉が受ける。
「でも最近はどの軍も艦娘でなくても、一般の女性隊員の比率は上がっていますよ」
すると女性職員がうなづいた。
「はい。10年以上前から陸軍でも女性の入隊希望者は増えていますから、ここでも割合が増えています。でも訓練メニューは女性だからと言って男女の区別はありません」
なぜか急に誇らしい表情になった職員。そこは陸軍も主張したいポイントだろう。
「でも身体は女性ですから、宿所は完全に分かれています。ですから皆さんにも他の女性隊員は居りますが男性は居ませんからご安心下さい」
やがて現役の隊員らしき女性が入ってきて敬礼をした。陸軍の軍服が決まっている。艦娘たちは反射的に敬礼をした。
「女性の方の宿所をご案内致します!」
金剛は言った。
「じゃdarling、いったん宿所へ行くね」
「ああ、だがもう解散で良いぞ?」
すると彼女は妙な表情をして言った。
「darling、どうせ寝る前にタバコ吸うよね?」
「まぁな……だから?」
それには応えず彼女はケリーやPOLAに宿所のことを英語で話しているようだった。訝(いぶか)しがる提督を尻目になぜか金剛はそそくさと行ってしまった。
「何だ? ありゃ」
だが提督はあまり気にも留めず、残った女性職員の案内で宿所へと向かった。廊下で提督は職員に聞いた。
「うちの機長と無線手も同じ宿所かな?」
「いえ、お二人は機体で休むからと固辞されまして……」
「そうか」
機長の鑑だなと彼は思った。職員は続ける。
「今は陸軍も喫煙所以外はすべて禁煙です。灰皿は正面玄関脇の休憩室のみとなっています」
「ああ、分かった」
金剛の言っていたことはこれかな? と思いながら提督は宿所に入った。
来賓室とはいえ、ここは訓練部隊だから、さほど豪華ではない。極めて質素な室内。提督で大将という位置があれば基本的には一定水準以上の宿所があてがわれる事が多いのだが今回は急であり、しかも陸軍だ。
だが提督は不平は抱かなかった。むしろ時にはこういった最前線的な環境も悪くはないと思うのだった。それは艦娘たちも同じように感じて貰えたら良いなと思ったその瞬間。
急に屋外が騒がしくなった。何となく金剛たちの声が聞こえる。おいおい陸軍の訓練隊で騒ぎを起こすなよと提督は慌てて窓を開けた。
だがそこに展開されている光景を見て彼はわが目を疑った。
「……」
しかも先頭は金剛だった。これは喜んで良いのか注意すべきなのか?
さすがの提督も久しぶりに絶句した。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
(ごません様とのコラボ企画作品)
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ10」とは
「美保鎮守府:第拾部」の略称です。