「美保鎮守府NOW」(第10部)   作:しろっこ

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提督はついに美保空軍基地で、懐かしい美保司令と出会った。


第14話:<美保で再会>

「それにしても美保司令……懐かしいな」

 

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「美保鎮守府NOW」(みほ10)

 第14話:<美保で再会>

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 だが金剛は窓の外を見ながら嬉々として言った。

 

「見てくだサーイ、アクロバット飛行デース」

 

 確かによく見ると艦娘サイズの戦闘機は大空に白い航跡を描きながら編隊を組んで海の上を縦横無尽に飛んでいた。それを見てケリーも言う。

 

「ホッとした、私たちを歓迎しているようだね」

 

だが提督は思った。操縦しているのは多分妖精さんだろう。曲芸飛行も凄いけど……

 

「あれはジェットだろ? 今のうちの艦娘たちでジェット戦闘機を扱える者が居たか?」

 

金剛が振り返る。

 

「じぇっと?」

 

「だから前にも言ったが今の艦娘ではジェット機の発着は出来ないはずだ? 美保にはジェットに対応する何かがあるんだろうか?」

 

提督の言葉に青葉が言う。

 

「でも美保鎮守府は設立当初から実験隊の色合いが濃いですから新兵器があってもおかしくないですよね」

 

 何だかいつものキレが無くて調子狂うぞ青葉……提督は内心思った。すると金剛が叫ぶ。

 

「ホラ、きっとあれが美保鎮守府ね! ちっちゃいね」

 

 彼女が指差した右手の窓の向こうに見える埋立地に赤いレンガの建物があった。埠頭や倉庫も確認できるから、あそこで間違いないのだろう。

 

それは金剛の言う通り小さな鎮守府だった。逆に、あんな場所で良く頑張っているなと感心もした。

 

 輸送機が大きな半島に差し掛かると直ぐに砂浜と松林を越えて滑走路が見えた。これが美保空軍基地だろう。風は相変わらず強いが機長は輸送機を上手く着陸させた。

 

「ついたネ」

「はぁーっ」

 

艦娘たちもベルトを外して背伸びをしたり身体をひねっている。着陸後、数分間滑走路を走った輸送機は格納庫の前に停止した。やはり小さな滑走路だと移動も速い。

機体には外からタラップが取り付けられ合図と共にハッチが開けられる。

 

念のため、ということもあるのだろう。「私が先に……」と言いつつ川内が様子見も兼ねて真っ先にタラップへ向かった。直ぐに「OK、大丈夫だよ」という声が外から響く。提督たちも腰を上げて機外へと出た。

 

 美保の気候は初夏。ブルネイやフィリピンほど暑くはないが湿気は多い。美保空軍基地は、さすがにフィリピンの米軍基地よりは小さいが知覧よりは大きい感じだ。

 

 提督がタラップの上に立つと格納庫前には数名の空軍士官に交じって海軍の白い制服を着た男が立っているのが目に入った。

 

 何となく見覚えがある男……彼に間違いないと提督は確信した。しかも彼は律儀に白い手袋まではめて、まるで不知火だ。

 

 そう思ってよく見ると彼の横には正にその『不知火』が並んで居た。思わず提督は噴き出しかけたが……あれ? と思った。その『不知火』だが、髪の毛の色が微妙に違う。不知火って群青色の髪だっけ? しかも微妙に顔つきが違う感じもする。

 

 提督の後ろのブルネイの艦娘たちもその『不知火』に気付いたようで少しざわついている。まあ細かいことはいいや……と提督はタラップを降りた。だがなぜか不必要に緊張した。おまけに彼の側に行くまで、こんなに時間が長く感じるのか? それは久しぶりの感覚だった。緊張しているのか? まさか……。

 

 実はその美保の司令を挟んだ『不知火』の反対側には『茶髪の艦娘』がいた。この娘は、どことなく大井に似ていたが、やはり微妙に顔つきが違った。提督は、この艦娘のことも後で聞きたいと思った。それはブルネイの艦娘たちも同じらしい。

 

 それは置いておいて提督は彼に近づいた。

 

「ブルネイの金城大将だ」

「美保鎮守府総司令、美保尊大将です」

 

お互い敬礼後、二人は硬く握手をした。

 

「久しぶりだな?」

「ええ、こっちの時間では10年以上経っていますけど」

 

 お互いに笑った。まるでタイムカプセルから出てきたみたいだ。ただ提督はふと『それだけじゃない……時間を隔てた同一人物のはずだが微妙な違和感がある』と思った。何だろうか? この妙に『何かが抜け落ちた』ような感覚は。それでも提督は取りあえず話しかけた。

 

「そうか、お前もついに大将か」

「ええ、でも貴方のことは以前と同じく『大将』と呼ばせてください」

 

それを聞いて提督はちょっと安堵した。

 

「はは、謙遜なのは昔どおりだな」

「そうですね」

 

バカ丁寧な話し方も腰の低い雰囲気も変わらない。やっぱり本人か。美保鎮守府の美保……あれ? そこで提督はハタと気づいた。

 

「『美保』って……お前の名前だったのか? 皆が『美保司令』って呼ぶからオレはてっきり地名を含んだ敬称かと思ってたぞ」

 

彼は『またか』といった感じで肩をすくめながら応える。

 

「いや、もう気にしてません。むしろ女性に間違われる方が苦笑しますね」

 

彼の名前は意外なサプライズだった。でも提督は彼の肩に手を当てて明るく言った。

 

「それにしても美保司令……ホントに懐かしいな」

 

 当たり前だが彼は齢を重ねた。視力は落ちていないらしくメガネはかけてないがシワや白髪が増えて貫禄が増したな。あの、おどおどしていた若い青年がそれなりに変わるものだ。

 

 しかし相手が歳を取ってオレは変わらない。少し複雑な気分だ。まあそれを言ったら艦娘たちも、基本的には齢を重ねず変わらないものだが。ただ彼は齢を重ねながらも腹が出ていないのはさすがというべきか。

 

 その後、空軍の士官たちとも挨拶を交わして、いったん基地内の応接室へ向かうことになった。

 さっき感じた妙な不自然さは、タイムスリップという特殊な事情があったからかな? と、提督は自分を納得させていた。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
(ごません様とのコラボ企画作品)
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ10」とは
「美保鎮守府:第拾部」の略称です。
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