「美保鎮守府NOW」(第10部)   作:しろっこ

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空軍基地で簡単なブリーフィングが行われる。そこで紐解かれる空白の歴史だった。


第15話:<武蔵との関係>

「実は武蔵が加勢したので」

 

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「美保鎮守府NOW」(みほ10)

 第15話:<武蔵との関係>

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 最初は基地内の応接室で空軍司令と美保司令、それに金城提督での簡単な打ち合わせという話だったが、美保司令の意向で場所を会議室へ移して艦娘たちも全員交えてのブリーフィングという形になった。

 

 美保司令によれば同じ部隊の隊員同士は情報を共有化すべきであるとの希望によるものだった。金城提督は『なるほど、そういう考え方もあるか』と思った。

 

 最初は二人の司令と提督が改めて全体に自己紹介をした。その後、金城提督が話を切り出した。

 

「今回の訪問は海軍の元帥閣下の差し金なんだが……美保鎮守府はここで一体何をやっているんだ? さっきのジェットとかも驚いたが」

 

それを聞いた美保司令は微笑んだ。

 

「そうですね。美保鎮守府は創設の目的がもともと艦娘の実験部隊でした。その伝統を引き継いでいると考えてください」

 

提督は半信半疑だったが聞いてみた。

 

「あのジェット機は艦娘サイズか?」

「はい。まだ実験中ですが」

 

提督は驚いたが美保の空軍司令は既に知っているらしく頷いていた。

 

「開発者は夕張が?」

「はい。彼女を中心に数名と、あと外部からも知恵を入れてますね」

 

提督は腕を組んで窓の外を見た。

 

「まあ……今は資料も簡単に集まる時代だ。環境さえ整えば新兵器の開発も不可能ではないだろうけどな」

「そうですね」

 

そういえばいつの間にかジェット機はどこかへ行ってしまったようだ。

提督はさらに聞いてみた。

 

「そうは言っても知識だけでは到底あそこまでは造れないだろう?」

 

彼の質問に美保司令は頷いた。

 

「はい。実は一度、米空軍が美保でジェット機のデモ飛行を行ってくれたんですよ」

 

それを聞いて驚く提督。

 

「ええ? 米軍がわざわざここまで来たのか?」

 

美保司令は空軍司令をチラッと見た。彼も頷いている。

 

「はい。呼んだのは美保の空軍で、私たちはそれに立ち会わせて貰ったのです。その機体を見ていた夕張たちが半年くらい試行錯誤して何とかテスト飛行までこぎつけました」

「美保って施設も予算も小さいだろ? 良くやっているよな」

 

提督が突っ込むと美保司令は頷く。

 

「後で本省から開発予算が付きましたけどね。それまでは持ち出しばかりで実に大変でした。うちの大淀さんが倹約上手で助かりますよ」

「へえ」

 

これを聞いたブルネイの艦娘たちもお互いに顔を見合わせている。ブルネイの大淀と比べているのだろうかと提督は思った。

美保司令は続ける。

 

「あと米軍の技研や軍用メーカーから担当者が何度かアドバイスに来てくれたのも大きかったです」

 

その言葉に驚く提督。

 

「いつの間にそんなパイプが出来たんだ?」

 

美保司令は過去を思い出すように首を傾げる。

 

「例のブルネイでのアクシデント以後、自分の時代に戻ってから米比、両海軍との繋がりが出来ました。これはその前の演習とシナの攻撃でドイツやイタリア海軍と懇意になったことも大きかったですね」

 

青葉が口を挟む。

 

「あ、それ知ってます」

 

 提督が振り返ると青葉は『提督、話して良いですか?』と言った表情を浮かべたので彼は頷いた。彼女はそれを受けて続ける。

 

「今から15年くらい前でしょうか、当時のブルネイで技研が設立されて艦娘の量産化に成功した頃、突然シナがブルネイへ侵攻してきた事がありました。このとき深海棲艦とシナが共同戦線を張っていたらしいです」

 

金剛は興味津々らしい。

 

「何それ、凄いデスね」

 

彼女の勢いに頷きながらも青葉は続けた。

 

「ちょうどその時、ブルネイ泊地で量産化された艦娘と当時の美保鎮守府の艦娘が共同で戦ってシナと深海棲艦軍を撃退したそうです」

「そのドイツとかイタリアって言うのは?」

 

提督が質問すると、さすがに記憶があやふやになったのか青葉はメモを取り出した。

 

「えっと……公式記録には、はっきり残されていませんがブルネイの古い記者たちに聞いたところ、この戦いには駐在武官と共に視察に来ていたドイツとイタリアの艦娘も加わったらしいです。最終的には参戦したすべての艦娘たちにブルネイ国家勲章が授与されたとかで……これについてはブルネイの公文書館にも受賞者も含めた記録が残ってました」

「へえ」

 

提督もその歴史は知らなかった。よく調べたな青葉。

 

「このとき実は武蔵が加勢したので形勢が逆転したと分析する人も居ました」

「武蔵? 何だそれは」

 

提督が突っ込むと青葉は別のページをめくった。

 

「えっと、当時の武蔵の航海記録にはブルネイへ遠征に行ったことが記されていましたから裏が取れています」

 

すると川内が反応した。

 

「あ、それで……美保司令と武蔵との関係か」

 

彼女は今回、提督が武蔵を連れて来ることを拒んだ内容を思い出したようだ。もちろんその武蔵と、過去の武蔵は違う艦娘だと思われる。

 

 しかしその話を聞いた提督は、時代を超えても結局は武蔵が美保司令の行動に一枚かんで居たのかと改めて悟った。その因縁に驚くと同時に、もはやあの二人は『腐れ縁』なんだろうなと考えるのだった。

 

 そして提督のみならずブルネイの艦娘たちも一番気になって確認したいのが美保司令の後ろに控えめに座っている二人の女性……恐らく艦娘だと思うのだが通称『不知火』と『茶髪』の娘だ。そもそもこの二人は本当に艦娘だろうか?

 

さすがに青葉でも彼女たちの情報は得られなかったようだな。

 

「もう一つ聞いても良いかな?」

 

提督は美保司令の後ろの女性たちを意識しながら切り出した。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
(ごません様とのコラボ企画作品)
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ10」とは
「美保鎮守府:第拾部」の略称です。
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