「美保鎮守府NOW」(第10部)   作:しろっこ

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簡単なブリーフィングが終わっていよいよ出発となるとき、提督は問いかけた。


第16話:<美保空軍と鎮守府>

「お前の後ろに居る女性は艦娘か?」

 

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「美保鎮守府NOW」(みほ10)

 第16話:<美保空軍と鎮守府>

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 金城提督は美保司令に単刀直入に聞いた。

「お前の後ろに居る女性は艦娘か?」

 

 その場に居たブルネイメンバーが想像する答えは、ほぼ『イエス』だろうと誰もが思っていたのだが……意外にも司令は黙ってしまった。

 直ぐに場を取り繕うように彼は腕時計を見て言った。

 

「そろそろ時間ですから、鎮守府へ移動しましょうか」

 

 あ、はぐらかされたな……と提督は思った。恐らく今は詳しく言えない事情があるのだろうか。ブルネイの艦娘たちもやや不穏な雰囲気になっている。

 

「では基地司令、私たちは出発します」

 美保司令は立ち上がるそぶりを見せながら空軍司令に声をかけた。後ろの女性たちも引き上げる準備を始めている。空軍司令は答えた。

 

「アレで行きますよね」

「はい……そのために空港をお借りしましたから」

 

司令は意外にも少し残念そうな顔をした。

 

「また見せてくださいね」

「はい、いつでも喜んで……」

 

 空軍司令は内線を取って連絡する『美保司令が戻られる。滑走路スタンバイ』直ぐに≪了解≫との返答が会った。

 

 提督は彼らの様子や会話を聞いて、美保鎮守府が地元の空軍基地と緊密な協力体制を取っていると感じた。だからこの二人の司令の間では、もはやお互いに一つの組織に近い動きが出来るのだろう。

 その辺りのことも後から聞いてみよう。だが提督と同じことを青葉も感じていたようで、彼女なりにメモ帳に何かを書き込んでいた。

 

 美保司令は立ち上がって言った。

「では皆さん、参りましょう。ここから美保鎮守府は車でも直ぐなのですが今日は特別なものを皆さんにお見せしたくて美保空軍基地に降りて頂きました」

 

 提督を始めブルネイメンバーたちは何となく納得した。やはり美保鎮守府に直接、降りなかった理由があるのだ。

 

 直ぐに美保司令は二人の艦娘らしき女性たちに振り返って何か指示を出した。軽く敬礼をした二人は、いそいそと退出して行く。二人の女性が軍人であることは確かだが、やはり彼女たちが何者なのか気になる。

 そんなに、この場で言えない内容があるのだろうか?

 

 その時、内線が鳴って空軍司令が応答する。直ぐに彼は言った。

 

「ちょっと整備でトラブルが有ったようだ。時間……10分貰えるかな?」

「ああ、構わないよ」

 

美保司令はブルネイメンバーに声を掛けた。

 

「申し訳ない、ちょっと機体のトラブルで出発が遅れそうです。ブリーフィング関連で何か質問があれば簡単に受けましょうか?」

 

 司令の『機体』という言葉に金城提督は引っ掛かった……が、今度は気を利かせて艦娘ではなく別の話題……ジェットの話に戻した。

 

「さっきのジェット機は誰か艦娘が運用しているのか?」

 

ソファに腰をかけた美保司令は答える。

「いえ、艦娘単独ではジェット機の運用は厳しいです。ですから現状は洋上滑走路や空軍の美保空港を併用しているところです」

 

 やはりジェットは無理だよなと提督は思った。美保鎮守府は地元の空軍とも緊密に連携しているようだ。

 ブルネイにも航空隊は整備しつつあるが、自前で航空隊を持つことと空軍と協力していくのと果たしてどちらが良いのだろうか?

 いち指揮官でもある提督は、ふと考えてしまった。

 

美保司令は続ける。

「本格的にジェットを運用するとなるとリアルサイズの空母の検討が必要ですね。ただわが国ではまだそこまでは……あまり詳しく話せませんが今では年に数回、米海軍に協力を要請して太平洋での演習に参加することもあります」

「……」

 

さすがにその内容には度肝を抜かれた。美保司令は続ける。

 

「米軍もそうですが、わが国の陸軍や空軍の海軍への協力体制が大きく変わりました。特にあの『ブルネイの防衛戦』に成功してからは、わが国だけでなく世界の軍隊の見方、特に艦娘への評価が変わったといわれています」

「眠れる獅子が目覚めたか」

 

提督は呟いた。美保提督は微笑んだ。

 

「私は『ブルネイ効果』って呼んでいます。あの一戦からアジアの勢力図が書き換わったとも言われますし。特に艦娘への評価は激変しましたね。お陰で予算や作戦行動も取りやすくなりました」

「そうか……オレは外地だからな。ブルネイじゃいまだに海軍の天下だが」

「まあ、私の方ではかなり時間が流れましたからねえ……」

 

二人で苦笑いした。考えてみたら金城提督と美保司令の間も不思議な関係だろう。

 

 ただ提督は元帥の意図をまだ測りかねていた。今回の美保鎮守府訪問が単なる視察で収まるはずは無い。もちろんこの美保空軍への着陸や謎の女性たちなど、元帥が何かを見せたがっていることは感じる。

 あのジイさんだってモウロクしつつあるとはいえ魑魅魍魎渦巻く軍隊の頂点に立つ男だ。何か目的があるはずだが……また人心を弄ぶように、それをハッキリ言わないところもジイさんらしいと彼は内心苦笑するのだった。

 

「もう少し付き合ってやるか……」

提督が思わず呟くと金剛が突っ込む。

 

「ナニ? darling」

「ああ、オレだって『しっかり受け止めてやるぞ!』ってところかな」

「そうだね……」

 

何かを悟ったのだろう、彼女は提督の腕を掴むと彼の片腕に頭を寄せてきた。

 

 その時、再びプーッと内線が鳴り空軍司令が応答した。

「了解だ……美保司令、スタンバイOKです」

 

美保司令はうなづくと言った。

「皆さん、お待たせしました。美保鎮守府へご案内します」

 

 さあ、いよいよだな。全員、立ち上がった。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
(ごません様とのコラボ企画作品)
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ10」とは
「美保鎮守府:第拾部」の略称です。
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