「美保鎮守府NOW」(第10部)   作:しろっこ

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美保司令の案内で美保鎮守府へ向かうことになったブルネイ一行だったが、時代の流れがここにも。


第17話:<新型機>

「米国製で……オスプレイって言います」

 

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「美保鎮守府NOW」(みほ10)

 第17話:<新型機>

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 会議室から廊下に出て空軍司令を先頭に美保司令、金城提督と続く。廊下を歩きながら提督は美保司令に聞く。

 

「うちにもドイツとかイタリアの艦娘はいるけど、美保にも居るのか?」

「いえ、美保鎮守府はキャパシティが不足しているので、まだですね」

 

……だろうな、と提督は思った。空からチラッと見た限りでも美保鎮守府は正式な『鎮守府』と呼ばれていることが不思議なくらい小さい。何しろ鎮守府にはつき物のガントリークレーンすら見えなかった。要するに本当に艦娘しか所属していないのだろう。

 

「でも今回POLAが来たでしょう? あの娘もイタリアと米国海軍からの要請で受け入れたので日本海軍というわけではないです」

「米国……ああ、そうか。あの子はそっちの所属だったな」

 

返事をしながら提督は思った。美保司令もパッと見は大人しそうなのに精力的に動いているんだなと。小さな鎮守府だけど意外に結果は大きい。

 

「美保は少数精鋭ってところだな」

「ありがとうございます……自分では何もやっているつもりは無いんですけどね」

相変わらず謙遜するよな、美保司令は。

 

 建物の出口で空軍司令がチョッと立ち止まって振り返る。

「牽引車で引っ張れば垂直に出られますけど、どうされますか?」

「時間があまりないよね。ローターは前向きかな?」

「エンジン関係の調整していたようですからその可能性は高いです」

 

美保司令はチラッとブルネイメンバーを振り返りつつ少し考える。

「うーん、……悪いけど格納庫から出るよ」

 

空軍司令は軽く頭を下げる。

「すみませんね」

「いや、こっちこそ」

 

「ではこちらへどうぞ」

空軍司令は滑走路ではなく通路の方へ案内をする。少し歩くと格納庫へ入る。そこにはレシプロ機なんだが妙な機体があった。

 

「変わった機体だな。これも実験機か?」

「いえこれは既に実戦にも投入されている米国製で……オスプレイって言います」

「知らないな」

「でしょうね……わが国でもここが最初かもしれません。まだわが国では米国を快く思わない日本人も少なくないですから。ここが僻地だから導入出来ました。地方ならいろんな対策も講じやすいですし」

 

提督は一回りしてみる。普通の輸送機にしか見えないが。美保司令が言う。

「本来なら垂直で飛ぶ予定でしたが今回は滑走路から出て普通に離陸します。ただ鎮守府には滑走路が無いので、あちらでは垂直に降ります」

「へえ、垂直離着陸機か。そりゃ面白そうだな」

 

美保司令は続ける。

「普通のジェットよりも航続距離が長いので、本土だけでなく離島も含めた広い範囲が作戦行動範囲になります」

「つまり海軍にはうってつけか」

「はい。しかも巡航速度はヘリよりも早い。だから近海なら艦娘を乗せての電撃作戦が可能になりました」

 

それを聞いた青葉が突っ込む。

「これは海軍の機体になるのでしょうか?」

 

美保司令は青葉を見て微笑んだ。

「建前はそうですね。まだ米国海軍からの借り物なので」

 

「え? ……米国の? 良く貸してくれたな」

提督が驚くとケリーが口を挟んだ。

 

「これ、確かうちの……フィリピン米軍の貸与品ですよね」

「ええ? そうなんだ」

 

驚く提督に美保司令は答えた。

「これもブルネイ効果ですね。フィリピン海軍の元帥ともなぜか仲が良くなって。いずれ予算が通れば、美保でも正式に導入する予定です」

「へえ……あ!」

 

親書のことをすっかり忘れていた。

「後で渡すものがあるんだが」

 

美保司令は微笑んだ。

「楽しみにしてます」

 

 機内に乗り込むと意外と定員は多そうだった。無線機の前に見覚えのある艦娘がいた……。

「おお!お前、覚えているぞ……この子えっと……カヨ、だっけ?」

 

寛代は黙ってうなづいた。

「へえ、まだ居たんだなあ。母さんは元気か?」

 

すると彼女は嬉しそうにうなづいた。美保司令は言う。

「この子の母親、よく覚えていましたね」

「忘れるものか、あんな強烈な艦娘」

 

美保司令も苦笑した。

 

提督は言う。

「それはそうと、ここから美保鎮守府は遠いのか?」

「いや、実は近いので車でも良いんですが、せっかくですからデモを兼ねて。でも離陸は普通になってしまいましたけどね」

 

他の艦娘たちも次々とオスプレイに乗り込み着席していく。さっきの謎の女性の一人『不知火』がバイザーを被ったまま機内で座席の案内をしている。

 

提督は聞く。

「あれ? 不知火は操縦できるのか?」

 

すると彼女はちょっと苦笑したように返した。

「私は早苗って言います……よろしく提督」

 

彼はチョッと驚いた。

「ええ?……ああ、やっぱり艦娘だったか?」

「はい、艦娘です」

 

提督はふと思い出したように頭を下げた。

「ごめん、不知火じゃなかったな」

 

でも彼女は恥ずかしそうに笑った。

「雰囲気は似ているとよく言われますけど……」

 

彼女に案内されて提督と美保司令も着席してベルトを締める。司令は説明する。

「これはジェットでないので艦娘の彼女でもリアル運用が出来るのが利点です。結構、この機体を使った災害派遣が多いんですよ。このごろでは隠岐とか、ごくまれに朝鮮半島とかへの海外派遣もありますし」

 

それを聞きながら提督は早苗の顔を改めてみた。

「あれ? 不知火かと思ったけど、よく見ると何となくカヨに似ているような」

 

すると美保司令が笑いながら言った。

「すみませんね、この子は私の娘なんです」

「ええ? お前ケッコンしてたのか?」

 

またまたサプライズである。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
(ごません様とのコラボ企画作品)
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ10」とは
「美保鎮守府:第拾部」の略称です。
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