「美保鎮守府NOW」(第10部)   作:しろっこ

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フィリピンの空軍基地に到着した提督たちだったが滑走路で待たされることになった。



第3話:<滑走路で待機>

「我々はよそ者だからな」

 

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「美保鎮守府NOW」(みほ10)

 第3話:<滑走路で待機>

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 機体は無事にフィリピンの空軍基地へ到着した。青葉は輸送機の窓から盛んにシャッターを切っている。

 

提督は思わず声をかけた。

「おい、適当にして置けよ」

 

「分かってますよ。敵に悟られないように用心していますから」

 

青葉は言った。デジカメに変えてから前にも増して枚数を撮るようになった。

 

「青葉も熱心だよネ」

川内を抱いたまま金剛も言う。その間も輸送機は滑走路を走り続ける。

 

「しかし、いつまで走り続けるんだ?」

「そうですね……」

 

撮影の手を休めて青葉が振り返る。

 

「噂には聞いていましたけど、米空軍の基地って敷地の広さとか滑走路の長さが、わが国の空軍や航空隊とは桁が違うって……」

 

そう言いながら彼女は再び窓の外を見た。

 

「自分が体験してみると、やっぱり凄いですね」

「ああ」

 

提督は思わず、こんな国と良く戦ったものだと思った。今は深海棲艦のことがあるから半ば休戦状態になっている。

そもそも、わが国の空軍も米空軍を参考にして後から創設された経緯がある。

 

「そうそう……」

何かを思い出したように青葉が言う。

 

「例の美保提督ですが、彼のお父さんって元空軍の操縦士らしいですよ」

 

「アー」

いきなり金剛が妙な声を出したので提督はビックリした。

 

「何だ? いきなり」

「そういえば美保の金剛も、そんなこと言ってた」

 

「良く覚えているな」

提督は感心した。

 

「ウン、何となく覚えていた」

 

艦娘とはいえ女性の井戸端会議というのは恐ろしいものだ。世間の噂話というのはこういうところから広がるのか……オレも用心だな。提督は首をすくめた。

 

 滑走路は延々と続いている。まだかな……と思っていると機長は盛んに英語で管制塔と交信している。何やらスクランブルとかストップとか言っている。それを聞いた青葉も急に慌ただしい動きを見せている。

 

「……darling」

金剛が言う。

 

「何だ?」

 

「もしかしたら貴重なものが見られるかもよ」

 

そうか……金剛も青葉も英語が分かるんだよな。

直ぐに機長が振り返る。

 

「時間が掛かって申し訳ないのですが……米軍から緊急出動の編隊と戦闘から戻って来る機体が主要滑走路を使うため、管制塔より私たちに30分ほどこの場での待機命令が出ました」

 

提督は肩をすくめた。

 

「仕方ないね。我々はよそ者だからな」

「はあ」

 

機長も無線手も苦笑している。やがて何処からともなく轟音が響いてきた。

 

「あの音は?」

金剛がキョロキョロする。

 

「あれはね……ジェットって奴ですよ」

さすが青葉、良く知っているな。

 

「何? ソレ」

 

金剛は知らないらしい。提督も少しは知っているので説明する。

 

「米軍が誇る主力戦闘機だろう。とにかく速いし運動性能も桁違いだ。前線への行き帰りが交差するとなれば確かにこれは貴重かも知れないぞ」

 

その間にも腹の底から響くような重低音があたりに響き渡る。一体、何機の編隊なのだろうか?

 

 ただ、いくらたまたまだとは言え、かつて戦った我々の前に米軍は主力戦闘機を惜しげもなくさらけ出すつもりだろうか? あるいは意図的に我々に見せ付ける気か?

 

提督が腕組みをして考えていると

 

「darling」

金剛が声をかけてきた。

 

「眉間にシワ寄せるのは、NOだヨ」

指を立てて、ダメ出しをする。

 

「はい、はい」

 

轟音は更に大きくなる。

 

「ひゃー、ゾクゾクする……鳥肌が立ちますねえ」

青葉が言う。実はそれは提督も同じだった。噂には聞くが、やはり半端無い。

 

 まだ米軍が深海棲艦を撃破したという話は聞かない。それでも米軍の兵器の『大きさ』というものを見せ付けられる思いだった。やはり米軍は我々艦娘部隊に対する『誇示』の意味もあるだろう。彼はそう思うのだった。

 

 もし艦娘が居なければ我々はどうなっていただろうか……ふとそんなことを考えてしまった。

 

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
(ごません様とのコラボ企画作品)
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ10」とは
「美保鎮守府:第拾部」の略称です。
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