「美保鎮守府NOW」(第10部)   作:しろっこ

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フィリピンにある米軍基地に到着した提督たちは、あまりの暑さについ……


第4話:<熱さと衝撃波>

「あの、くれぐれも自重を……」

 

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「美保鎮守府NOW」(みほ10)

 第4話:<熱さと衝撃波>

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 ジェットの轟音が響く中で提督はふと思った。我々は敵対はしていないが米軍基地の滑走路のど真ん中に居る。もし今、空から下りて来る戦闘機が我々をストレートに狙ったらどうなるか?

『あっという間に全滅だよな……』そう思うとゾッとした。

 

 まあ軍令部も話を通しているから、それは無いだろう。とはいえ、この状況は何処と無く真綿で首を絞められるような気分だった。

 

 提督が悶々としていると

 

「ねえdarling」

金剛が声をかける。

 

「何だ」

「暑いよね」

 

それは冷や汗か? ……と思って金剛をよく見ると彼女はリアルに汗をかいていた。

 

「あぁ……」

つい言葉が出た。そういえば彼女は川内を抱っこしているし、この機体にはろくな冷房は付いていない。しかも現在フィリピンの滑走路で立ち往生。おまけに夏の真っ盛りだ。こりゃ暑くない方がおかしいよな。

 

「機長!」

提督は叫んだ。

 

「ハッ」

彼は操縦席から振り返る。

 

「どうせ30分くらいここで足止めだろ? ハッチ開けてもイイよな?」

 

「あ……はい! では私がお開けします」

 

「いやいい、ハッチくらい自分で開けられるさ」

そこで提督は立ち上がって先回りをする。

 

「なあ機長、チョッとくらいなら滑走路に下りても良いだろ?」

 

すると何かを悟った機長は苦笑した。

 

「なるべく目立たないように……出来れば管制官から見えない位置で」

 

「オウ!」

 

提督は親指を立てると「確かに暑苦しいな」と言いつつ上着を脱いだ。それを座席に引っ掛けるとハッチに手をかけてハンドルを回す。

 

 ガバッという感じの音と共にハッチが全開する。

 

一瞬、外の明るさで機内の者たちは目が眩んだ。直ぐ目が慣れると、そこには白い滑走路が広がっていた。開放された空間にはブルネイに似た南国の風が吹き渡り、照りつける太陽は燦々と輝いていた。

 

 滑走路は基本的にフラットだが見れば要所要所に位置を示すライトや南国特有の椰子の木が植えられていて、そこそこ風情があった。

 

 ここはフィリピンだが米軍基地特有の自由な雰囲気が漂う。開いたハッチを吹きぬける滑走路の風は乾燥して爽やか……辺りに響くジェットの轟音を除けば。

 

『おおー』

思わず機内の艦娘たちの歓声が上がる。その声で川内も目を開けた。

 

「あ……」

「Oh! 目覚めたね」

 

金剛と目があった川内は、ちょっと恥ずかしそうな顔をした。直ぐに自分の状況を悟ると慌てて金剛から離れた。そしてハッチから半身乗り出していた提督に向かって頭を下げた。

 

「提督……申し訳ありませんでした」

 

彼は半分滑走路に足を出しかけていたが、直ぐに引っ込めて川内を振り返った。

 

「なぁにイイってことよ」

提督は笑った。川内はホッとした。彼は続けて言った。

 

「それより皆で外に出ようぜ! おい、適当に座るものを出せ! あと食い物あったよな?」

 

矢継ぎ早に命令する提督。艦娘たちはキャッキャとはしゃぎながら折り畳みイスや食べ物、飲料などを手にして次々と滑走路に降り立つ。

 

 機長と無線手はただ、目を丸くしていた。それを尻目に滑走路に出た提督たち。狭い機内から広い空間に出た彼らは大きく背伸びをしたり体を伸ばしたりしている。提督は言った。

 

「おい、どこかにサングラスとかタオルとか、あったよな?」

 

こうなってくるとやりたい放題だ。金剛は言うに及ばず青葉も割と『オトナ』だし……川内だってこういう話は分かるハズ。そんなことを思う提督。

 

 ふと気が付けば誰かがアルコールまで持ち出してしていた。それに気づいた機長が目を白黒させている。

 

「あの、くれぐれも自重を……」

「分かってるって!」

 

「大丈夫、ホドホドにするネ」

「アルコールは、やっぱダメですかね?」

 

「おいおい一応は公務中だから……まぁ一本くらいなら許可しよう」

「イェイ!」

 

……だんだん行動が大胆になってくる。

 

「おい、どうせだから誰か、あそこのヤシノミ取って来いよ!」

 

提督は半分冗談だったのだが

「はい!」

 

罪滅ぼしなのか川内が敬礼し即答するや否や30メートルほど先にある椰子の木へと猛ダッシュ! 直ぐにスルスルと上手に登り始めた。

 

「ほぉ」

 

 もはや管制官から隠れるどころじゃ無い。基地の誰が見ても呆れるだろう……でも良いさ。30分も待たせる方が悪いんだ。ブルネイのメンバーはみなそう思っただろう。

 

 見る間に川内は登り切って数個のヤシノミをもぎ取ると地面に落とした。ガスっガスっ……といった感じでゴロゴロ転がるヤシノミ。そしてスルスルと降りて来た川内は、椰子の根元に落ちたヤシノミを小脇に抱えると輸送機へと戻ってきた。

 

「お待たせ!」

「おうおう、ニンジャはさすがだな?」

「えへへ」

 

川内は舌を出して笑った。彼女が元気になったようで良かった。

 

「夜戦もイイが日差しの下のお前さんもグットだな」

 

 彼女が紅くなったように見えたその時、ジェットの轟音が激しくなりチラッと機影が見えたと思ったら提督たちの頭上を4機編隊の戦闘機が一気に通り抜けた。ドカンという衝撃音が後から彼らを包んだ。

 

「Woo! ジェットかぁ、凄い迫力だネ!」

金剛が耳を塞ぎながら叫ぶ。辺り一面に振動とジェット燃料が燃焼する独特の臭いが漂い突風が吹きぬける。提督は手で太陽を遮りながら機影を追う。そして大声で叫ぶ。

 

「青葉! ……あれが分かるか?」

 

言われた彼女も同じように大声で返す。

「えーっとぉ……多分F15ですね。タイプは良く分かりませんが」

 

「ケッ、オレたちの頭上を通り抜けるたぁ、示威行動だよな……ったく」

 

こうなったら、こっちも好きにさせてもらうぞ! 提督がそう思うと妙に腹が据わってきた。

 

「命令だっ!アルコール、もう一本許可する!」

「よっしゃぁ」

 

ノリが良いのは、なぜか青葉。おいおい大丈夫か?

そのときだった。

 

「さ、SAKE?」

女の子の声がした。

 

「はぁ?」

彼らが振り返ると前髪をたらした外人の少女が立っていた。

 

「え?」

 

何で滑走路のど真ん中に? これは蜃気楼か? 全員が目を疑った。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
(ごません様とのコラボ企画作品)
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ10」とは
「美保鎮守府:第拾部」の略称です。
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