「美保鎮守府NOW」(第10部)   作:しろっこ

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提督たちは、米海軍所属の艦娘と女性武官、それに士官たちと出会う。


第6話:<基地本部>

「darlingのイジワル……」

 

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「美保鎮守府NOW」(みほ10)

 第6話:<基地本部>

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 F16の出撃を興味深く見送る提督と艦娘たちにケリーは言った。

 

「提督と秘書艦の方は先にジープでご案内します。他の方は管制官の指示に従って輸送機で引き続き滑走路を移動してください」

 

POLAの手を取ってジープへ向かう彼女を見ながら提督はしげしげと金剛を振り返って呟いた。

 

「秘書艦……みたいなものか? お前は」

「ナニ? その表情は」

 

美人を目の前にしているからだろうか? 金剛は極めて機嫌が悪い。提督は言い訳っぽく言った。

 

「いや、オレがこのまま彼女と行けばだな、ここの司令たちと話をすることになるだろ? そうなるとムズカシイ話が出るが果たしてお前はどうするかなぁ…… ってな。分かるか?」

 

一瞬ハッとしたが、直ぐに悔しそうな顔をした金剛。やがて観念したように言った。

 

「darlingのイジワル……イイヨ、青葉に行かせて」

 

その台詞を聞いて自分を指差しながら『え? なんで私?』 ……みたいな表情をする青葉。良いんだよ、お前で!

 

 まぁ、こいつだって缶ビール3本は開けているからな。ちょっとヤバイんだけど。それでも英語力と軍事や世界情勢など世情に長けている点を買って秘書艦の振りをしてもらおう。それに……提督は思った。

 

『あのPOLAがやたらと金剛を意識しているのが気になるんだ』

 

 提督と青葉がジープに乗り込む。ケリーはサングラスをかけていた。金髪にグラサン……ゾクゾクするほど似合うな。

 

「飛ばしますからベルトは締めて下さいね」

 

言うが早いか彼女はアクセルをベタ踏みした。何も無いフラットな滑走路を猛スピードで走り出すジープ。

 

「結構、ひっきりなしに離着陸がありますからね。本来滑走路の横断は危ないんです」

 

要するに滑走路は軍用車で走るべき場所ではないのだろう。気がつくと時速は120キロを越えている。それはまた海を往く海軍の人間にも慣れない体験であったため事務所に到着する頃には青葉は恐怖で顔面蒼白になっていた。

 

 しかし提督はPOLAを見ながら、この艦娘はよくそんな危ない滑走路をウロチョロしていたものだよなと思っていた。ひょっとしたらそういう方面の特殊能力があるのか? あるいは単なる呑兵衛か?

 

 ジープが基地本部の建物に到着すると、早速空軍基地の司令部に通された。そこには基地司令とフィリピン海域の作戦司令長官がいた。彼らはいずれもアメリカ人。それに白髪バーコードのフィリピン人の海軍元帥も同席していた。簡単な挨拶の後、コーヒーが出され、ざっくばらんに会話が始まる。

 

 提督はまずは滑走路での非礼を詫びた。だが指揮官たちは意外に笑っていた。彼らは酒盛よりも艦娘の存在自体に興味があるようだ。

 

『何しろあの戦闘機でも太刀打ちできない敵に、艦娘は単独でも対峙できるわけですから……それを束ねる日本海軍は素晴らしい』

 

べた褒めである。青葉が逐次、翻訳してくれるので助かる。もしここに金剛が居てもこんな軍事用語が多発される会話では直ぐに頓挫しただろう。

 

『ご存知のように世界各地で艦娘が出現しています。しかし一番密度が高いのは日本海軍です。艦娘の運用ノウハウなど我々が学ぶべきことは多い。今回、日本海軍に無理を言って我々の艦娘を同行させるのもいろいろな意義があることをご理解下さい』

 

高級将校たちであるから比較的キレイな英語だということは分かる。ただ英会話のヒヤリングテストを受けている気分だ。半分眠くなってきた。たまに気を利かせて青葉が小突いてくれるから助かる。

 

 断片的に『艦娘』とか入るから要するに我々のやり方を研究したいのだということは分かった。最後に白髪のフィリピン海軍元帥が口を開いた。バスの効いた声だ。彼は一通の書簡を机の上に出した。

 

『山陰の美保鎮守府司令への信書を託したい。私からは以上だ』

「ハッ」

 

 そのたったひと言で元帥の艦娘に対する期待と同時に美保鎮守府司令への信頼を感じることが出来た。口数は少ないが、うちの元帥とはまた違った重みのある人物だなと提督は思った。

 

彼がそれ以上に不思議に思ったのは、あの美保司令がなぜ、ここまで米軍の信頼を受けているのか? という点だった。

 

 そもそも帝国海軍は明確な敵対はせずとも米軍と、さほど仲が良い訳でもない。提督の疑問を察したのか青葉が英語で何かを質問する。直ぐに司令が説明をして青葉が何度かうなづいていた。

 

 やがて青葉は提督を見て説明した。

 

「美保司令は過去……自分の時代に戻ったときの防衛戦がきっかけで当時のブルネイ海軍だけでなくフィリピンや米海軍とも懇意になったそうです」

 

「なるほど、それが継続していると?」

 

すると対面の司令官が何かを付け加えたようだ。青葉は応対する。

 

「今では美保鎮守府が日本帝国海軍と米海軍との『出島』になっていると」

 

提督は笑った。

 

「へえ、出島ねえ……」

 

 するとジョークが通じたと思ったのか米国の司令たちも笑顔になった。それまで硬かった場が急に和んだ。

 

 時計を見た司令が長官に何かを言い、彼らが元帥に確認を求めた。元帥がうなづくと長官が青葉に説明をした。彼女は通訳をする。

 

「そろそろ出発の時間です。機長に確認をして必要な燃料の補給と追加の乗員分の食料などは既に積み込んだそうです」

 

 次に司令が何かを言う。ケリーとPOLAという単語は分かった。

 

「同行するケリーとPOLAを呼びます」

 

ドアをノックして彼女たちが部屋に入ってきた。美人勢ぞろいだな。改めてこの場に金剛が居なくてよかったと提督は思うのだった。

 




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※これは「艦これ」の二次創作です。
(ごません様とのコラボ企画作品)
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ10」とは
「美保鎮守府:第拾部」の略称です。
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