「フィリピンの男性ってさぁ意外と優しい……」
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「美保鎮守府NOW」(みほ10)
第7話:<グットラック!>
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司令たちも立ち上がる。
『ではPOLAのこと、よろしくお願いします』
その場に居る全員が敬礼をした。順次、司令室を退出して廊下を歩き出す。
米軍士官の後を歩きながら提督は考えた。
泊地や鎮守府にいると艦娘だらけで男子は圧倒的に少ない。いわゆるハーレム状態だ。しかし一般の軍隊、特に海外の部隊と交流すると突然、野郎の割合が増える。
海外の軍隊に艦娘が増えていけば、いずれ世界の軍隊は女性が牛耳るようになるのだろうか? それは男子にとって吉なのか? 凶なのか? わかんねぇな。
やがて建物から外の滑走路へ出た。日差しが眩しい。米軍司令が自ら案内をする。
『向こうの格納庫前に、輸送機があります。そちらまでどうぞ』
米軍にしては腰の低い士官だなと提督は感じた。もちろん世間では高飛車な指揮官も少なくない……ただ驚いたのはフィリピンの元帥閣下までが自ら見送りに出て来ていることだった。さすがにこれには提督も少々恐縮した。
「おい青葉」
「はい?」
日本語だから誰にも分からないだろうが提督は声を潜めて言った。
「まさかあの元帥閣下も自らオレたちを見送りかい? ちょっと誰かに状況を聞けないか?」
すると提督の後ろを歩いていたケリーが日本語で言う。
「大丈夫ですよ! あの元帥、強面(こわもて)だけど意外と優しいンだから」
この金髪ケリーの口調って顔(美貌)とのギャップがあまりにも大きいから拍子抜けするンだよなと彼は思った。しかも変な日本語で……誰に習ったんだ?
提督は苦笑しながら振り返る。
「そっか。オレにゃあまりにも分不相応なもンでな。ちょいと恐縮しちまうンで」
彼は意図的に砕けた言い方をしてみた。すると彼女も応える。
「それ分かる分かるぅ。でもフィリピンの男性ってさぁ意外と優しい……」
そこまで言ってなぜかケリーは口をつぐんだ。
『どしたの?』
POLAがケリーを心配して何か聞いている。
『うん、何でもない。大丈夫だよPOLA……フフフ』
まあ、いろいろあるんだろ? そう思った提督はそれ以上は突っ込まなかった。
輸送機の前で機長が敬礼している。
「燃料補給と点検、すべて完了いたしました。いつでも出発できます」
「よし、そンじゃ出発だな」
提督と青葉、それに今回からケリーとPOLAが乗り込む。全員が着席したところで機長が残りのエンジンも始動させる。気のせいかエンジンの音が良い。操縦席のそばに座っていた川内が聞く。
「ねえ機長、エンジンの音が違うよね」
彼はうなづいた。
「米軍の整備兵が総出で簡易メンテをしてくれましてね」
「へえ、それだけでもやっぱ違うんだ」
それを聞いた提督も感心した。
「どうしたのdarling?」
金剛が聞いてくる。
「いや、米軍も捨てたもンじゃないな……ってナ」
「フーン」
「捨てられちゃ困るわよ」
いきなりケリーが日本語で割り込んだので金剛が驚いている。ケリーは金剛を見ると英語で追い討ちをかけた。
『私のネイティブは米国英語よ。でも日本語もいけるわ』
『そぉ、ケリーは出来るオンナなンだからぁ』
POLAも英語で加勢する。当然、提督や青葉には良く分からない。まあイングリッシュだのジャパニーズだの言っていることは分かるが。
「ねぇ、見て!」
川内が窓の外を指差す。格納庫の前で敬礼をする士官たちと元帥、それに整備兵やパイロットたちが帽子を振っている。
それはちょっとした感動的な光景だった。
「ホラ捨てたもンじゃないでしょ?」
ケリーはウインクをしながら提督に言う。
「違えねぇな」
そう言いながらも、彼は機内から敬礼をした。それに習って艦娘たちも一斉に敬礼をする。それは良い旅立ちの瞬間だった。
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※これは「艦これ」の二次創作です。
(ごません様とのコラボ企画作品)
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サイトも遅々と整備中~(^_^;)
http://www13.plala.or.jp/shosen/
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PS:「みほ10」とは
「美保鎮守府:第拾部」の略称です。