武道系の部活のゲームで電子パッドを貰えたオレは気分良く歩いていると、木崎がそろそろ昼だなと言いパンフレットを見ながら歩いて行くと、木崎と烏丸はお好み焼き…焼きそば…焼き鳥を、護はハンバーガー…焼きそばを、陽太郎は木崎のお好み焼きを少し分けてもらってお腹がいっぱいになった
「さて、どこに行きますか?」
「そういえば13時から体育館で何かするってあった気がするッスよ?」
「ああ、13時からライブイベントを開くそうだ。そこに行くか?」
他に行く所を決めていなかったから反対意見も無く体育館に向かった
オレたちが着いたころは開始時間を少し過ぎていて観客は多くいた
ステージには衣装や私服に着替えた生徒達がギターやドラムや電子ピアノなどで演奏している、なかにはオレも知っている曲も流れた
「普段は音楽を聴くことなんて殆ど無いんですけどこういうときに聞く音楽はいいもんスね」
「確かに京介の言うとおりだな」
「おれはうるさくてわからないぞ」
子供の陽太郎はイベントとかで聞く音楽は確かに五月蝿いだけだなと思いオレが一緒に外に出ると言い陽太郎と一緒に体育館を出た、オレとしては他にも何が演奏されるのか聴きたかったが
「みみがキンキンするぞ……」
「まぁちょっとだけ我慢しな陽太郎………ん?桐絵ちゃん?」
近くのベンチに座ると制服に着替えた小南が辺りを見ながら歩いていた、オレが呼ぶとやっと見つけたみたいに全力で走り寄って来た
「なんで電話に出ないのよ!?何回も掛けたのよ!!」
近づくなり小南はいきなりオレに怒鳴った、そう言われ携帯を取り出すと確かに着信が5件も着ていた
「ご……ごめんス、さっきまで体育館にいたから気がつかなかったッス」
「体育館?……ああそっか今はライブの最中か……………ってそれよりいいから来て!!」
「っえ?ちょ……桐絵ちゃん!?」
オレがさっきまでいた場所を知ると納得はしてくれたが、突然腕をつかまれ力任せに引っ張られた。陽太郎もその後を付いてきた
「これは『しゅらば』ってやつか?」
(どこでそんな言葉を覚えたんスか…………
陽太郎のませた言葉に心の中で静かに突っ込みを入れた
着いた先は被服室で中からはすごく騒がしい声が漏れ聞こえる、その中には
「すごいねーコレも似合うよ!!」
「あっじゃあじゃあコレは?」
「きゃーいいよ!コレにしよ!コレに!!」
「………ちょっと桐絵ちゃん?オレに女子の着替えを除く危険な行為はしたくないんスけど………?」
容易に想像できる中の状況に何故小南はオレを連れてきたのか分からなかった、後ろにいる陽太郎は握った手で親指を立てて「まもるのことはわすれないぞ」とか言ってきた
「何言ってるのよアタシだって護に女子の着替えを見せるわけで連れて来たわけじゃないわよ、それに………もし覗いたりしたら生身の方を切るからね……」
少し間を空けて言った小南の迫力は怖くその場から逃げようと思っても、変わらず腕を掴まれているわけで逃げることが出来なかった、そんな時中から聞こえてきた声にオレは耳を疑った
「それにしても男子は背が高いから合う服が少ないね」
「そうねー、でもウィッグを着けてメイクをすると案外似合うわね」
「後はこの筋肉さえ少なければ完璧なんだけどね~」
「もういい加減にしろよ!!オレを人形みてぇに着せ替えるな!!」
「ッッ!!?………桐絵ちゃん?…………えっと……オレは何をさせられッスか………………?」
「なにしらないで来たの?女装よ、じょ…そ…う!」
そう言って被服室のドアを勢い良く開けた、窓が壊れちゃうと一瞬そんなことを思ったがこの後無理矢理にでも女装をさせられるというオレの人生に黒歴史が追加されようとする現実に引き戻された
「連れてきたわよ!」
「………あれ……忍田!?え………ウソ!?ちょ……」
「?………あれ?青柳?………えっと……その格好は……?」
「見るなーーー!!!」
オレは自分を呼ばれたことに気付き俯かせていた顔を上げるとそこにはいろんな服を持った女子達に囲まれたクラスメイトの青柳がいた。
しかもいつもは短い髪には背中まである長いウィッグを着けられていた、そこまでは良かったんだが…………格好が小南のクラスがやっていたメイド喫茶のメイド服だった
「…………ごめん………誰にも言わないでおくッス………だから頑張ってッス……」
「せめて目を見て言ってくれ!!いや見ないで欲しいけど…………………忍田はどうしてここにいるんだ?」
目を逸らして言うオレに見て欲しいのか見て欲しくないのかどっちなのか分からない事を言った後に青柳はどうしてここにいるのか聞いた
それにオレは小南に捕まって強引に連れてこられたと短く言った
「そっか……お互い災難だな………オレは姉ちゃんに脅されて………」
青柳に姉が居たんだとこのとき初めて知った、友人を1人見捨てるほど薄情じゃないオレはいっそのこと付き合ってやると言うと渡された服を見て早速逃げ出した
「おぉぉおおいい!!さっきの言葉はウソだったのか忍田ー!!」
「無理無理無理無理!!!それは無理ッス!!死んでもそれはイヤッす!!!」
いきなり逃げ出そうとしたオレの腰を掴んで阻止した青柳は必死に離さないようにするが、オレに渡された衣装はなんと……………バニーガールだった、何所からこんな衣装を持ってきたんだよ!!
「たとえ罰ゲームだったとしてもコレは絶対に着ないッスよ!!オレは帰るッス!!」
「待て待て待て忍田!!オレを見捨てるなよ!!友達ってさっきおまえ言ったじゃないか!?」
「青柳………世の中には即断即決が必要なときもあるッス」
「ここぞとばかり良い顔で良いセリフっぽく言うじゃねぇよ!!絶対に道連れにしてやる!!」
オレと青柳の攻防を見ていた他の女子達はひそひそと話をしていた
「あぁ……やめて、それ以上掴んでいるなんて………」
「どっちが攻めでどっちが受けなんだろう……?………」
「私青柳君が攻めに1票よ、忍田君の語尾が『ッス』なんて………もぅ……」
(((お腹いっぱいだわ……!!)))
鼻息が荒くなっている女子達はそんな会話に花を咲かせている、何人かは鼻にティッシュを当てている
「全く……そんなの冗談に決まっているじゃない…………護に着て欲しいのはこっちよ」
いい加減見かねた小南が今度はちゃんとした衣装を持ってきた、それを受け取ったオレは簡易カーテンが設置されている場所で着替えを始めた
(……一体女装なんかさせてどうするんだ…………?)
パンフとか見れば分かるのだろうけど生憎持っているのは木崎だから知りたくても知れない。初め女の服を着たオレはカーテンを開けて着替えた格好を見せた
「ふ~~ん意外と似合っているじゃん」
「まもる、じつはおんなだったのか!?」
小南の意外との一言は余計だと思った、陽太郎まで驚くなんてそんなに似合っているのかよと褒められた嬉しさ以上に悔しさのようなものが出て複雑な気持ちになった
青柳の方を見れば携帯を持ってシャッターを切る音が聞こえた
「おい青柳ーー!!今撮ったのを消すッス!!消さないとお前を消すッス!!早く消すッスー!!」
「ふざけんな!!こんな可愛いやついたら普通撮るだろうが!!」
「誰が可愛いッスか!!オレは嬉しくないッスよ!!」
画像を保存した青柳は追ってくるオレに捕まらないように逃げる
「小南ちゃんそろそろ行かないと時間が無いよ……」
「ああ!!ほらアンタ達行くわよ!!」
いきなり小南に腕を引っ張られたオレと青柳の文句に答えず無理矢理連れて行かされる
「なんなんスか……コレ………?」
小南に連れられ着いた場所は体育館のステージ裏、そこでは2人と同じように"女装"した人たちが凡そ10人くらい居た
着いたら着いたで胸に12と書かれたプレートを付けられた
「もう諦めるしかねぇよ忍田……」
「………そうッスね」
ここまでくれば大体予想はつく、青柳の言うとおりもうここまで来たら諦めてなるようにしかならない、そんな時嫌な予感が頭の中をよぎった
「な……なぁさっきまでここでライブしてたんスよな……!?」
「あ……ああそうだけど……?」
「………ぁぁああぁあぁ……」
近くにいた女装した男に確認しようと聞くと予想通りの嫌な予感が当たってしまいその場で頭を抱えて蹲った
「一体どうしたんだ忍田?」
「いるんス……」
「?………何が居るんだ?」
「仲間が……女装する前まで仲間とここでライブを聞いてたんス…………」
「……ああ………」
ここまで聞けばオレが何に対して蹲ったのか青柳は悟った。オレはボーダーで仲間というのは他のボーダー隊員でさっきまでライブを聞いてたということはこの後の女装のイベントも見られるという事、確かにそれには同情した
「………まぁ諦めるしかないよな………」
青柳の言うとおり諦めるしかない………だけどオレは後で堅く口止めさせようと帰ってからの予定を追加した
『エントリー番号12番!!それではどうぞ!!』
「骨は拾ってやるからな!!」
「頼むッス…………」
――――――――
「あれ………木崎さんあれって……」
「ああ……護……だよな?」
ライブも終わりこの後は女装した男達のアピールのイベントがあるようでどうせなら見ていこうと思いどれもこれもまるっきり男にしか見えなかった
とても女装には見えず精々女物の服を着た変態にしか見えなかった、そんな時12番の少年の顔に烏丸と木崎は見覚えがあった
「そうよ、あれは護よ」
「まもるはじつはおんなだったぞ!」
横から小南が12番は護と言った
「どうして護がこのイベントに?アイツはこいうの出たがらないんじゃ?」
「アタシが無理矢理出させた」
木崎に疑問に小南は当たり前のように答えた、なんとも女王様な性格なんだと思った
しかも烏丸はスマホを取り出しカメラ機能を起動して女装姿の護を収めていった
『それではまず趣味を教えてください』
『えーと趣味は料理と絵と剣道ッス』
『すごいですね!料理が出来るなんて!!それでは次に特技を教えてください』
『特技は趣味と同じッス、料理と剣道ッス』
司会者が得意な教科、嫌いなこと、いつもしている事など聞いてオレの番は終わった、その後に青柳の番で緊張しているのか声が裏返っていた
(あいつ確か野球部だったよな?しかも捕手だったはず、なのになんで裏返るんだ?)
試合ではいつも外野まで届くほど声を出しているのにこういうときだけ裏返るんだろと、オレはどうでもいいことを思った
エントリーは青柳で最後のようで結果発表となり選ばれたのは2番のワンピースを着た男だった。優勝商品は模擬店のタダ券15枚セットだった
優勝できなかったことに悔しめばいいのかしなかったことに安堵すればいいのか微妙だった
(とりあえず後で烏丸のスマホから写真消さないといけないッスね)
ステージの袖に戻りながらオレは頭の中で烏丸に対する制裁を追加した
先ほどの着替えをされた教室に戻るとさっさと着替えて体育館のほうへ向かうと途中で木崎たちと合流した
「桐絵ちゃん一体なんなんスかアレは!!?すっごい恥かしかったッスよ!!」
「あー!!うるさい護!!文化祭を盛り上げる為のイベントに決まってんでしょ!何が恥ずかしいよ?普通にしゃべってたじゃない!?」
「だからって無理やり出させるなッス!」
そのあと烏丸のスマホから撮った画像を無理矢理消させて時間も3時を過ぎてそろそろ帰ろうかと思ったその時だった、グラウンドに
「ちょっとなんで学校で
「最近開く”イレギュラー門”だな、京介、護、行くぞ」
驚きで慌てている小南に簡単に答えた木崎は隊員であるオレたちに倒しに行くぞと言った。しかも小南は学校の皆にはオペレーターと言っているらしい、だから今回はオレたちだけで戦うしかない
「「「トリガー
それぞれトリガーを持ち体をトリオン体に換装すると門から出てきたトリオン兵を見た、捕獲用のバムスターが1体…戦闘用のモールモッドが6体が門が出現したグランドに立っていた
「バムスターとモールモッドか……護とオレはモールモッドを、京介は生徒たちを逃がしながらバムスターを相手にする、小南は避難誘導だ」
木崎の指示に答えるとオレは跳んで春風の先端をモールモッドに向けた
「
春風から放たれた弾丸は全部モールモッドに命中した、オレは6体のモールモッドの前に降りると春風をソードモードに切り替えると先端から弧月が生成された
「急いでこっちに!」
烏丸はグラウンドにいた生徒や民間人を誘導しつつアサルトライフルでバムスターを牽制した、それでもオレと木崎で6体のモールモッドをすべて相手をするの不可能だったみたいで、1体が避難している人たちの所へ向かっていた
「まずい!!……っ!?木虎!!」
さすがにこれはマズいと阻止しようと思ったら木虎がスコーピオンを装備してすぐに倒した
「ッフ………何このモールモッド、ブレードが出なかったけど……?」
瞬殺だとちょっと驚いていたら後ろから来ているのが分かり、振り返ると同時に春風を振って目玉を斬る
「残り2体だ、あと一踏ん張りだ」
「はいッス!」
「丁度いい。木虎、援護するからあのバムスターを倒してくれないか?」
「烏丸先輩!はい、分かりました!」
木崎さんに言われて目玉を突いて、木崎は殴って破壊するという力技で倒した。そしてバンダーの方も烏丸のアサルトで進むのを阻止している間に木虎が急接近、ハンドガンに取り付けられているスパイダー(改)を目玉上部に放つと巻き取って近づくとスコーピオンを出して目玉を斬る
A級なだけあって無駄がなくすぐに倒した
「こちら木崎、星輪女学院でイレギュラーゲートが発生、バムスター1体モールモッド6体が出現したがこれを撃破。回収班を要請する」
『こちら本部、了解した。すぐ向かわせる』
撃破を確認した木崎は本部に報告と回収班を要請した
「まったくいったいいつになったらイレギュラー門の原因がわかるのよ?」
「それはわからないな、本部の人たちが調べてくれているが………」
イレギュラー
ここ最近になって本部が使っている門誘導装置が効かない門が市街地で発生するようになった、今までは近くに非番の隊員がいたため被害は最小限で済んでいる
本部のエンジニアたちが昼夜問わず原因を探っているがまだ何も解ってない
結局その日は市街地で門が発生することなく終えた