どこぞの三水戦   作:ひょっとこ_

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川内かわいい(挨拶


ヒトヒト:成果

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「うん、動きはもう完璧ね、姉さん」

 

 秘書艦業の傍ら、神通の激しい訓練をこなしてきた私は、なんとか彼女のお墨付きをもらえるまでに上達していた。

 

「えへへ、そう?」

 

「はい。じゃあ、最終工程。用意はいい?」

 

 笑顔で艤装を身にまとい、私と同じように海上に降り立つ神通。

 最終工程。14cm単装砲で私を狙う神通を障害とし、規定上のコースを辿りながら、海上に複数設置された的を各個撃破するという、今までの総復習のようなものだ。

 

「じゃあ……始め――――!」

 

 神通のその声を合図に、一気に駆け出す。

 数秒もしないうちに最大戦速にまで達した私は、その勢いのまま、ブイで指定されているコースを辿っていく。

 第一目標の的が視界に入り、同時に神通からの妨害が始まる。

 初撃をかわして、続く攻撃も捌いていく。今までのこと(訓練)を考えると、このくらい軽いものである。そうしていると、第一目標が射程に入る。

 構えて、撃つ。

 ヒット。

 

「んー……!」

 

 いい感じだ。

 これまでの成果が出ている。

 

「まだまだぁ!」

 

 神通が気勢を発して、さらに妨害弾幕を厚くしてくる。

 そして。

 やはりさすがと言うべきか、ひやっとする場面もあったが、どうにか一発も妨害弾にあたることもなく、最終工程は無事に終了した。

 

「うん。これで、立派に艦娘ね。姉さん」

 

「……ありがとね、神通」

 

「いえ、あなたのためですから……」

 

 穏やかに微笑む神通に、なんだか照れくさくなってしまった私は、もう一度大きな声で礼を言って、さっさと陸に上がってしまうのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 そんなこんなで訓練を終了させた私であったが、まぁ、秘書艦にそうそう出撃命令など下るはずもなく、こうして提督の隣で執務補佐に励む日々が続いている。

 頑張って訓練したのは、しっかりと私の糧になっているし、まぁ、出撃がないなら、それはそれでいいのかもしれない。

 他の艦娘が頑張ってくれているのも、今の私ならちゃんとわかるし。

 

「あ、そうだ。ね、提督、今日のお茶請けはなにがいいかなぁ」

 

「あ? んー、あちぃし、わらび餅とか食いてぇかな……」

 

「わらび餅?」

 

「ああ。……いやか?」

 

「ううん。いいね、わらび餅。久々に作ってみようかな」

 

「え、あれ作れんの?」

 

「うん、意外と簡単にねー」

 

「へぇ。川内の手作りねぇ……ま、せいぜい期待しとく」

 

「あ、その言い方はちょっとイラっとする。覚悟しといてね、提督」

 

「へーい」

 

 なんてやりとりをして、食堂へ向かう。

 間宮さんにわらび餅粉があるか聞いて……えっと、それから……あ、そうだ。ふふっ、ソーダわらび餅なんてしたら、きっと提督びっくりするよね。

 人間だった頃は、それなりに菓子作りしてたもんね。それだから、また男女とか言われてたけど……。

 よし、頑張って提督に一泡吹かせてやろうっと。

 いつの間にやら柔らかに頬を緩めた私は、これからの団欒を思い、厨房へと先を急いだのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




わらびーっ!!

はい、二章完。
拙作、どういった着地点に到達するのか、筆者にもわかりません。
とりあえず、日に日に川内と提督の距離が近づいているのはたしかです。
賛否両論ぶった切って、己の欲望のままに続きを書いていくこととします。

では、また。
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