やー、日間のほう、一瞬で消えていきましたね。
でも、この経験を糧にこれからも頑張っていきますよー
というわけで、執務室の模様替えをちゃちゃっとすませてしまおうと思う。
まずは掃除でもしてみるか、と。
埃はたきで、部屋中をはたきまくってから、雑巾やら掃除機やらモップやらで窓、床、その他諸々を綺麗にしていく。
手際のいい子が集まってくれたおかげで、それは本当にすぐに終わってしまった。
「ワオ、ずいぶんさっぱりしたデース」
「そうですね」
「川内、普段ちゃんと掃除してたの?」
「さ、次は模様替えですね」
普段の掃除は、まぁ、ちゃちゃっと……?
てへっ。
「扇風機、持ってキマシター」
「川内さん、そっちに置けばいいですか?」
「ねぇ、風鈴はこっちに吊るしとくわよ、川内」
「川内さん、このカーテンは洗濯してきますね」
「見慣れた部屋の様相が変わると、なんだか感慨深いデスネー」
「でも、書類とかの棚はそのままですよ」
「そりゃそうよ。そこらへんはあたしたちが勝手にさわれるとこじゃないし」
「ですね。さわれるところだけ、提督のために、頑張りましょう」
わいわいがやがやと五人で模様替えを進めていく。
棚や机の位置を変えたり、新しいものを置いたり。
「お前ら、なにやってんだ……?」
と、そんなとき。
頬を上気させ、髪を湿らせた提督が執務室に入ってきた。
あれ、普段は長風呂だから、もうちょっとは大丈夫だと思ってたんだけどな。
「んー、模様替え?」
サプライズでやろうとしていたので、思わず悪戯が見つかった子供のような体になってしまった私たちであった。
「へぇ、俺のために模様替えをね……」
「べ、べつに司令官のためじゃないよ。川内がどうしても手伝ってって言うから……」
「の割りには、結構ノリノリで作業してたな、敷波」
「い、いつから覗いてたのよっ!?」
「はっはっは」
「提督ぅ、私たちも手伝いマシター!」
「提督、榛名も頑張りました」
「おう、ありがとな。嬉しいよ」
「Your welcome! お礼は、今度お茶に付き合ってくれるのでいいデスヨー」
「は、榛名もご一緒します!」
「おう、楽しみにしてる」
「瑞穂も、ありがとな」
「いえ、提督のためなら」
「そっか。助かるよ……」
「提督……」
「瑞穂……」
微笑ましかったり、思わずこちらも笑顔になったり、若干壊したくなる雰囲気を作り出したり。
提督がいると、それだけでみんなの空気が柔らかくなる。
うん、人徳だねぇ……。
「川内がみんなに頼んでくれたんだってな」
四人との会話を終えて、こちらへ来た提督。
柔らかい笑顔のまま、話しかけてくる。
「まぁね。昼間、あまりにあんまりだったから」
「あー、それは、だな。うん、情けないところを見せた」
「いいよ。私、秘書艦だしね」
「……ああ、そうだな」
「まぁ、でも……」
「でも……?」
「私がそうしたかっただけだから」
「っ……。……ありがとな、川内」
「いいよ。明日からも頑張ろーね」
「ああ……」
後日、ずいぶんと快適になったと日々の執務をばんばんこなすようになった提督。
みんなと一緒に過ごせる時間が増えたので、ふむ、今回の模様替えはどうやらうまくいったらしかった。
一回はかわいい笑顔の女の子に言われてみたいですよね、私がしたかっただけだよ、って
はい、そんなわけで、三章をお届けしました。