今回から唐突なシリアスが始まりますテヘペロ
ヒトゴー:相談
――――今度、大事な話がある。
至極真面目くさった顔で私にそう告げた提督は、随伴もつけずに一人でどこかへ行ってしまったきりだ。
時刻はすでに昼下がり。すでに本日の執務を一通りすませてしまった私は、提督が言った大事な話とやらについてもんもんとする時間を過ごしていた。
相談やなにか悩みがある、というよりかは、なにか他の雰囲気があって、それがまた私を悩ませていた。
「って、わけなんだけどさ……」
「ふぅん、そんなことがあったんですか。あの提督が、川内さんに、大事な話、ねぇ……」
「……よくわっかンねぇけど、それって提督のってより、なんか川内さんにとっての大事なことなンじゃねぇの?」
神通と那珂が揃って遠征に出ていたので、今回は私がこの鎮守府で妹たちに次いで一緒にいる機会の多い綾波と江風に相談を持ちかけた。
「でも、それはありそうですよね。江風、たまに鋭いことを言いますし」
「あ、ンだよ、綾波ー。それって、普段はそうでもないってことかよぉ」
「ふふっ、そうは言ってないわよ。ただ、こういうときの江風はすごいなぁっていう話」
「え、江風、すごい? そんなに?」
「ええ、すごいわ」
「くっふっふ。そうだろ、そうだろ! なんせ江風さんだもンねっ」
「私にとって、大事なこと、かぁ……」
ふむ。
なんとなく、話の内容を想定しやすくなったような気がする。
「うん、ありがとー、二人ともー。なんとなくわかった気がするよっ」
そうとなれば、最近の提督の様子とかも思い出して、いろいろと考えてみよう。
なに、どうせ提督が帰ってくればすぐにわかることだろうけど、ちょっとした暇つぶしだ。
私は、一人でゆっくり考えるために、今は誰もいない執務室へと駆け出した。
「あっ、行っちゃった」
「だな。にしても、川内さんが江風たちに相談ってのもなンか珍しい感じだったぜ」
「そうね。昔も、今も、あの人には少し寄りかかりたくなっちゃうのよね」
「あー、それはわかるぞ。この前も無理言って訓練つけてもらったんだけど、やっぱ上手いし、頼りになるよな、ホント」
「えっ、そうなの? いいなぁ。綾波も川内さんと訓練したかったな……」
「ンー、ならさ、今度二人でまた頼んでみようぜ」
「でも、お邪魔じゃないかしら……」
「大丈夫だって。なんてったって、川内さんだもんよっ」
「ふふっ。なぁに、それ。もう、江風ったら……」
綾波、江風と別れた私は、執務室で提督の椅子に座り込み、延々と頭を捻り続けていた。
私にとっての大事なこと。
江風の言ったことは、たぶん、当たらずとも遠からずな感じだろう。
ならば、考えられることはといえば。
まず、私自身のこと。
そう、例えば改装だとか、最悪解体だとかでもあるにはありそう。
次は、私と提督に関するようなことだ。
これは、まず秘書艦の解任が真っ先に考えられる。あとは例えば、最近噂になっているケ、ケッコンカッコカリ、とか……。
「……ぁぅ」
やばい。
ケッコンカッコカリについてはまた後で考えよう。うん、それがいい。
…………。
…………。
……よし、落ち着いた。
にしても、だ。こうして考えられるだけ考えたはいい。けど、その中でも、秘書艦解任と解体だけは、ちょっと嫌、かもなぁ……。
今章は一章くらいの文量になるかもです