もしもZ戦士たちが、異世界の怪しげな組織に目をつけられたら。 作:レイチェル
中二病的な展開、文体はご容赦ください。
物語は悟空とピッコロ大魔王が戦った時から始まっています。
(人によって、合う合わないがあると思います。)
~カリン塔~
「カリン様、オラ、ピッコロ大魔王を絶対倒してくる。」
そこには、超神水を飲んで以前よりも強くなった悟空がいた。
「うむ。超神水を飲んだ今のお主ならきっと勝てるじゃろう。」
「頑張れよ。おれが戦うのは嫌だからな。死にたくねぇ。絶対勝てよ。」
「おう。分かってるってヤジロベー。オラ行ってくる。」
ヒューーン‥‥‥‥‥‥‥‥‥。
「‥‥‥‥行っちまったな。キント雲ははええなぁ。」
「うむ。ところでカトレアよ。そろそろ出てきては良いのだはないか?」
「あ?」
‥‥‥‥‥‥トン。
「‥‥‥あれ‥‥‥おれ‥‥‥‥‥‥。」
‥‥‥‥‥‥バタ。
「なんじゃお主。悟空だけじゃなくヤジロベーもだめなのか?」
そこにいたのは、一人の女性だった。年は20歳頃だろうか。腰まで伸びている長い金髪にグレーの瞳。そこにかかる赤いメガネが知的さを漂わせる。
ただ、レースをあしらったふわふわの服に、手に持つ長刀が、異質で、不気味だ。
そして、カトレアと呼ばれた女性が口を開く。
「ええ。私の存在を知る者は最小限に留めておきたいの。彼らに私のことを話すのはもう少し先よ。」
「ヤジロベーは‥‥‥」
「安心して。峰打ちよ。この世界での人殺しは、まだ、許可されていないから。それより、私の言ったことを信じてもらえたかしら?」
そう言うと、軽く手を振り、手に持った長刀が消えてしまった。代わりに手首には、長刀と同じ見た目のブレスレットだった。
「‥‥‥‥‥‥あ、‥‥‥ああ。(このわしがカトレアの攻撃がまるで見えんかった。こやつは‥‥‥。)」
「では、約束通り、仙豆を瓶ごといただくわね、カリン様。」
「うむ。お主の言った通りピッコロ大魔王が復活し、悟空が超神水を飲んで生きている。これでお主が言った『未来から来た』と言った言葉は信用しよう。」
「あら、他にも『異世界から来た』という言葉があったはずだけど‥‥‥。忘れてしまったのかしら?」
「それはいくらなんでもなぁ‥‥‥。それより、本当なのか?今ある仙豆はこれからの戦いには多すぎるというのは?」
「ええ、そうよ。」
カトレアはカリン様の言葉が終わるか終わらないうちにさっさと仙豆を回収してしまった。
「(こやつの言ったことと、こやつが持ってきたわしが書いた未来からの手紙。手紙の筆跡は明らかにわしもの。そしてその手紙に書かれた仙豆のやりとりの指示。ああは言ったが、この世界には時を超える術はない。まさか本当に異世界から‥‥‥?)」
カリン様の頬に冷たい汗がつたったような気がしたのは、決して気のせいではないだろう。
「‥‥‥‥‥‥ええ。今のところはとても順調よ。この時間軸でやることはすべて終わっわ。‥‥‥‥‥‥ええ、地球の神とのコンタクトと仙豆の回収。今から次のポイントへ移動するわ。報告を終了するわね。」
今のは誰かと連絡をとっていたのだろうか?明らかに電話を使っていなかった。その代わりにジャンケンのグーの親指と小指をピンと立たせ、その手を耳と口に当てていた。この世界にはない技術だ。
どうやら、地球の神とも連絡をとっていたらしい。
「‥‥‥お主、誰に連絡をとっていた?」
「『組織』に、よ。無事に仙豆を回収できたことを報告しないとね。じゃあ、私は次のポイントに向かうわ。」
「‥‥‥‥‥‥一つ聞いてもよいか?」
「なにかしら?」
「お主ら『組織』は、数多くの異世界を移動できるという。では、この世界はなんと呼ばれている?さすがに呼び名ぐらいあるじゃろう?」
「『ドラゴン』。そう呼んでいるわ。大抵は大陸の名前や、その世界にしかないものから名前をとっているの。この場合は『ドラゴンボール』からとったわ。」
「そ、そうか。」
「では、また会いましょう。」
そう言うとカトレアは、自身の持つ腕時計を操作した。しかし、それは腕時計に見える『なにか』だ。なぜなら、その何かを操作するとカトレアを中心に幾何学模様の光が地面に映し出されたからだ。
そう、それはまるで、
「‥‥‥魔法陣。」
カリン様がそうつぶやくと同時に、カトレアはその場から消えていた。
残っているのは、カリン様と気絶したヤジロベエだけ‥‥‥。
「あやつは本当に‥‥‥‥‥‥。」
カリン様のつぶやきは誰にも聞かれることはなかった。
~数年後 界王星~
「初めまして、北の界王様。」
「な、なんじゃおぬし!」
「私はカトレアと申します。」
第2話へ続く
2話からはもう少しギャグ要素を増やしていきたいと思います。
読んでくださって、ありがとうございました。