もしもZ戦士たちが、異世界の怪しげな組織に目をつけられたら。   作:レイチェル

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前回、前々回が長くなってしまったので今回は短めです。

平均文字数とはなんだったのか……

今回は原作通りに話が進み、クリリン、悟飯、デンデを追っていたドドリアがベジータと戦ってしばらくたったところです。


12話 ベジータVSドドリア

~ナメック星~

 「………はあ………はあ………はあ」

 「……………はあ……………はあ、クソ! サイヤ人の王子であるこのオレが……………!

なぜこんな奴に後れをとるんだ!」

 「………はあ。へっ、それはこっちのセリフだ」

少し前までベジータよりこのオレ――ドドリアより戦闘力が低かったのに、地球から戻ってきたと思ったらオレと互角に戦えるほど戦闘力が上がってやがる。

 一体何の冗談だ?

そんなことを考えながらオレはベジータに怪しまれないように口に手をやる。なるべく自然に。怪しまやないように口の端から流れる血をぬぐうようにしてある液体の(、、、、、)入ったカプセルを口に含み、噛み砕いた。液体は不味かった。あれ(、、)がすぐに取れるといいんだけどな。

 「答えろ!なぜ貴様はこのオレと互角に戦えるんだ?!戦闘力は、今はこちらの方が上だ!」

だってお前そりゃあ……………

まさかこいつ、

 「ベジータ、カタログ見たことあるか?」

 「カタログ?何の話だ?!」

やっぱり知らなかったか。

 「何も知らないお前におしえてやるよ。

このフリーザ軍の兵士ってのはな、一部を除いて、ほとんどが宇宙のあらゆる星々から集めらてた雑魚だ。」

 侵略する星は皆殺しだけをしているわけじゃねえ。

 侵略する対象になった星は、その星にどれだけの利用価値があるのかどうかを無人探査機を使って調べておく。そしてめぼしい技術や人材がないと判断された場合のみその星の住人を皆殺しにする。ギブアンドテイクができないやつには用がないってわけだ。

 さらに人材に限った話でいえば、フリーザ軍の兵士は宇宙にある居住可能惑星へ長期出張、戦死なんてのも珍しくねえ。だから言い方は悪いが、フリーザ様に献上される兵士は大抵はその星で必要とされていない――たとえば孤児や犯罪者がほとんどだ。最悪戦いの訓練を何も受けてない貧弱なやつが来ることもある。

 「それがなんだって言うんだ!」

 「まだ分かんねえのか?フリーザ様はな、『稀代の天才』と呼ばれているお方だぞ。だから雑魚兵士を強くする装置『筋力強化プロテクター』作ったんだ。今じゃフリーザ軍に無料配布されるカタログで簡単に手に入るぜ」

カタログでは、他にもいろいろな武器その他もろもろが手に入る。今回のオレの切り札もな。

ちなみに筋力強化プロテクターの仕組みはこのプロテクターから電気が流れて筋肉が活性化されるとかなんとか…………

まあもっとも、プライドだけは高いベジータのことだ。あったとしても『そんなものを使うのは雑魚だけだ。サイヤ人の王子であるこのオレが使うわけないだろう』とか言いそう……………

 「フン!そんなものを使うのは雑魚だけだ。サイヤ人の王子であるこのオレが使うわけないだろう」

……………まさか本当に言うとはな。

 「第一、『俺は楽して強くなるんだ!』とかプライドもへったくれもない弱虫ラディッツが言っていたが、それは戦闘力が高いやつには使えないんじゃなかったか?」

その言葉にオレは大きく頷いた。

 「ああ。今まではな」

 「今まで……………おい、それはどういうことだ!」

 「最近になって新たに開発されたんだよ。戦闘力がオレみたいな一万越えのやつでも着用できる『筋力強化プロテクターα(アルファ)』がな!!」

 「そのうちβ(ベータ)が出てきそうなネーミングセンスだな」

ベジータが小ばかにしたように笑った。

なんでも筋力強化プロテクターα(アルファ)は着用者の遺伝子を解析して、着用者個人に合わせたプロテクターにしたことで戦闘力一万越えのオレでも着用できるようになった…………………らしい。

 小難しいことはよく分かんねえけどな。

 さて……………そろそろ奥歯に仕込んだ超小型爆弾(、、、、、、、、、、、、)がとれるころだな。

全く、取り出すのにこんなに時間がかかるんじゃ改良の余地ありだろ。まあ、だいたい三十年か?爆弾をくっつけていた接着剤が取れなかったんだから、大したもんだというべきか。それにしてもこの接着剤の除去剤は不味い。吐き気がしてきそうだぜ。

 「ベジータ、そろそろ終わりにしようぜ」

 「こっちのセリフだ」

ベジータが不敵に笑った。

 だがここでいう終わりにするというのはオレとベジータで意味が少し違う。ベジータは勝負の決着をつけるという意味だろうが、オレは違う。

 このプロテクターから流れる電気の電池がもう底をつきそうなんだよおおおおおおおおおおお!今はスイッチを切ってある。つけっぱなしにしていたら後三十秒ももたねえんだ。

だから、

 「逃げるんだよおおおおおおおおおお!」

そう言ってオレはスイッチを入れて宙に飛び上って逃げた。

 「!!逃がすか!」

ベジータが追ってくる。さっき対峙した時よりも距離がだいぶ近い。予想通りだ!

オレはベジータを十分に近づけてから、口から切り札を吐き出した。もちろん超小型爆弾だ。

唾液と一緒に吐き出してやったぜ。

 「っ!!汚ったね……………」

その言葉は途中で遮られることになった。爆弾が爆破したからな。

 「クソッ!このオレがこんなちんけな爆発………………で……………クソッ………………い……………………………意識が………………………………………」

ベジータが何か言っているが関係ねえ!ベジータがあんな爆発を耐えられるのは百も承知。

ベジータが爆発に気を取られている間に、

 「逃げ切ってみせるぜええええええええええええええ!!!」

逃げる。ひたすら逃げる。

そのうちプロテクターの電池が切れた。後ろを見る。

 「ふう。ベジータは追ってこないな………………………」

どうやらうまく巻けたようだ。

 そういえば………………………………

 「あの爆弾を取り付けるときにフリーザ様が爆薬と一緒になにか入れたとかなんとか………………」

…………………なんだっけ?

……………………………。

……………………………………………………。

…………………………………………………………………………………。

……………………………………………………………………………………………………………。

 「………………ま、細かいことはどうでもいいか」

なんせずいぶん前のことだからな。

 「さて、フリーザ様のところに戻るか」

ここでオレは重要なことに気が付いた。なんで今まで気が付かなかったのか不思議な位だ。

だからこう呟かずにはいられない。

 「……………………ここはどこだ?」

あたりを見回す。緑の海に所狭しと島が浮かんでいる。人っ子一人見当たらないし、ナメック星人の村もない。さらに言えばスカウターも破壊されてしまってない。

 「………………………………………………………………。」

ぐぅ。

 「…………………携帯食料持ってくればよかったぜ。」

                                13話へ続く

 




超小型爆弾の中には麻酔薬が入っていたそうですよ。

……なんかオリジナル設定ありすぎて苦情が来ないか少しびくびくしています。


筋力強化プロテクターの元ネタ………名探偵コナン(キック力増強シューズ)

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