もしもZ戦士たちが、異世界の怪しげな組織に目をつけられたら。 作:レイチェル
毎日投稿している人は本当にすごいと思います。
~地球(カプセルコーポレーション)~
「な、うまいだろ!カスタードプリンもいいが、この牛乳プリンもなかなかいけると思わないか!?」
「おじゃ、ほほ。らでぃっつ、そちもまだまだよのぉ。プリンといえばこの牛乳と卵で作ったカスタードプリンが一番じゃ。白いだけの牛乳プリンは邪道じゃ」
「そ、そうか?俺は牛乳プリンもかなりいけると思うが…………………ところでおじゃる丸」
「なんじゃ、らでぃっつ?」
マロの名前はおじゃる丸。やんごとなきみやびなお子様じゃ。
さっき知り合ったこのらでぃっつがかなりのプリン好きでの、一緒にプリンを食べているところじゃ。
にしてもここはどこかの?しかし、らでぃっつはここが『にしのみやこ』の『かぷせるこーぽれーしょん』だといっておったが、いったいどこなのじゃ?
「お前なんで空から降ってきたんだ?」
「マロにもよく分からぬ」
「………………………ああ?」
「久しぶりに父上と母上に会いに行こうと月夜ヶ池に飛び込んだらの、袋にいっぱいのプリンを持って空を飛んでいたそちにだっこされた」
そのときはおどろいたでおじゃる。まさか人が空をとべるとはの。それとビニール袋みっつにあふれんばかりに入っているプリンを持ちながらマロをだっこするとは、こやつなかなかの力持ちじゃ。
さらに着ているシャツはなぜか『弱虫』と書かれておる。ここではそういうのがはやりなのかの?
おじゃ?らでぃっつのやつあたまをかかえはじめたぞ。具合がわるいのかの?
「そち、あたまがわるいのか?」
「俺はバカじゃねえ!」
「お、おじゃ?!」
マロ、なにかわるいこと言ったかの?
「よーし。そっちがその気なら俺はとことんお前のことを追求してやるぜ!」
おじゃ、もうプリンがないの。
「さっそく質問だ。月夜ヶ池っていうのはなんだ?」
「月光町にある過去と未来をつなぐ池じゃ。のう、プリンをもう一ついいかの?」
「ああ、いいぞ。まだまだいっぱいあるからな」
「ラディッツはやさしいのう」
愛ちゃん、カズマの母上は、『プリンは一日一個』といっていっぱい食べさせてくれなかったからの。
つぎはこのプリンにしようかの。
「ん?ちょっと待てよ?そしたらおじゃる丸は過去か未来に行こうとしたのか?」
「そうでおじゃる。マロは千年ほど昔にいこうとしたでおじゃる」
まったく、こんなことははじめてじゃ。
「ふーん………………………………って、そ、その茶色い膜ののっているプリンは何だ!?」
「これかの?『やきプリン』と書かれておるが、それがなにか………………………」
「焼きプリンだな!どこだどこだ…………………………あった!これはどんな味が…………………ん!この茶色いやつとプリン、なかなか合うな!」
な、なんということを………………………!
あんなにがつがつとプリンを食べおって!
「まつのじゃそち!」
「どうかしたか?」
「『どうかしたか』じゃないわ!そんなにがつがつくいおって!!プリンはもっと味わって食べるものじゃ!!!」
わかっておらぬ。らでぃっつはプリンについて全くわかっておらぬ!
だからマロはいすの上に立ってこういってやった。
「ゆっくり食べることでプリンのもつ本来の、いやそれ以上のおいしさを味わうことができるのじゃぞ!しかも、じゃ。プリンはまだいっぱいあるとはいえ、無限にあるわけではないのじゃ!だからこそ味わって、プリンの甘みとやわらかさのよいんにひたりながらたべるのが正解なんじゃ!そもそもプリンというのは………………………」
「わ、分かった。分かったって…………………味わって食べればいいんだろう、味わって食べれば」
「マロはまだまだ言いたいことがあるのじゃが………………………………………わかったというのならよい」
まだ言いたいことの半分もいっておらぬのじゃが………………………まあよい。
「おーい、兄ちゃーーーん!」
おじゃ?だれか空を飛んできたようじゃの。
ここでは空を飛ぶのがはやっているのかの?
「おう、カカロットか。で、チチさんはどうだった?」
「やー、ナメック星に行く前に兄ちゃんの言った通りチチに会っておいて良かったぞ!」
「なんだ、なんか言われたのか?」
「おう!『ナメック星に行く前にオラに会わずに行っちまったら、帰ってきたら飯抜きにするところだっただ』って言われたぞ」
「やっぱりな」
「やっぱりって……………兄ちゃんはこうなることが分かってたんか?」
もぐもぐ。プリンはおいしいのう。
「ああ。こう見えても強いやつの顔色をうかがって生きるのは得意だ!」
「兄ちゃん……………胸張って言ってっけど、それ自慢になってねえからな。
そういえば、なんでそんなシャツ着てんだ?」
それにしてもここは不思議がいっぱいじゃ。
「ああ、この『弱虫』って書かれたシャツか?俺らしいだろ?」
「……………………兄ちゃんにはプライドがねえのか?それに蛇の道で『もう二度とナッパやベジータに弱虫ラディッツのバーカとは言わせない!』とか言ってたじゃねえか」
いつもよりも体がかるく感じるでおじゃる。
「プライドはベジータ担当だ。それにな、そんなにがんばっても世の中には倒せない敵がいるんだ。それならこっちが弱虫で戦う意欲のない貧弱な奴だと思わせておけば戦いを回避できるかもしれないだろう?」
それに、プリンをいつもならおなか一杯になってしまう量以上を食べれるからの。
「……………………はあ。………………………兄ちゃんってたまに鋭いところに気が付くよな。言ってることはなさけねえけど」
おじゃ、話が長いの。
「らでぃっつ、あやつはだれじゃ?」
「ああ、弟のカカロットだ」
おじゃ?かかろっと、というやつがこちらを見てたいそうおどろいておるの。
「兄ちゃんまた子供を誘拐したんか?!」
「そんなわけあるか。空を飛んでいたところをたまたまキャッチしたんだ」
まあ、うそは言っておらぬが…………………
「らでぃっつ、おぬしだれかを誘拐したことがあるのかの?」
「…………………まあ、去年甥をな」
「おじゃ、そち犯罪者だったでおじゃるか」
「いや、あの時は………………その………………こっちも切羽詰っていたというか……………………」
はぎれがわるいのう。
「なあ、おめえラディッツの言ってたことは本当なんか?」
かかろっとが話しかけてきたでおじゃる。
「マロの名前は『おめえ』ではない!おじゃる丸じゃ!
まあ、らでぃっつの言うことは本当じゃぞ」
「わりい、二人とも。もっと詳しく話してくれ」
「わかったでおじゃる」
~月夜ヶ池~
「雲一つないよいまんげつびよりじゃのう、電ボ」
「はい、おじゃる様」
「千年前にいるちちうえとははうえのもとに帰るのは久しぶりじゃ」
「はい、おじゃる様。帰るのは髪を切りに行ったとき以来でございます」
「電ボ、マロ思ったのじゃが………………」
「なんでしょうか?」
「帰ったのはかなり最近じゃから別に今日帰らなくても……………………」
「なにを言っているのですか、おじゃる様!前回帰ってからもう半年もたったのでございますよ!それに今回はしゃく様が閻魔様のところにいったん帰り、あの世の魂の選別をなさるので………………」
「いちいちうるさいでおじゃる!だいたい、それなら行くのはいつも通りしゃくだけでも…………」
「かー!往生際が悪いですよ!第一、『あら、おじゃるちゃんお父さんとお母さんのところに帰るの?ならちょうどいいわ。この商店街の福引で当たった温泉旅行、三人までだったの。おじゃるちゃんがいないのなら私とまことさんとカズマの三人でいってくるわ。おじゃるちゃんも久々の里帰り楽しんできてね』というあいこ様の言葉をお忘れですか!」
「で、でもちちうえとははうえの家にはプリンがないでおじゃ………………」
「この月光町にいてもあいこ様がいないのでプリンは食べれませんよ?」
「でものう、電ボ」
「なんですか、おじゃる様」
「実はマロ………………………水が苦手でおじゃる」
「知っていますよ。というより、まさか今まで行くのを渋っていたのはそんな理由だったんですか!ですがここまで来てしまったらもう後には引けませんよ。おとなしく腹を括ってくださいまし」
「わかったでおじゃる!マロもさかのうえ家の男子でおじゃる。やるときはやるお子様じゃ!」
~地球(カプセルコーポレーション)~
「……………ということがあって月夜ヶ池に飛び込んだら、」
「たまたま空を飛んでいた俺にキャッチされたのか。…………………というかちょっと待て。電ボって誰だ?」
「伝書ボタルでおじゃる。」
電ボはどこへいったのかの?もしかしたら電ボだけちちうえとははうえのもとにいったのかもしれんの。
まあ、電ボはしかっりしているから心配はしていないでおじゃる。
それにしても、プリンはおいしいのう。
「ちょっと待てよ!なんで兄ちゃんは空を飛んでいたんだ?」
「ああ。パンチーさんにプリンが食べたいって話をしたら、うまい店を色々教えてもらってな。金もブリーフさんから少しもらったから買いに飛んで行ったんだ。おじゃる丸に会ったのはその帰り道だな。
ああ、それと、話は変わるが宇宙船はまだできていないみたいだぞ?」
「ええ?!まだ出来てないの?!!まいったな……………………。チチのところに行ってる間に完成すると思ってたんだけどな………………………」
宇宙船?
「でもナメック星へ行くまでに二日くらいしかかからないっていってたし、時間はあんまり心配しなくてもいいんじゃないか?」
「えっ、そんなに早く着くんか?!ブルマたちは一か月近くかかってナメック星へ行ったって聞いてっけど…………………」
「それが今のフリーザ帝国の科学力の差だ。
でも、もし俺がカカロットを連れて帰る一人用の宇宙船を改良してそれに乗って行こうと提案せず、カカロットの言う通りお前が赤ん坊の頃に乗ってきた宇宙船で行くことになったら、一週間位かかったんじゃないか?」
「そんなに違うんか?!」
「技術は日々進歩しているからな」
「ははは…………………。でもあの時はおどろいたぞ!まさか兄ちゃんがもう一つの宇宙船を近くの宇宙に置いておいたなんて聞いたときは!」
「近くの宇宙て……………………。間違っちゃいないが、いい年した大人なんだから衛星軌道上と言ってくれ。それに、俺が乗ってきたのは一人乗りの宇宙船だぞ?一体どうやって俺がお前を連れて帰ると思っていたんだ?あの宇宙船に二人乗れば明らかに定員オーバーじゃねえか」
二人に聞いてみるとするかの。
「おぬしら、宇宙人だったのかの?」
「ああ。俺とカカロットはサイヤ人だ」
「おじゃ、そうだったでおじゃるか」
「ん?あんまり驚いてねえな?」
「知り合いに宇宙人がいるのでの」
星野一家のことじゃが。
「へえ!そいつ、どんなやつなんだ?オラ知りてえぞ!」
どんなやつ………………………
「はだが白くて、目が細くて、いつも小さい声でぼそぼそじゃべっていて、あとは………………」
うむ。そうじゃ、
「地球をほしがっていたの」
手に入れてどうしたいのかはよく分からないでおじゃるが……………………
「え?!地球を?!なあ、そいつ強いんか?!」
つよい?
「さあ?たぶん弱いと思うでおじゃるが………………………」
「なんだ、弱いんか………………………つまんねえな………………………」
ふう。おなかいっぱいになったでおじゃる。ところで…………………
「のう、らでぃっつ。かかろっとはなにを落ち込んでおるんじゃ?」
「気にするなあいつはサイヤ人だからな。俺はそういうことはあまり感じないが………………」
「わかったでおじゃる」
つまりさいや人は落ち込みやすいということじゃな?
「こんにちは」
まただれか来たようじゃのう。
こんどはおなごじゃ。年のころは二十くらいかの?かみの色は珍しい金色じゃ。目の色も珍しいのう、灰色なんて。でもこのおなご、目が悪いようじゃ。赤いメガネをかけておる。服はフリルの付いたかわいらしい服じゃ。
「おめえカトレアか!ちょっとオラと戦わねえか?!界王様からおめえは強いってきいてっぞ!」
かかろっとがなにやら目をかがやかせておなごにせまっておる。
「のうらでぃっつ、かかろっとはなにをあんなに目をかがやかせておるんじゃ?」
「サイヤ人だからな」
ああ。そのあとすぐに落ち込むのでおじゃるか。
「ええ。いいわよ。わたしも、あなたとは一度手合わせしたいと、思っていたのよ」
「本当か?!じゃ、今すぐやっぞ!!」
おじゃ?
「のう、らでぃっつ。なんでかかろっとは落ち込まないのかの?」
「サイヤ人だからな」
……………………マロ、さいや人が分からないでおじゃる。
「おい、おじゃる丸。俺の前へ出るんじゃないぞ」
「おじゃ?」
そういってらでぃっつはマロの前に出たでおじゃる。
なんじゃ?らでぃっつの表情がさっきのプリンを食べていた時とはうってかわってものすごく真剣でおじゃる。それとかかろっとの体からからなにやらオーラのようなものが出ているでおじゃる。そしてかとれあの手にはいつの間にか長い刀がにぎられているでおる。
「のう、らでぃっつ。ふたりはなにを…………………………」
そう聞こうとしたが声が出なかったでおじゃる。なにか見えない圧力にけおされて体も動かず、できたのはことの成り行きをみまもることだけ。こんなのはじめてじゃ。
そんな中、かとれあというおなごが笑ったのじゃ。この場に不釣り合いな、まるでははうえがマロをだっこするときのようなそんな笑顔で、
「あら、結構強いのね。なら、わたしも、本気を出さなきゃね」
そうしてかとれあは赤いメガネを無造作にとってなげすてた。
そして一度まばたきするとそこには、
「おめえ、変わった目してんな」
かかろっとの言う通りかとれあの目には朱の十字模様がうかびあがっていたのじゃ。
「さあ、始めましょ」
なんじゃ、この緊張感は?いうなればこの空間は二人のものじゃ。この空間に入れるものなど、どこにもいな………………………
「ちょっと!二人ともストップ、ストップ!!」
驚いたことにいたの。
14話へ続く
おじゃる丸ってよく考えてみるとかなりすごいことしているんですよね。
理論上は月に一回は千年もの時間を移動できるし。(おじゃる丸の設定を間違えていたらごめんなさい。感想などで注意されれば可能なところは直します)それにしてもおじゃる丸のしゃべり方は大変でした。思い付きでやるとろくなことがない。
でもおじゃる丸は無理があったかな?
でも時間の移動は空間の移動と同じような感じの振りはしておいたし、大丈夫ですよね?
ちなみにドラゴンボールでプリンはキーフードだと思っています!(神と神)