もしもZ戦士たちが、異世界の怪しげな組織に目をつけられたら。 作:レイチェル
細かい設定はおいおい書きます。
~あの世~
「つまりだ、ヤムチャ。カトレアとその仲間のこのキョウコってやつで、わかっていないことは、どこの世界から来たのか、こいつらの実力、あのよく分からない道具。そしてなぜそのことを今まで疑問に思わなかったのかの4つでいいんだな?」
「俺としては、まだまだ疑問に思うことはあるが、そんなとこだろ天津飯。」
おれの名前は天津飯。サイヤ人との戦闘の末、死んでしまいここに来た。
そしたら、カトレアの仲間だというこのキョウコなるやつがいるという、よくわからない状況にいる。
今はカトレアの持ってきた酒をヤムチャと2人で飲みながら話なしている。
チャオズはもともと酒が弱く、酔っぱらうと超能力を暴走させて厄介なことになったことがあったからだ。仕事中だという閻魔様もこれを辞退。酔うと素が出るから、という理由でキョウコも飲んでいない。
「あたしの実力を疑問に思っているのは意外だわ・・・・・・。」
キョウコがあきれたようにつぶやいているが、おれたちは武道家なんだ。
実はこのキョウコというやつ、実力がうまく探れない。というより、気が一般人レベルなのに、長年の武道家としての経験が、「やばいから手を出すな」と言っている。気味の悪いやつだ。
「じゃあ、話しましょっか。あたしの故郷、『メノリス』について。」
メノリス、か。
「まず、この世界と大きく違うところは、発達した技術の違いよ。」
技術?
「この世界では主に科学技術の発達してきた。でもあたしのいたところは違う。魔法によって発達してきたものなの。」
「そもそも魔法とは何なのだ?適当に呪文を唱えるとなんでもできる、というあれか?」
おとぎ話にはよく出てくるが・・・・・・・
「ああ、そういうのもあるわよ。(パチン)」
!な、なんだ!キョウコが指を鳴らしたら、フルコースが出てきたぞ!
湯気を立てたスープにいかにも焼きたてのパン。新鮮でみずみずしいシーザーサラダ。メインのステーキからはにんにくの香りが食欲をそそる。そしてデザートのケーキは、つやつやに光っているザッハトルテ。チョコレートケーキの王様と呼ばれているあれだ。
ただし1人分。
「それがおまえの世界の魔法か?」
「違うわよ。」
「違うのかよ!」
ヤムチャが突っ込んだが、おれも同じように突っ込みたい気持ちだ。
「これは魔女界って世界の魔法。魔女見習いになって特訓したのはいい思い出だわ~。でもあたしの世界の魔法は主に軍事用に開発された、この世界でいう兵器だもの。」
「ちょっと見せてくれないか?」
兵器としての魔法、か。かなり興味がある。
「いいわよ。じゃあ、ちょっと表へ出ましょうか。」
室内では危ないということか。
そしておれ、チャオズ、ヤムチャの3人が出たところで魔法を使ってもらうことにした。閻魔様は、仕事が忙しいからと別の部屋へ行ってしまった。
それでもキョウコとカトレアのことは気になるらしく、後で教えてくれと言われてしまった。・・・・・・・おれもよく分からないのに。
「じゃあ、魔法を撃つからあたしの後ろにいてね。」
撃つ?唱えるじゃないのか?
お、指で空中に何やら円を幾つも書き始めたぞ。しかもその円なぜか光っている。
「始祖の念と堪えぬ雷の
そういうと光の円の中央から灰色のもやが現れた。
そして・・・・・・・・・
「これでいい?」
「あ、ああ。分かったから、もう二度と撃たないでくれ。」
ヤムチャの言う通りだ。灰色のもやが50メートルくらい飛んで行ったと思ったら、激しく光って辺りを破壊した。
あの世にはよく分からない黄色い雲が浮かんでいるが、それをえぐって下のほうまではっきりと見えるほどの破壊力を、あの魔法は持っていた。というか、下は下で大きなクレーターができている。
おそらく孫のかめはめ波でもあの威力を出すのは無理だろう。
魔法を唱えるではなく撃つと表現したのも納得だ。
「その魔法はおれたちでもできるのか?」
「できるわよ。誰でもできるから魔法っていうの。」
「じゃあ教えてくれ。」
できるようになれば、孫を超えられるかもしれん。
「いいけど、実戦で使えるようになるまでには1年以上かかるわよ。」
「そんなに時間がかかるのか!」
1つの技にそれだけの時間はかけられない。
「では、どういう仕組みなのかを教えてくれ。」
「仕組みはそんなに複雑じゃないわよ。空中にある、あなた達武道家が『気』と呼んでいるものを、指先で干渉、命令して、いろいろな現象を引き起こしているの。さっきは雷だったけど、水を出したり、火を出したり、糸を出すことだってできるのよ。」
「なぁ、1年は長すぎるからもっと短期間でできるようにならないのか?」
ヤムチャの意見に賛成だ。もっと効率のいい方法はないのか?
「大丈夫。1年以上かかるのは最初だけだから。空気中の気を干渉するって言ったでしょう?その気を見るための訓練の時間なの。・・・・・・・・・・・・・まぁもっとも、『
後半は小声だったが、しっかり聞き取れた。
「「「『
3人の声が見事にハモった。
「そういう特殊な目があるの。メノリスでは魔眼として忌み嫌われ、迫害の対象になってる。」
その時の声はとても悲しそうで、何かをあきらめたような声だった。
「もしかして、キョウコは『
ヤムチャが聞いた。
「ううん。あたしは違う。でも同じ魔眼の『
「ふーん。占いばばみたいなものか。」
占いばば?ヤムチャは似たような力に心当たりがあるようだが、おれには分からない。
「中に入ろう!さっき魔法で出した料理が冷めちゃうし。」
そういってさっさと中に入っていった。この話題にはあまり触れられたくないらしい。
「なぜ今までカト姉やあたしが異世界人であることに疑問に思わなかったのか、ね。」
スープを飲みながらキョウコが言った。
「あたしがつけているこの腕時計があるでしょう。」
そう。キョウコの腕には腕時計がついている。カトレアと同じものだ。
「これには、主に2つの魔法が常に展開されているの。1つはこちらのことを疑問に感じなくなるように仕向けるもの。もう1つが意思疎通を図るための、いわば翻訳機ね。」
翻訳機。確かにこの世界と異世界の言葉が同じなんてことはまずないだろう。
「前者が特に重要でね、前にあったのよ。異世界人という理由で人体実験されたことが。」
・・・・・・・・・・・・。
「されたのはあたしじゃないけどね。」
ガクッ
なんか力が抜けた。
「そういうことがあったから、今ではその魔法は展開することが義務化されているの。もっとも、命を起点にしているからあなた達死人には効果がないけど。」
まあ、魔法に関してはよく分からないが、いろいろあるんだろう。
「さて、もういうことはないかな?」
いつの間にかデザートを食べながらそんなことを言う。
「おい、四次元ポシェットのことがまだだぞ。」
ヤムチャの言うとおりだ。
「ああ、それね。」
さて、どんな説明が・・・・・・・・
「禁則事項です。」
にっこり笑いながらそういった。
「なんだよ、それ。」
ヤムチャがあきれながらそういった。ここまで来てそれはないだろう。
「言ったでしょ、金もうけするって。とりあえず特許を申請して、大量生産して、バンバン稼ぎまくって、カプセルコーポレーションを吸収合併したらどういう仕組みで動いているのか朝から晩までじっくり教えてあげる。」
「いや、聞きたいのはそこじゃなくて・・・・・・・なんでおれに渡したのかってことなんだが・・・・・・・」
「あれ?試作品だったからカト姉に試してみるように渡したんだけど・・・・・・・・。
天津飯が今持っているの?てっきりカト姉が使っているのを見たと思ったんだけど?」
「『これを渡したら、なんか面白そうなことになりそうだから。』と言われて渡されたんだが・・・・・・・・」
「今持ってるの?」
「いや、家においてきた。」
戦場に持って行っても邪魔になるだけだからな。
というか持ったまま戦場で死ぬとどうなるんだ?この世にあるのか、それとも服の一部としてあの世に一緒に持っていかれるのか?
「ふーん。じゃあ後で勝手に回収しとくね。」
「場所は分かるのか?」
「大丈夫。発信機がついているから。」
ある意味大丈夫じゃないんだが・・・・・・・・・・・・・・。
「『手を加えた』って言った。それはどういうこと?」
「チャオズ、珍しいな。自分から発言するなんて。」
こんなことはめったにないんだが。チャオズは相当気になっていたからな、あの道具。
「『ドラえもん』って世界の『未来デパート』ってところで道具を買って、この世界で売るために改良したの。」
「「「・・・・・・・・・・・・・・・・。」」」
・・・・・・・もう何も言えない。説明する気がないとしか思えない。
「もうこんな時間か。じゃ、あたしはこの辺で。」
「おい、ちょっとまて!」
そういうや否や腕時計を操作して魔方陣を出してどこかへ消えてしまった。
この魔法も聞けばよかったな・・・・・・・。
「おお、おまえらちゃんと肉体を与えられているようだな。」
この声・・・・・・・・
「神様!どうしてここに!」
ヤムチャが驚くのも無理はない。
そう、しばらく修業をつけてもらった神様がそこにいた。
「そろそろ悟空が来る頃だと思ってな。さっき
あー・・・・・・・・・悪いがすっかり忘れてた。
「兄ちゃん、早く行かないと仲間が死んじまうよ!」
「顔すら見たことのないやつを仲間だといわれても・・・・・・・。」
これは・・・・・・
「孫!」
「悟空!」
「おお、天津飯にヤムチャ、チャオズも!おめぇたち死んじまったんか!!」
「なぁ、カカロット。もう仲間が死んだなら戦いに行く意味はないんじゃないか?」
「なにいってんだ、兄ちゃん。まだご飯やクリリンが戦ってる。だからオラは行かなきゃなんねぇ!」
「うっ、そういえば俺は戦いに出てはいけない病が発症・・・・・・・・・・・」
「するわけねぇだろ。」
「・・・・・・な、なぁ孫。そいつは?」
悟空と一緒に来た男を指を指さしながら聞く。
「オラの兄ちゃんだ。」
「カカロット~。せっかく生き返ったのだから、なにも地球にこだわらずにどこか別の星に2人で・・・・・・・・・」
「そんなことしたらチチにどやされちまうだろ!」
「「「「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」」」」
孫とピッコロはこんな奴と死闘を繰り広げたのか。空いた口がふさがらない。
「ここ最近兄ちゃんはいっつもこうなんだよな。ま、いいや。神様~、この世に連れて行ってくれ。」
「カカロット、俺は別に・・・・・・・・」
「何言ってんだ、兄ちゃん。オラも兄ちゃんも修業して強くなったじゃねぇか。」
「ご、悟空よ・・・・・・・」
「神様、頼む。ほら兄ちゃんもいくぞ!」
「・・・・・・・・しっかりつかまれ。」
神様のあきらめた顔。引きずり連れていかれる孫の兄。
戦いに行ったのだろう。神と一緒に消えてしまった。
「・・・・・・・・・大丈夫なんだろうか。」
この世界が。
「て~ん~し~ん~は~ん~」
ゾクリ・・・・・・・
何やら悪寒が・・・・・
「なななな何をするつもりだ、ヤムチャ?」
ヤムチャが虚ろな目でこっちを見ている。
「抱かせてくれ。」
「はぁ?!」
なにをいって・・・・・・・
「そ~れっ!!」
ガッ、バタン
「やめろヤムチャ!これは男同士がしていいことじゃ・・・・・・・・というかおまえどれだけ飲んだんだ!相当酒臭いぞ!」
「うるせー。俺は大丈夫だ!」
「酔っぱらいの大丈夫が信用できるか!というかさっきまで全然酔っていなかっただろ?!」
横を見ると空になった酒瓶。
さっきおれが見た時にはまだ半分以上残っていたはずなのに。
やばい。これはいろいろやばい。
「天さんになにをするきだ!こうなったらぼくが先に・・・・・」
「チャオズまで?!ちょ、ヤムチャ、ズボンを脱がすな!」
だれか、助けてくれ!!
「ほぉ~。ずいぶんと楽しんでいるじゃないか。」
「ピッコロ!頼む、助けてくれ!」
そう、そこにはピッコロがいた。
笑いながら。
ただ、目が笑っていなかった。
「このオレ様がお前達地球人のために死にもの狂いで戦っていたというのに、お前達は、あの世で、お楽しみの真っ最中、というわけか。」
「こ、これは誤解だ!まてチャオズ!超能力で服を脱がせようとするな!!」
ブチン
確かにそう聞こえたような気がした。
「お前らもういっぺん死ねえええええええええええええええ!!!」
前門のチャオズ。後門のヤムチャ。舞空術で逃げようにも空にはピッコロって感だな・・・・・。
「魔貫光殺砲!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
「「「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああああ」」」
のちにヤムチャはこう語る。
「あの時ピッコロにふっとばされていてよかった。」
と。
7話へ続く
これからは、ドラゴンボール以外の、ほかの作品をもとにした力や技術をここに書いていこうかと思っています。
四次元ポシェット等の道具:ドラえもん