俺ガイルキャラ生誕祭!!   作:Maverick

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やらかしちゃいました。ただそれだけ、反省も後悔もしない。

ではでは、雪ノ下陽乃の生誕を祝って!!

(唯一反省することがあるとすればテストを捨てたことくらいかな)


雪ノ下陽乃生誕祭2017!!
陽乃の非日常


今は夏、その夏の眩しい日差しを形容したかのような名前と容貌をもつ雪ノ下陽乃は困惑していた。

大学での夏休み、いつも通り家の中で完璧への鍛錬を行っていた彼女。喉が渇いたなと冷蔵庫を開けそこにあった瓶に入ったコーラを飲むと、突如として気を失ってしまい、目が覚めた時には。

 

「身体が縮んじゃった?」

 

どこかの科学教師と名探偵のコラボのようなそんな出来事に遭遇してしまった。

豊満な胸は妹より少し膨らむ程度に、身長は可愛い可愛い後輩くんの妹ぐらい。昔から発育はよかった、記憶が正しければ私は今中二の身体かな。少し服がぶかぶかだけど…落ちないからまあいいや。

とまあこんな感じに困惑する頭を強制的に切り替えた陽乃は、とりあえずこの液体について父と母に聞こうと、瓶を持って書斎へ向かう。

作者としては雪乃が不憫で仕方ない、けどあの胸ならきっと中二でもそれくらいですよね?

 

「女子と交流ないからって…それ妄想だからね?」

 

…マジですか。

 

「普通なら…そうね、一色ちゃんくらいはあるかな?」

 

なん……だと……。

兎にも角にも彼女は書斎のドアの前にたどり着いていた。

ノックをきっちり3回する、雪ノ下家と言えど親子仲は親しい間柄というのにふさわしいのだろう。国際的なプロトコールマナーに則る陽乃だった。

 

「陽乃かい?入っていいよ」

 

「失礼します」

 

「どうしたんだい?陽乃、珍…し…い……」

 

雪ノ下建設社長で議員である雪ノ下父は絶句した。

そりゃまあ娘が年齢逆行し始めたらびっくりするだろう。数十分たってようやく意識が戻る。

 

「…何があったんだい?」

 

「それがね」

 

陽乃が経緯を喋ろうとした時。

またもノックが3回。恐らく雪ノ下母だろう。父は一度確認してから、しかし予想通りだったので部屋に入れる。

 

「ねえあなた。冷蔵庫に入ってた…瓶を……陽乃が飲んだのね、良くわかったわ」

 

「説明をお願いします、お母さん」

 

「それ若返りの薬よ。年齢が7歳低くなるらしいわ」

 

そんな薬誰が作ったのやら。

依頼主は、まあ雪ノ下母であろう。それくらい小佐内さんでもわかる。なんなら千反田でも、リョウでもいい。

 

「で、私が間違えて飲んでしまったということですか。しかしそうなると今私は中学二年生時の身体ですか…雪乃ちゃんのところに行ってきます!」

 

これは面白そうと愛する妹の家に直行しようとする陽乃、しかしそれは母の一声によって止められてしまう。

 

「待ちなさい!服を、出すわ。雪乃が中学生の時に着ていたものはまだあるはずだし」

 

そう言って母は一度廊下に顔を出し一言二言喋り顔を戻す。廊下に立つメイドに命令したのだ。

普通こういう場合外出禁止しないの?まあ前例なんてあるわけないからいいんだろうけど。

 

「一度リビングに戻ってなさい」

 

「はーい」

 

陽乃はたったか走り出して行ってしまった。

 

 

 

 

 

「あの子、少し精神まで若くなってないかしら?」

 

「いいんじゃないか、少しくらい。今まで無理をさせてきたってわかっているだろう?」

 

「それは…そうだけれど」

 

「それより母さん」

 

「なにかしら」

 

「母さんは若返りたいのかい?」

 

「…ちょっと小鳩さんの様子を見てくるわね」

 

「逃げられてしまったか…仕事に戻ろう」

 

そんなやり取りがあったとかなかったとか。

 

 

 

 

 

陽乃はテレビを見ながらメイドの小鳩さんが服を持ってきてくれるのを待っていた。足をフラフラさせたくなる衝動を抑えるのに必死で、テレビの内容は脳に1ミリグラムも留まっていないが。

ここで陽乃は、自分はもしかして精神レベルも中2に?と気づき始める。しかも彼女の知る一般の中学生とは小町しかいないため、必然的に小町に性格が寄ってしまう。

 

「陽乃さま、お洋服をお持ちしました」

 

「ありがとー!今着替えるから、脱いだ服もよろしくね」

 

「畏まりました」

 

しかしそれがわかったことと今その性格が治るのは別問題。

すごく自然に服の後処理を頼んでいる。少し甘え上手というか、媚がうまいというか流石小町を無意識に模倣しているだけのことはあった。

白のシャツに水色の薄いパーカー、ベージュのスカートを身にまとった陽乃は、その足に靴を履くや否やすぐに家を飛び出していった。

小さくなっても美貌は同じ、男はみんな私の虜!超美女は私1人!

なんて考えている陽乃がいると一体誰が思うのだろう。大学生とは思えない思考回路である。

そんな感じでるんるん雪乃の家へ向かっていた彼女にハプニングが起こる。

 

「へいお嬢ちゃん、俺たちとティーパーティーしない?」

 

高校生のチャラ男3人組が話しかけてきた。ナンパだ。中学生相手にナンパする高校生とはなんと馬鹿馬鹿しい…。

しかし陽乃は女子高生として十分通るのだ。事実中学時代に何度か高校生に間違えられている。まあそれは外見だけで判断されているわけじゃないんだろうけど、それでも彼女は少し精神面も変わったからされないだろうなと思っちゃっていたのだ。

 

「ごめんなさい、私友達の家に行く途中なの」

 

「じゃあ俺たちも行っていい?その友達とも一緒に遊ぼうよ」

 

「そうそう!みんなで遊んだ方が楽しいでしょ?」

 

そのみんなとはあなた方3人のことですか、たった3人をみんなと言い換えるのは日本語的にどうなんですかね?

普段ひとりでいる作者の逆鱗に触れたチャラ男Bはあとで抹消します。

そうやって作者がイライラしているうちにチャラ男達は強行手段に出ていた。男が陽乃の腕を掴んでくる。

今彼女が歩いてきたのは大通りとは言えない場所、声を上げても助けは期待出来ない。ましてや彼女は今普段よりも非力だ、抵抗したくとも合気道だけではふたりが限界と分かっていた。

その時1人の男子高校生がそこを通りかかる。猫背でアホ毛をぴょこぴょこしながら、しかしいつもより足早に歩いている。それは厄介事に巻き込まれたくないからなのか、それとも向かう先にハッピーが待っているのか。

 

「あ!比企谷先輩!比企谷八幡せんぱーい!!」

 

彼の歩が止まる。ちらりとこちらを振り返り、顔を戻して歩き出してしまった。

彼に自分を先輩と呼んでくれる人は大方一色ちゃんだけなのだろう。それ以外は気にしないスタンスを取っている。故に陽乃と分からなかったのも無理はないのだ。

陽乃のささやかな抵抗を目の当たりにして早め早めの行動を意識するチャラ男、あっという間に陽乃は身動きが取れなくなった。

陽乃絶体絶命のピンチ!ヒーローは現れるのか?

 

「あの…そいつやっぱ俺の後輩だったんで、離してもらえます?」

 

「あぁん?なんやとお前、ヒーロー気取りかいな」

 

チャラ男じゃなくてヤクザでしたか。

八幡が戻ってきてくれた、それだけで陽乃は少し嬉しく感じてしまった。

しかし助け方が雑というか、ひねくれているのが彼である。

 

「知ってますかね、この近くに交番あること…実はそこに知り合いがいてね。今電話して来てもらってんだよ」

 

「はっ、そんな嘘通じるわけないだろ」

 

「あ、来た」

 

そう言って自分の前方、彼らの後方を指さす。

確かにそこには警察官らしき人がいた。振り向きその姿を確認したチャラ男たちはもう何も言えず、あらほらさっさ〜と逃げていった。

 

「比企谷先輩ありがとうございます!まさか貴方に警察の知り合いがいたとは思いませんでした」

 

「あ?そんなんじゃねぇよ、ありゃ見回りしてるこの辺のボランティア警備だ」

 

たしかによくよく見ると警察官ではなく警備員だった。それを上手く利用した彼、チャラ男たちが陽乃に夢中になっていたからこそ出来たのだろうが、そんなこと今の陽乃には分からないだろう。

 

「ところで比企谷先輩は今からどこに?」

 

「あ?…あ〜、言っていいもんかね」

 

陽乃に聞こえないようにそう呟く、少し思索した後出した結論は至極真っ当だった。

 

「というかまずお前誰」

 

「あはは、ひっどーい」

 

陽乃と八幡はたしかに知り合いではある。しかし今の陽乃は中学ボディだ。彼女の背は中3になって追い上げるかのように伸びたので今は八幡を見上げるほどに小さい。

今陽乃は仮面と本性を足して2で割ったけど配分間違えて本性寄りって感じだ、八幡が仕草及び行動から陽乃と気づかないのも頷ける。

助けてもらったのだからネタばらししてあげてもいいと思うのだが、しかし陽乃はこの状況を面白がっていた。

 

「まあまあ、タダのしがない元文実ですよ」

 

「…はあ、そうか。じゃ、もう行くわ」

 

「待ってくださいよ〜」

 

目的地へ去ろうとする八幡の腕を思いっきり掴む。

先ほどナンパされた人とは思えない大胆な行動だが、まあ陽乃は八幡のことを理性の化物と信頼している故の行動だろう。

そして八幡は顔が赤くなっている。今の陽乃は中二のあどけなさがあるが美少女なのだ、仕方ない。もう、照れ屋さんなんだから!

 

「な、なんなの?お前」

 

「そう言えば先輩はどこに行くつもりだったんですかー?」

 

「無視ですか…」

 

ため息をつく。だがこいつは八幡、年下にはめっぽう弱いし年上にもそれなりに弱い、同い年相手に至ってはまるっきりダメ。やはりこいつ年関係なくコミュ障じゃねーか。

言うべきか悩んでいる八幡を愉しそうに見ている陽乃は、八幡のもつトートバッグに勉強道具が入っていることに気づく。

 

「どこかに勉強しに行くんですか?」

 

「ん…まあな。少し知り合いの家に行く感じだ」

 

観念したのか色々はぐらかしつつ真実を告げた。

陽乃は考える。

八幡が勉強ということは十中八九教えてもらう側だろう。こんな休日に自分から教えには行かない、教えて欲しいならお前が来いというはずだ。

陽乃が知る八幡より頭のいい人は雪乃、隼人、めぐりあたりしかいない。大穴で平塚先生。

その中で行くとしたら雪乃か平塚先生くらいでは?というか大穴のくせに第一候補なのね。

 

「若しかして〜、雪ノ下先輩ですか?」

 

「…ち、違うぞ?」

 

うわー、嘘下手くそだなぁ。

目は逸らされ空を泳ぎ首が動く。コールドリーディングできない人でもこれくらいは見抜けるだろう。

 

「あはは、嘘下手ですね。では、私はそろそろ行きます!ではでは〜」

 

陽乃がそう言って颯爽と走ってその場を去る。その場にぽつんと残された八幡はぽかんとしている。嘘が下手と言われてバレたことに恥ずかしく思っていた八幡のポケットがバイブした。

 

 

 

 

 

少し経ったら雪乃ちゃんの家に突撃しちゃおうかな?比企谷くんビックリするだろうなぁ。

近場の公園のブランコで揺れる陽乃。そこで暫し時間を潰すつもりらしい。そこに近寄る人影。誰かなと顔を上げる。

 

「ふへへ…可愛いなぁ」

 

デブ、汗だく、メガネ、チェック柄のTシャツ、猫背、手を前でこねこね、笑い方がふへへとオッサンがしたらなかなかキモイ格好になりそうな要素をこれでもかとふんだんに詰め込まれた40代らしき人がそこに居た。

 

「ひぃっ」

 

流石の陽乃もこれにはドン引きである。ブランコから動けないほどにはすくんでいた。チェーンが揺れる、座板も揺れた。

空にはいつの間にか灰色の布が掛けられ、地に届く光が減る。何やら不穏な空気、今度こそ陽乃は絶体絶命だろう。

 

「ふへ、ふへ、ふへへへ」

 

もはや半狂人となっている彼の目に映るは麗しい女子中学生。その顔が恐怖に歪む顔がたまらないという具合に男はさらに興奮する。

その興奮が陽乃に伝わりさらに恐怖を感じ、また不審者が狂うと悪循環ができていた。

彼らにある隙間は3m。秒速10cmで不審者は等速運動している。

0mまであと30秒。

 

(い、いや…何でこうなるの…)

 

完全に精神が中学生になっている陽乃。冷静ではない。

0mまであと20秒。

 

(いや、嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ動け動け動け!)

 

理性に反する本能は自分の体を動かしてはくれない。それどころか微振動して硬直しつつある。

0mまであと10秒。

 

(た、助けて!比企谷くん!!)

 

無意識に浮かんだ少年はあまりにも力不足で役余りだ。

しかし陽乃は少年にすがるしかなかった。それが冷静でない彼女の最後の正常な思考。

視線は男に向いたまま涙目になる。それを見て興奮した男はもはや目と鼻の先、加速度を持って襲いかかろうとしたその刹那、視界からそれが消えた。

 

「行くぞ」

 

手を引かれる。陽乃の視線は黒い糸の束のようなものに釘付けになった。

 

「ひ、比企…谷くん」

 

「ああ、やっぱりあんた陽乃さんでしたか」

 

「どう…して…」

 

「話は後です。とりあえず雪ノ下の家に行きますよ」

 

そのまま手を引かれ呆然としながら連れていかれる。八幡が何処かに電話しているのをボヤつく視界でなんとか把握する。

陽乃が気づかないうちに八幡は雪乃のマンションに着き、ロビーで待っていた雪乃が即座に開けたドアを速度を下げないまま通る。

 

「…ふう、ここまでくれば安心だな」

 

「ええ、ありがとう。今回は本当に助けられたわ」

 

「俺らしくもない方法だったけどな」

 

そう笑い合うふたり。その間を朧気な目で見る陽乃に気づいた雪乃がとりあえず部屋に戻ることを提案する。

部屋に着いた3人はリビングのソファに座り込んだ。陽乃が八幡から離れないのを見て一人用には雪乃が座った。

深呼吸と見慣れた風景によって安堵した陽乃が冷静さを取り返す。でもまあ陽乃の手は八幡の服を掴んでいるが。

 

「どうして私が陽乃って…それに、どうして私が危ない時に助けてくれたの?」

 

「あ?ああ、貴女と離れてすぐ雪ノ下から電話があったんですよ、もう直ぐちっちゃくなった雪ノ下さんがイタズラしに来るからって」

 

陽乃の予想通り八幡は雪乃の部屋に勉強をしに行く途中だったのだ。そして警告を受けた八幡がとった行動が彼女を救うことになる。

 

「だったらここでばったり会うより一緒に行く方が後々楽かなって思って探してたら不審者に迫られてて、でそいつ突き飛ばして引っ張ってきたんですよ」

 

「きっと今朝ニュースでやってた不審者ね。東京で出たらしいのだけれど、こっちに来てたのね」

 

八幡が陽乃の質問に少し的はずれな回答を返している気がしないでもない。

電車一本でらくらく移動してきたのだろう。まだ顔も公表されてなかったために出来たのだ。

 

「あ、ありがとう比企谷くん。ほんとに、ほんとに助かった」

 

俯く彼女の頭に手をのせる八幡。その優しい手つきに再度安心を感じた陽乃は、涙を落とし始めた。

 

「…勉強はまた今度だな」

 

「…そうね」

 

そんな声が遠くに聞こえる。

そのまま陽乃の意識は薄れていき……。

 

 

 

 

 

窓から零れる、夏の陽の光が陽乃の顔を照らす。今日からいよいよ7月なのだ。

陽乃は顔を数回しかめた後目を開く。

 

「…夢、なんだ」

 

まさかの夢オチ。陽乃ファンの皆さんすみませんでした。

これにて雪ノ下陽乃生誕祭ss終了でございます。めでたしめでたし。

 

「そうはさせないよ、今ので比企谷くんに惚れちゃったもん」

 

ああ、はいはいそうですk……え、なんだって?

 

「さて、雪乃ちゃんから横領しちゃおう♪」

 

雪ノ下陽乃生誕祭ss、続くらしいです。

つづく。




〜次回予告〜

ほんの一夜の夢の中で八幡に助けられた陽乃、それがきっかけで八幡を完全に好きになってしまった!
しかし彼を恋い慕う人は沢山いる!そんな中出遅れている陽乃は八幡との奪略愛を育むことが出来るのか!?

次回『陽乃落とす』

デュエルスタンバイ!
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