「わーたーしーがーっ!」
「颯爽とドアから来たぁーっ!」
「「「「「オォォォルマイトォォォっ!!!」」」」」
一限目、クラスのテンションは最高潮に達していた。
No.1ヒーローこと『オールマイト』
彼を知らない者は恐らく居ないだろと言うくらいの超有名人。
英雄の中の英雄。
数々の伝説を成し遂げた男。
人類史上、最高のヒーロー。
そんな男が教鞭を振るい、ヒーローの何たるかを伝授するというのだ。我こそがとヒーローを目指すヒーロー科生徒たちの気分が天元突破してしまうのも無理は無い。
『ヒーロー基礎学』
ヒーロー科の教育カリキュラムの内、多くのウエイトを占める教科である。敵との戦闘、災害時の救助作業、応急手当や避難誘導、犯罪者の捜索に至るまで、ありとあらゆるヒーロー活動に必要な知識・技術を学ぶ、総合教科である。
前回の「個性把握テスト」もこれに分類されるのだが…、皆にとってはこちらが本番だろう。
生徒たちの「すげーっ!オーラぱねーっ!」「画風からして違うぞオイっ!」等という男女入り乱れた歓声にパーフェクトスマイルで応える『オールマイト』。
「早速だが始めよう!お題はコレ!戦闘訓練!!!」
『オールマイト』の宣言で、生徒たちのボルテージは更に一段階上がる!
「それに伴って~こちらっ!」
そう告げると、壁の方からガコッ!と言う音がして次第に壁が盛り上がってくる。
うおぉぉぉぉっ!
生で見るとなお凄い!感動だ!
「入学前に送ってもらった「個性届」と「要望」に沿ってあつらえた…
「「「おおおっ!!」」」
『オールマイト』・『戦闘訓練』・『
「……先生。…俺の…『
そう無いのだ!俺の
なんと言うことかっ!このような悪逆非道な事があって良いのか!?皆が格好良い戦闘服に身を包み、目覚ましい成績を出す中、俺だけは戦闘服無しで掛からなければならないのかっ!!
ちくしょー!こんなことなら緑谷ママンのように夜鍋してお手製のスーツ用意するんだったよ…。
「ガッカリするのはまだ早いぞ!大入少年!コレを見ろ!」
「「「ええぇぇぇーっ!」」」
オールマイトが教卓の下から取り出したのは「No.02」の
「大入少年…「要望」書きすぎだろ。他の皆の三倍って。しかも、大半通るし…。お陰でケースまで三倍になってしまったでは無いか!棚に入らないよコレ!どうしてくれるの!」
「え?マジ?」
「マジ!」
「リアリー?」
「REALLY!!」
「イャッフーーーッ!」
「「「ええぇぇぇーっ!」」」
マジか…あれ通ったのか?しかも、ほぼ全部?前世のアニメ知識からアレンジした物もそこそこ盛り込んだ筈だけど…なにそれ滾る!
「恰好から入るってのも大切な事だぜ、少年少女!!自覚するのだ!今日から自分はヒーローなんだとっ!!」
「さぁ、時間は待ってくれないっ!着替えたら順次グラウンド・βに集合だ!!」
_______________
「おーっ!一佳!格好良い
グラウンドに到着すると集合した面々の中に一佳を発見する。ふっふっふ、いくらマスクで顔を隠そうがそのチャームポイントなサイドテールで丸わかりだぜ。
一佳のコスチュームはチャイナドレスをベースにアレンジされた
「…どちら様?」
「俺だよっ!?大入福朗っ!!」
「あぁ、福朗か。変な仮面付けているから分かんなかった」
「変な…って、ヒドす」
「酷くないよ。アンタその仮面付けてると本気で
「いと、ヒドす」
俺の戦闘服は例えるなら「
上は長袖の「ホワイトシャツ」に「黒のベスト」と「ネクタイ」。下は「黒のスラックス」にデカイバックルのついた「革ベルト」。頭に被った「シルクハット」に加えて、顔の中心からバッテンを描くように四分割したモノクロタイルに不気味な笑顔を貼り付けた「道化の仮面」がより不安を掻き立てる。極め付けには腕に付けたドデカイ「籠手」と足に履いた鉄板入りの「ハードブーツ」とまぁ…イロモノ感の半端ない仕上がりとなった。…あれ?これ『Mr.コンプレス』と被ってね?そりゃ
「んで?それ完全武装?」
「いや?流石に量が多すぎた…。使える武器何個かピックアップして、それだけ持ってきた。後で説明書しっかり読まないとな」
「元はと言えばそんな馬鹿な要望書くからだろ…」
俺の
もし、風の力のみで全力戦闘したら多分…30分も保たない。今回の夥しい数の武器は、全てその負担を減らすことに重点を置いている。…んだが、数が多すぎィっ!?何あれ!?何で!?所詮素人の思い付きよ!?しかも、一部はアニメ・マンガ設定よ!!何で実現可能にしちゃってんの!?説明書サラッと読んだけど本気で実現可能レベルに落とし込んでんの!現代科学恐すぎっ!
「遅いぞ大入少年!皆揃っているんだ!皆を待たせてはいけないぞっ!」
「あっ、ハイ…すみませんでした」
他の皆から笑われた…恥ずかしい。
_______________
「さぁ、始めよう!今回の訓練は屋内での「対人戦闘訓練」だ!」
「敵退治って言うのは統計で言えば屋内の方が凶悪な奴に会いやすい。監禁・
「今回は2vs2のチーム戦で互いを仮想敵とした戦闘訓練を行う!ここまで良いかな?」
オールマイトの解説を皆が大人しく聞いている。呆気に取られていると置き換えてもいい。
(((((…カンペだ)))))
オールマイトが左手に持つ一枚の紙。授業の合間にコレを覗いているのが見られる。
いくら平和の象徴と言えど、教育者としてはピカピカの1年生。何とも間抜けに見える光景だが、生徒たちは気を使ってか大人しく話を聞いている。うむ、優しい世界。
「先生?基礎訓練も無しにですか?」
「基礎を知るための実践さ、物間少年!入試試験の時のように相手はロボットじゃ無いからぶっ壊すだけでOKとはならないぞ!「ただ敵だからぶっ殺す」なんて短絡的な思考じゃヒーローは務まらない。いかにして相手を押さえ込むかは腕の見せ所だ」
「さて、細かいルールを説明するぞ!」
オールマイトは軽く咳払いをして仕切り直す。
「先ずは状況設定だ。「ヴィラン」は今回
(((((設定アメリカンだな!)))))
「「ヒーローチーム」の勝利条件は制限時間内に「ヴィランチーム全員の捕縛」又は「核兵器の確保」すること。核兵器は触れた段階で確保したと判定するぞ!」
「「ヴィランチーム」の勝利条件は制限時間内に「ヒーローチーム全員の捕縛」又は「制限時間核兵器を死守」することだ!」
因みに「核兵器」はダミーの張りぼてだが、本物として扱うようにと注意された。
「…先生?質問宜しいでしょうか?」
「なんだね!塩崎少女!!」
「チーム分けは如何なさるのですか?私達は21名…二人組を作ると一人を余りますが?」
…ハッ!しまった!これってもしかして「は~い二人組作ってね~」じゃないか!…いや落ち着け!ここが原作通りなら…
「ん~ナイス質問だ!グループ分けも対戦相手も完全にクジでランダムにマッチングする!!そして!余った一人は…これだ!」
そう言ってオールマイトは有る物を取り出した。…何あれ?黒い…ボール?
「「ジョーカーボール」コレを引いたチームに入ってもらうっ!」
「つまり3vs2っ!?」
「イエス!ヒーローチームかヴィランチームかはクジ運次第だがね!しかし、それだけでは終わらなーい!」
オールマイトは続けて紙束を取り出す。
「ジョーカーボールによって人数的に不利になったチームには対戦相手の“個性”情報を…非常~にっ!極一部であるが公開する!」
「はぁっ!?なにそれいくらなんでもそんなのズルいでしょうよ!」
「いいや、そんなことはないぞ取蔭少女!ヒーローにしろヴィランにしろ知名度が上がれば上がるほど“個性”が知れ渡り、「対策」が取られていくのが世の常だ。三人組チームには「情報的不利」を二人組チームには「人数的不利」を背負ってもらうぞっ!よく考えて作戦を練るんだっ!!!」
原作に無い展開…。正直予想すらしてなかった。果たしてどうなることやら…
_______________
ヒーロー基礎学 第1回 対人戦闘訓練
グループ分け
Aチーム 拳藤 鉄哲
Bチーム 宍田 円場
Cチーム 鎌切 取蔭
Dチーム 骨抜 小森
Eチーム 凡戸 黒色
Fチーム 柳 吹出
Gチーム 大入 物間
Hチーム 鱗 庄田
Iチーム 角取 小大
Jチーム 回原 塩崎
joker ball 泡瀬
とうとう始まる「戦闘訓練」。一体、大入福朗は誰と戦うのか?しかも相方はあの物間!?嫌な予感しかしない!?
再び訪れた戦闘描写!果たして作者は魅力的な展開を描けるのか!?駄文にならないよな!大丈夫だよな!?
程々に期待して待ってて!お願いっ!
※9/3誤字修正
『Mr.コンプレックス』→『Mr.コンプレス』