転生者「転生したんでヒーロー目指します」   作:セイントス

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とうとう、書いてしまった…。
初投稿の稚拙な文章ですが、良かったらお付き合いください。


プロローグ
1:???? オリジン?


「なんじゃ、つまらない人生じゃのう。お主」

 

 

突然何処からか声が聞こえた。

年寄りの様な口調の少年の声。

 

 

「あぁ、このままでは見えんか。ちょっと待っておれ」

 

 

そう言うと目の前に数多の小さな光の粒子が現れた。それらは徐々に増え、集まり、人の形を作っていく。やがてその光が一段と強い輝きを放ったかと思いきや、光が消えそこには一人の少年が立っていた。

 

 

「さて、待たせたのう。時にお主は今の自身の状態を理解しておるかのう?」

 

 

そう言われて俺は改めて自分の状況を確認してみる。周りの景色を見渡して観るが、その時点からおかしい。

自分の周りには目の前の少年一人を除いて何も無く、月夜の様に明るい視界。その先には小さな小さな淡い光が数多く瞬いている。それこそ、宇宙を漂っていたらこの様な感じだろかと余計な考えを廻らせる。

 

次に自分の体を確認してみるが、これもやはりおかしかった。自分の体が無いのだ。

手や足、呼吸やまばたきさえ意識出来る。しかし、手を伸ばしても自分の指先を見ることは出来ないし、足下を見ても爪先を見ることも叶わない。これではまるで幽霊みたいではないか。

 

最後に自分の記憶を確認してみる。これはおかしい所は無かった。

いつもの様に朝起きて、家族と他愛ない話をして、仕事に出て、上司に怒られたり、後輩の指導したり、一日精一杯働いて、自宅に帰ろうとして、そして…。

 

 

 

…あぁ、そうか。俺は死んだんだった。

 

 

 

今日も一日が終わり、後はいつもの様に帰るだけだった。駅のホームで電車を待っている時にそれは起きた。突如隣りに立っていた女性が線路内に落ちたのだ。不幸にも電車がホームに入って来る直前で、電車を止めて貰うのも間に合わない。俺は咄嗟に落ちた彼女を下の避難スペースに運ぼうとして、そして…。

 

 

 

 

 

 

「…お主随分落ち着いておるな」

 

 

沈黙を破ったのはまたも目の前にいるこの少年だった。

 

落ち着いている…。確かにそうかも知れない。幸い一瞬で死ねたから痛みも無かったし。自分が死んでしまった感想と言えば「人間ってこんなにアッサリ死ぬんだな」位にしか思わなかった。

 

 

「ふむ、人間にしては生存欲がなさ過ぎやしないかね?」

 

 

俺のことは正直どうでも良い。それよりも…

 

 

「一緒にいた女がどうなったか?じゃろう?」

 

 

…なぜ、それを?

 

 

「これでも神様じゃからな。お主がどの様な生涯を送り、何を考えたのかちゃんと知っておる」

 

 

そう言って目の前の少年はエッヘンと胸を張る。少年の姿のせいかイマイチ信じられない。すると目の前の少年がジトッとこちらを睨んできた。あ、思考読まれてるのか。

 

 

「理解が早くて結構。さっさと本題に入りたいが…先に女の方を話さないとならんようじゃの。

結果から言うとあの女も死んでしまったな。お主は女を安全な所に運びたかった様じゃが、二人そろって死んでしまっては意味が無いのう」

 

 

そうか。間に合わなかったのか…。

 

 

「気に病むでない。先程その女と話したがお主に感謝しておったぞ」

 

 

感謝?

 

 

「そうじゃ、あの女は疲れ溜まっており、気の緩みから気を失ったらしくな。残念ながら自分がなんで死んだのかも理解しとおらんかった。死ぬ間際のことを伝えたら嬉しそうな顔をしておったぞ」

 

 

…。

 

 

「…まぁ、良い。それでは本題に入ろうかの」

 

 

 

「さて、お主は残念ながらつい先ほどその短い生涯を終えた。此より汝の魂を行き先を決める審判が下る」

 

 

そう言うと上空から1枚の紙がハラリハラリと落ちてきて少年の掌に収まる。少年はその紙に目を通すと「なるほど」と頷き、どこからか出したペンでサラサラと文字を書き足していく。

少年が文字を書き終えるとその紙を便箋にしまい空へと放る。空へと放たれた一通の手紙はパラパラと光の粒子となって消えていった。

 

 

「さて、これでお主の行き先が決まった。汝に幸福な未来が訪れんことを!」

 

 

高らかに宣言した少年は手を高く上げ指を鳴らす。すると、目の前に光が溢れ真っ白に染められた視界の中で、私は再び意識を失った。

 

そこに残っているのは先程の少年。

 

 

「さぁ、新世界へようこそ…じゃな」

 

 

神を自称する少年の声は、何もないこの空間に静かに響いた。

 

 

 

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